『いつも宇宙人があなたの間近にいます』にツッコミ!(その4) ・・・ 田村珠芳さま
※当記事は、(その1)(その2)(その3)からの続き


 当記事では、本書『いつも宇宙人が間近にいます』に記載された個別のトンデモ内容にツッコミを入れて行きたい。



<P.56>
地球の内部は空洞、地底人はいる

 今、地球上で常識とされている科学はどうやら間違っていると思えます。
 ニュートンの
万有引力の法則はじつは間違っていると――。物が落ちるということに関して、重力の法則だったらわかるけれど、引力の法則は違うそうです


(注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様)
 どうやら、「万有引力の法則は」「間違っている」らしく、「重力の法則だったらわかるけれど、引力の法則は違う」らしい。

 引力、重力、それぞれの意味は、広辞苑によると以下の通り。
『広辞苑』 引力
空間的に相隔たった物体が互いに引き合う力。
『広辞苑』 重力
@地球上の物体に下向きに働いて重さの原因になる力。地球との間に働く万有引力と、地球自転による遠心力との合力。

A万有引力と同じ
 重力については2つの意味が記載されているが、@の意味だと、「重力=万有引力−遠心力」だから、この公式の要素の一つである万有引力を否定してしまえば、重力そのものが成り立たなくなる

 一方、Aの意味だと、
「重力=万有引力」だから、やはり、一方の否定は他方の否定になる。

 何を言っているんだ、珠芳さまは??

 多分、自分で自分の言っていることを理解できていないんだろうねぇ。。。

 ちなみに、最後が「違うそうです」と伝聞で終わっているが、この節は、「間近にいる宇宙人からこんな話を聞いた」(P.54)という節の続きなので、どうやら、自称宇宙人に聞いた話のようである。


 さらに、上記記述は次のように続く。
<P.56>
 そして、宇宙はすべて同じ現象でできているから、ほとんどの惑星は中が空洞になっている。生命体が住んでいる星もあるし、住んでいない星もあるけれども、火星などは過去の核戦争の影響もあって地表には住めずに、生命体は地底に住んでいる。
 
ほとんどは、原理として宇宙の中では丸い物体ができると、中は空洞になる
 だから、地底人はいる、と。
 
地底人は、かつて地球上の文明として栄えたムーやレムリアの生き残りもいるけれども、他の惑星から地球にやってきて、あまりの原始生活に耐えられなくて地底に入って、故郷の惑星と同じような生活をしている生命体たちもいる
 ムーやレムリア、地球空洞論に地底人と、トンデモ話のオンパレード(笑)

 なんだよ、「原理として宇宙の中では丸い物体ができると、中は空洞になる」って。どんな原理だよ、教えてくれよ。

 ちなみに、地球の内部が空洞になっていることなどありえない。

 地震波の伝わり方を調査すれば地球の内部構造が分かり、内部が空洞でないことは明らかであるからである。(※参考:『謎解き 超常現象V』 (ASIOS/彩図社/2012.5) 「23 地球空洞説の真実」 P.199-209)

 ほんっと、珠芳さま、まんまとトンデモ話に騙されるな。




 続いて、拉致問題関連。

<P.74>
 東アジア共同体を作るのにネックとなっているのは拉致問題です。
 すでに、ある程度話し合いはついていますが、
2010年には大きく進展するでしょう
 横田めぐみさん、田口八重子さん、増本るみ子さんなど、日本の拉致問題家族会が生存と帰国を願う家族は皆さん生きています。
 それはプーチン首相が確認しています。

 
昔は、拉致問題はロシアの地下政府といわれた、クラスノヤルスクにある地下政府のマレンコフという方が仕切っていたんですが、亡くなりました。それを全部プーチン首相が引き継ぐことになったのです。
 そこで
彼に打診したら、全員生きているということを調べてくれました

 なんか、よく分からんが、拉致問題を現在、仕切っているのはプーチン首相(現大統領)らしい。

 そして、どうやら珠芳さまがプーチン首相に打診して、横田めぐみさん達が生きていることを確認したそうである。

 プーチンにツテがあるなんて、珠芳さま、すごいなぁ (棒読み)

 なお、珠芳さまは、拉致問題が「2010年には大きく進展するでしょう」と言っているが、これもハズレ。(※参考:Wikipedia「北朝鮮による日本人拉致問題」)



<P.114>
 あの鳥インフルエンザができたのは、スペイン風で――死んだ人の遺体を土葬します――そこから菌を取り出して鳥インフルエンザを作ったといわれています。
 
今度の豚インフルエンザは、鳥インフルエンザを豚人間に掛け合わせたんです。
 「今度の豚インフルエンザ」というのは、2009年に世界的に流行し話題になった新型インフルエンザ(当初、「豚インフルエンザ」と呼ばれた)のことで、まず、メキシコで認知され、その後、WHOはパンデミックを宣言した。(※参考:Wikipedia「2009年新型インフルエンザの世界的流行」)

 そして、「豚人間」登場〜〜!!

 「豚人間」なんて初めて聞いたよ(笑)

 なんか、「豚インフルエンザ」という呼称から、連想ゲーム的な妄想をした結果としか思えないのだが。。。

 そして、この「豚人間」なるものが、どうして作られたかと言うと、
<P.114> (※上記からの続き)
 アメリカとメキシコの国境近くに、遺伝子の研究所があります。そこで人間と豚を掛け合わせる実験を永年やってきたんです。
 
目的は何かといえば、豚人間を造ってその臓器を移植しようということです
 豚は非常に人間に近い。豚の臓器を人間に使えるんではないかということで、じつは研究が進められてきたんです。
 しかし、残念なことに豚そのものの臓器を人間に移植することはできない。
 そこで豚と人間の遺伝子操作をして、その臓器を心臓とか腎臓とか使えるところを使えれば移植が簡単なんじゃないかということで、研究がつづけられています。

 どうやら、豚人間の「臓器を移植」することが目的らしい。

 豚人間を作るなんて非人道的・非倫理的なことを出来るくらいなら、クローン人間を作るか、臓器提供用の人間牧場作った方がよっぽどお手軽で簡単だろうに。

 なんなんだろうねぇ。ホントに・・・

 どこから持って来た話か知らないが、
こんな話を信じることが出来る珠芳さまは、ほんっとにスゴい!

 ちなみに、2009年に流行し、メキシコで多くの死者を出した新型インフルエンザだが、珠芳さまによると、
<P.116>
 メキシコで百人以上死んだうち、半分以上は豚人間だろうと言われています。豚人間を実験台にしてやったのではないかともいわれています。
 どうやら、「メキシコで百人以上死んだうち、半分以上は豚人間だろうと言われてい」るらしい。

 なにを言ってるんだアンタは・・・





 以上、(その4)にまで渡り見て来たが、ホントにどうしようもない内容。

 世間の陰謀論・トンデモ話にまんまと騙されているにも関わらず、分かったつもりになってしまい、しかも、時間が経ってガセネタであることが分かっても、今度は別のガセネタを持って来て吹聴し出す。

 これで、自分は神の側、正義の側に立っているつもりなのだから、始末に負えない。



2014.06.10 新規

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こんなトンデモ話にマンマと騙されるレベルだから、自分に特別な力があると勘違いもできるんだろうナ。