「ルシフェルはベーエルダ星からやってきた」にツッコミ!・・・アマーリエさま

 教祖様によると、堕天使ルシフェルはベーエルダ星からやってきたらしい。

●詳細&ツッコミ

 教祖様の主張にツッコミを入れる前に、ルシフェルが堕天使とされるようになった経緯について説明しておきたい。(※この説明は、記事「ルシフェルは1億2千年年前に地上に生まれた」(大川隆法様)に記載したものと同じ)


 ルシフェルは、元々、ラテン語で、つづりは「Lucifer」。

 これは、
「光を帯びたもの」、「光を掲げるもの」(lux 光 + -fer 帯びている、生ずる)、「光をもたらす者」(lux 光 + fero 運ぶ)を意味する語であり、当初は悪魔や堕天使を指す固有名詞ではなかった。

 それが、5世紀頃の旧約聖書のラテン語訳の際に、ヘブライ語の「明けの明星」に 「Lucifer」 が当てられ、イザヤ書の以下の記述と結びついて、悪魔や堕天使の名前とされるようになったのである。
『イザヤ書』 14章12-15節
 暁の子、明けの明星よ、どうしてお前は天から落ちたのか。
 もろもろの国を倒した者よ、どうしてお前は地へと切り倒されたのか。
 お前は心の中で言った、
 「私は天に上ろう。神の星々のはるか上に、私は私の玉座を上げよう。
 私は、北の果ての、例祭の山に座そう。
 雲の濃い高みに上り、いと高き方に自らを擬そう」、と。
 しかし、お前は黄泉へと、穴の底へと落とされる。
 この記述は、本来、バビロニア王かアッシリア王について述べられたものであるとされている。

 しかし、この記述の「明けの明星」を「ルシフェル」に読みかえれば、ルシフェルと言う存在が、神のようになろうとして、天から落とされたと読めることになる。

 このようにして、キリスト教世界では、イザヤ書の上記記述が、「ルシフェル」と言う存在に対して述べられたものであるとされ、「ルシフェル」が堕天使や悪魔の固有名詞であるとされるようになったのである。

 つまり、「ルシフェル」が堕天使や悪魔だという話は、翻訳で生じた誤解・曲解に過ぎず、「ルシフェルと言う名前の存在がはるか昔から天上界に実際にいた」という話はあり得ないのである。  (※参考:Wikipedia「ルシファー」


 さて、この前提知識を知った上で、教祖様のルシフェルに関する主張を見て行こう。
『ガイアその愛その光』(アマーリエ・徳間書店) (P.25)
 ミカエルです。地球が宇宙連合の仲間入りをしようとする前に、明かしておきたいことがあります。あなた方が「サタン」と呼ぶ男のことです。サタンという名前は、悪魔の代名詞のように使われてきました。彼のほんとうの姿を、ぜひ知っていただきたいのです。
 
サタンというのは、彼が最後に地上に生まれたときの名前です。彼の本来の名前はルシです。

(管理人注)
○上記は、アマーリエ様に降りた大天使ミカエルの言葉として語られているもの。以下も同様である。
○青字にしたのは管理人(以下同様)
 ここで、語られているルシとはルシフェルのことなのだが、彼が最後に地上に生まれた時の名前がサタンらしい。

 サタンというのは、キリスト教、ユダヤ教などにおける悪魔のことだが、まず、これが固有名詞だったとしているのがおかしい。

 「サタン」はヘブライ語でsatan、ラテン語でsatanaで、「敵」、「反対する事」を意味する言葉である。それが転じて悪魔を指す言葉になった。(※参考:Wikipedia「サタン」)

 「サタン」と聞けば、その元の意味を知らなければ、「元々、固有名詞だった」と言われても納得するかも知れない。

 しかし、日本語で例えるなら、
「敵というのは、ルシファーが最後に地上に生まれた時の名前なのです」と言っているようなものなのである。

 そんなこと、あるワケないだろって話である。

 さらに、ルシフェルは元々、ルシという名前だったらしい。
 上述の説明通り、そんなこと、あり得るはずがないのだが。


 さらに、大天使ミカエル様によるルシフェルの説明は続く。
『ガイアその愛その光』(アマーリエ・徳間書店) (P.27-28)
 ルシは知的に優れた魂として神につくられました。彼は、人格霊としては最も初期につくられた魂でした。神の子が持つ属性としては、特に創造力の面で、彼はずばぬけた能力を持っていました。知性と創造性という点では、他に類を見ないほど優れた能力を持つ魂だったのです。彼は自らの知性と創造力に自信を持っていました。
 ルシは、オーム神霊
(※管理人注:創造神のこと)のすることをずっと観察していました。〜(中略)〜とうとう彼は、神の創造力の極意を会得してしまったのです。〜(中略)〜
 ところが、ルシの創造力発揮には愛の思いがなかったのです。多くの者たちを救いたいという思いはなく、自分の力を誇示するための創造力発揮だったのです。神に愛されたくて、創造力を見せていたのです。
 ルシフェルは、「人格霊としては最も初期につくられた魂」で、「特に創造力の面で」「ずばぬけた能力を持ってい」たらしい。

