『大世見者 松原照子(ムー 2017年1月号)』にツッコミ!(その3)
※当記事は(その1)(その2)からの続き。


 (その1)で記載した通り、「トランプ大統領誕生」を予言したことが『ムー』の表紙にてアピールされている松原様。

 まずは、当該予言が、具体的にどのようになされたのかを見てみよう。
『ムー 2017年1月号(No.434)』 (学研/2016.12)  P.16
 2016年11月9日、アメリカ合衆国で、歴史的な番狂わせが起こった。共和党のドナルド・トランプが次期大統領に決定したのである。
 この結果を予想していた人はきわめて少なく、アメリカの大手メディアも、軒並みクリントンの勝利を確実視していた。たとえば「ニューヨーク・タイムズ」は、投票が終了する直前の時点で、84%の確率でクリントンが勝つと報じた。だが、その数時間後には、トランプの勝利が濃厚となったのだ。

 
〜(中略)〜

この大どんでん返しが起こる1週間前松原照子氏のウェブサイト「幸福への近道」に、次のような文章が急きょアップされていた。11月2日、午前0時のことである(以下、原文ママ)

 
(追記)
突然ですが「アメリカでは 女性大統領は誕生しない」
こんな声が 今聞こえてきました
サテ サテ どうなるのでしょう?
「答えは もう決まった」
こんな声も聞こえます。

 記載されているように、トランプ氏の大統領選勝利が決定したのが11月9日。そして、予言内容が松原様のサイトにアップされたのは11月2日午前0時のようである。

 
なんだよ、予言が約1週間前って。ただの2択じゃねぇかよ。
 
せめて、共和党予備選挙時、泡沫候補の1人としてしか見られてなかった頃に予言してくれよ・・・

 
しかも、「サテ サテ どうなるのでしょう?」って、ハズれた時用の逃げの文章もあるし(笑)

 もう、この時点で、
あまり評価のできる予言でないことはお分かりと思うが、より詳細に見て行こう。

 まず、この予言がなされたのは、実際は、もう少しだけ早かったようで、松原照子様が上記の追記分を「明日の記事に付けくわえてほしい」とスタッフに頼んだのは11月1日の晩だったらしい(P.17)。

 そして、本来、サイトにアップする用の記事は7〜10日前にスタッフに渡すのが通例で、このように、後から追記を依頼するのは異例のことのようだ(P.17)。 
松原照子様が慌てて、上記予言を追加した様子が伺えるようである。

 続いて、まだ記憶に新しいところだと思うが、トランプVSクリントンの大統領選の推移を、この予言がなされる近辺まで簡単に振り返ってみよう。

 まず、選挙戦に大きな影響を与えたのは、
トランプ氏の女性蔑視発言だ。
 10月7日、トランプ氏が10年前にした女性蔑視発言の映像をワシントンポストが公開し、トランプ氏の支持率はガタ落ちとなる。 
<参考> 「10年前の失言がトランプ氏の息の根を止めた(2016.10.9)」(東洋経済ONLINE)
 これで、クリントン氏の勝利が確定したと思いきや、そうはならなかった。

 10月28日
FBIがクリントン氏の私的メール問題につき、捜査を再開すると発表したのである。別件にからみ、クリントン氏が国務長官時代に私的メールで発信したメールが、新たに見つかった為である。
<参考> FBI、クリントン氏への捜査再開 大統領選の波乱要因に (2016.10.28)」 (ロイター)
 この発表で、トランプ氏は息を吹き返し、支持率は急激に回復

 11月2日時点で支持率は、
クリントン:47.2%トランプ:45.5%となり、その差1.7%まで追い上げている(※11月2日時点での支持率及び、それまでの支持率の推移は、下記リンク先のグラフを参照)。
<参考> トランプリスクに向き合う世界市場 (2016.11.4)」 (楽天証券) 
 もはや、どちらが大統領になってもおかしくない数字である


 それでは、松原照子様の予言に話を戻そう。

 松原様の該当予言がブログに掲載されたのは11月2日午前0時、そして、その前にスタッフに追記依頼をしたのは11月1日の晩である。

 その頃は、10月28日のFBIによる捜査再開の発表により
トランプ氏の支持率が急激に上昇している最中で、トランプ氏の大統領就任が現実味を帯び始めて来た頃である。

 加えて、もし、FBIの捜査が進み、クリントン氏が私的メールで機密情報を発信していたことが判明すれば、クリントン氏の勝利は完全になくなるという状況でもある。(※)
<※> 実際は、11月6日にFBIは訴追しないことを発表し、この問題は終結した。
<参考> 「クリントン氏の私的メール問題、FBI長官が訴追しないことを改めて表明 大統領選への影響は? 2016.11.7」 (The HUFFINGTON POST)
 つまり、松原様が予言した時点で、トランプ勝利は十二分に予想の範囲内であったのである。

 ・・・あ、私、分かっちゃいました。

 松原様、「声が今聞こえてきました」とか「こんな声も聞こえます」とか言ってますけど、この場合の「不思議な世界」って「夕方のニュース」じゃないですかぁ?

 ねぇ、きっと、こんな感じだったんですよね?
<11月1日夕方> 夕方のニュースを見て、「これは、トランプ来るかも!?」と思う。

<11月1日晩> 予言するなら早ければ早いほどいいから、大慌てでスタッフに追記依頼。

<11月2日午前0時> スタッフ、該当ブログ記事を投稿。
 ちなみに、松原様が追記を依頼した時のスタッフの言葉が『ムー』に掲載されている。
『ムー 2017年1月号(No.434)』 (学研/2016.12)  P.17
「今こんなことを書いて外れたら、また何をいわれるかわかりませんよ」
 スタッフにすら、松原様の予言が当たると思われてねぇwwwwww

 松原様、良かったですね!二択で当てること出来て(笑)




 以上、(その2)で見た通り、松原様は、本の内容を見て言ってるだけのものを、
「不思議な世界から、こんな言葉と映像が届きました」
「ブルーグレーのおばちゃまは言っておられたのですが」
「こうしていると建物の絵のようなものが見える」

などと言えてしまえる御方である。

 今回の、
「声が今聞こえてきました」
「こんな声も聞こえます」

も同様に、ニュース、もしくはそれに類するものを見て予想しただけのものを、このように表現をしているのであろう。


 続いて(その4)では、松原様が今後20年の日本について予言してくれているので、そちらを見てみよう。



2017.01.03 新規

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逆に言えば、こんな程度の予言的中を前面に押し出さなきゃいけないこと自体が、能力の無さを物語ってるよナ。