『ガイアその愛その光』(アマーリエ・徳間書店) (P.30)
 地球に人間が現れるよりずっと以前のことです。
 当時、オーム宇宙には、愛と友情で結ばれた惑星連盟というものがありました。惑星連盟に所属する惑星の科学レベルは高く、あらゆる面で現在の地球より遥かに進んでいました。ある程度のレベルに達した惑星は惑星連盟で結ばれ、みんな仲良く暮らしていたのです。惑星連盟には、所属する惑星の代表たちで構成される評議会がありました。評議会の中にも、ルシの信奉者がどんどん増えていきました。
 スター・ウォーズのようなSFチックで壮大な話になってきた。

『ガイアその愛その光』(アマーリエ・徳間書店) (P.32-33)
 もちろんまだ地球に人類が生まれる前でしたが、当時のオーム宇宙の中で、ある程度の文化を持っていた惑星たちは、ルシに賛同する側とそうでないものに完全に分かれてしまいました。惑星全体がルシに協力するというところも出てきました。
 惑星連盟の中に不信感が広がり、とうとう戦争にまで発展する事態となりました。それはルシ自身望んでいた結果でした。自らの力におぼれ、力がすべてと考えるルシは「自分の仲間にならない者たちを潰してしまおう」と思ったのです。
 〜(中略)〜
 
結局、オーム宇宙を舞台として、大戦争を繰り広げてしまったのでした。神の側に立ち、愛を重視する者たちと、ルシに従う連合軍との戦いでした。私の母星であるベーエルダはもちろん神の側であり、私は司令官としてルシの軍と戦いました。
 ルシが原因で、惑星連盟がまっぷたつに割れて大戦争となったらしく、その時、大天使ミカエル様は神の側として戦ったらしい。

『ガイアその愛その光』(アマーリエ・徳間書店) (P.33)
 戦争は延々と続きました。ルシは、自らがつくった大量のクローン人間を使って攻撃してきました。
 「大量のクローン人間を使って攻撃」って、まさに、スター・ウォーズやな。

 
教祖様、「スター・ウォーズ エピソード1〜3」の影響を受けたでしょ!(笑)


 そして、戦争の結果は、
『ガイアその愛その光』(アマーリエ・徳間書店) (P.34)
 結局、神の側に立つ我々が、ほんの少しだけルシたちより力が上回っていたため、勝利をおさめることができました。ルシの力は強大で、最後は私とルシとの一騎打ちとなりました。ルシの放つエネルギー波は強力でした。それでも、なんとか私がルシに勝つことができたのは、「エクスカリバーの剣」を持っていたからでした。それは、高次元の神霊から授かった、エネルギーを封印できる剣だったのです。
 ミカエルとルシフェルの一騎打ちとなって、神の側が勝ったらしい。

 そして、「エクスカリバーの剣」登場!

 エクスカリバーと言うのは、アーサー王伝説に登場する剣の名前である。漫画やアニメ、ゲームにも同様の名前の剣がよく登場するのでお馴染みの名前だろう。

 この「エクスカリバー」の名前の由来について、Wikipediaでは以下の通り説明されている。
Wikipedia「エクスカリバー
 12世紀のジェフリー・オブ・モンマスはラテン語の偽史『ブリタニア列王史』において、アーサーの剣をカリブルヌス(Caliburnus)とした。これは中世ラテン語で鋼を意味するcalibs(古典ラテン語ではchalybs)の影響を受けていると言われる。モンマスによると、この剣はアヴァロンで鍛えられたもので、アルトゥルス(アーサー)はこの剣を手にサクソン人の軍勢470人を打ち倒したという。

 アーサー王伝説がアングロ=ノルマンの詩人ウァースの『ブリュ物語』を経由してフランスの吟遊詩人に取り入れられた際、
ラテン語のカリブルヌスは格語尾のusが落ち、起源不明のesやexが加わって古仏語のエスカリボール(Escalibor)、エクスカリボール(Excalibor)などに変化した。これらがのちに英語に入り最終的にエクスカリバー(Excalibur)となった
 もともと、「カリブルヌス」という名前の剣が、変遷して「エクスカリバー」となったのである。

 なんで、超太古の宇宙戦争で、「エクスカリバー」という名前の剣が登場するのやら。。。


 そして、敗北したルシフェルはどうなったかと言うと、
『ガイアその愛その光』(アマーリエ・徳間書店) (P.34-35)
 問題は、ルシの処遇をどうするかということでした。どこの惑星が彼を引き取っても、やっかいなことになりそうです。どの惑星も危険すぎる男を引き取ろうとはしませんでした。さりとて、どんな魂であっても消滅させることはしないという、オーム神霊の方針があります。どこかで引き取らなければなりません。なかなか結論が出ませんでした。
 
そのとき、「私が預かろう」と申し出たのがベーエルダのエル・ランティだったのです。その一言で、ルシのエル・ランティ預かりが決まりました。みんな、自分たちが引き取らずにすんで、内心ほっとしていました。
 結局、ルシフェルを引き取ったのは、ベーエルダ星のエル・ランティ様だったらしい。

 ちなみに、エル・ランティ様は、後の宗教法人GLAの高橋信次様(1926-1972)のことである。


 そして、ルシフェルを引き取ることを決めたエル・ランティ様であるが、ベーエルダ星で大反対を受け、最終的に、ルシフェルやミカエルらと共に6千万人の人々を引き連れて地球にやってくることになる。

 そして、地球に到着した後、、、
『ガイアその愛その光』(アマーリエ・徳間書店) (P.38-39)
 地球にやってきてしばらくの間は、ルシは地球環境を整えるために一生懸命働きました。もともと優秀だったので、本来の力を発揮すると素晴らしい成果を挙げるのでした。誰かが困っているとすぐに解決策を見つけ、教えてあげました。そんな姿を見て、私は内心ほっとするのでした。私は片時も、彼から目を離すことができませんでした。いつ凶暴さが復活するかわからないと、常に監視していたのです。
 地球にやってきたルシフェルは真面目に働いていたようだ。

『ガイアその愛その光』(アマーリエ・徳間書店) (P.39)
 地球のために尽くした功績が認められ、ルシはその後、「大天使ルシフェル」として、七大天使のひとりに名を連ねることになりました。
 本来の彼の力からすれば当然ですが、私はルシに「よかったね」と言いました。ルシもうれしそうにしていました。私はというと、七大天使の天使長という立場が与えられました。身に余る光栄と感じましたが、うれしいというよりは、責任の重さに身が引きしまる思いになるのでした。

 ここで、ようやく、「ルシフェル」という固有名詞が登場。

 しかし、後から追加になった「フェル」ってどんな意味なのやら。。。


 そして、
『ガイアその愛その光』(アマーリエ・徳間書店) (P.42)
 今から約1億2千年前、ルシは中東のとある国の王子として生まれました。
 名前をサタンといいました。まだまだ科学は発達しておらず、人びとの知的水準はあまり高くありませんでした。当時、まだ石油の存在は知られていませんでした。地下から黒い液体が湧いてきましたが、その正体はわからなかったのです。ルシはいち早くその液体の性質を見抜きました。すぐに「これは利用できる」と思いました。彼は、「燃える黒い水」を、他国との戦争に使ったのでした。

 これは、ルシフェルが三度目に地上に生まれた時の話らしい。

 しかし、「今から約1億2千年前」って。。。

 1億2千万年前と言えば、中生代(2億5000万前〜6500万年前)に当たり、恐竜が全盛期だったころで、少し前に哺乳類が登場した。よって、当時、人間など存在しておらず、地上に生まれているはずがないんだけどねぇ。


 そして、ルシフェルは増上漫になって悪行を行うようになっていき、それを懸念したエル・ランティ様の命によって地上に転生したミカエルに殺されることになる。その後、
『ガイアその愛その光』(アマーリエ・徳間書店) (P.44-47)
 サタンはその後、当然のように天上界のもといた霊域に戻ろうとしました。
 普通、地上で悪の限りを尽くした者が、天上界に駆け上がってくることはできません。波長同通の法則から不可能なはずです。しかし、サタンほどの力があると、思念エネルギーを集中させることにより、天上界の天使たちをなぎ倒しながら八次元、九次元レベルまで上がってくることができてしまうのでした。彼は、みんな自分より力は弱いと思っていました。実際、彼を止められる者はいませんでした。
 〜(中略)〜
 
サタンが天上界を駆け上がってきたとき、全力で彼をたたき落とし、地獄に封じ込んだのが私でした
 〜(中略)〜
 ですから、ルシの魂エネルギーすべてを、私はエクスカリバーの剣で地獄に封印したということなのです。その意味では、その後、ルシが地獄で勢力を拡大することは、当然と言えば当然のことだったのかもしれません。
 オリオン大戦以下の部下で、地球にルシとともにやってきた者たちも、彼を慕って地獄に堕ちていきました。実際、ルシはそれらの者たちを使って、次々に力を拡大していきました。
ついには、地獄の帝王ルシファーとして君臨することになったのです。
 こうして、ルシフェルは地獄に堕とされ、地獄の帝王として君臨することになったとさ。めでたし、めでたし。(めでたくないか)




 以上、一番最初に記載したように、堕天使ルシフェルの話は、旧約聖書のイザヤ書のラテン語訳の際に生じたもの。それが、実は超古代の宇宙に存在していて、さらに、1億2千年前に地上に転生した後、地獄に堕とされたなど、荒唐無稽もはなはだしい。

 世間でよく知られているルシフェル像から、教祖様が想像を膨らませて作った、ただの創作であることは明白であろう。



2011.5.25 新規

はるか昔に、宇宙ではクローン人間を使った戦争があったんだナ。

きっとルシフェルは、フォースの暗黒面に飲み込まれたに違いないヨ。