『人類アカシャ全史』にツッコミ!(その1) ・・・ ゲリー・ボーネル様 |
書 名 |
人類アカシャ全史 |
著 者 |
ゲリー・ボーネル / 古川益三 |
出版社 |
VOICE |
価 格 |
1,800円(税別) |
出版年月 |
2002年02月 |
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●本書概要 |
<本書、帯より>
人類の壮大な歴史をこの一冊に凝縮!
私たちは、どこからやってきて、どこへ行くのか。
アカシックレコードとは、人類の意識上にのぼったすべてを記録するといわれる
異次元のデータベース。
ゲリー・ボーネルは、その記録を読み解く第一人者として、
今回、私たち人類の発祥から語り起こし、数々の歴史的事件の真相、
転生のドラマ、そして驚愕の未来を開示します。
私たちを待ち受けるのは、巨大な災厄なのか、
それとも光り輝くアセンションなのか!
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●ツッコミ |
アカシックレコードを参照できるらしいゲリー様。
下記記事で見た通り、未来については「ヘタな鉄砲、数撃てば当たる」程度であり、何の能力もない人間が予想するのと同レベルのものでしかなかった。
※詳細は以下の記事を参照
では、過去についてはどうなのか。
未確定の未来はともかく、既に確定している過去なら、ゲリー様は真実を見通すことが出来るのであろうか。
以降では、ゲリー様がアカシックレコードを読み解いて明らかにしてくれた「人類アカシャ全史」とやらを検証し、その点について明らかにして行きたい。
本書には、地球に人類が誕生したイキサツから記載してくれているのだが、まずは文明誕生以降を見てみよう。
なお、本書は2002年に発売されたもので、株式会社まんだらけの社長 古川益三氏がゲリー様の自宅(ジョージア州アトランタ)で行った対談をまとめたものである。
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.28
文明のはじまり
古川 人類がどんどん進化していって、最初の文明を作ったのはいつのことですか?
ゲリー 私たちは、頭の中でどうしてもグレゴリオ歴で考えてしまいますが、文明と言われるもののはじめは、だいたい800万年前でしょうか。
古川 ああ、そんなものですか。それは何という文明だったのですか?
ゲリー <ノア>という文明です。
古川 この文明には何か特徴というか、どんなことを目指した文明だったのでしょうか?
ゲリー 完全に、地球と調和した文明でした。不調和なことや問題が何もありませんでした。
(※管理人注) 「グレゴリオ歴」は原文のママ。
青字にしたのは管理人(以下同様)
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ゲリー様によると、今から「800万年前」に「ノア」という文明があったらしい。
文明の名が「ノア」ですか(笑)
うさんくさいなぁ。。。
旧約聖書の「ノアの箱舟」の「ノア」を連想させると言うか、「旧約聖書の『ノア』から思い付いた名だよね?」と確認したくなる文明名である。
ちなみに、この文明名を見て、「大洪水で滅んだ」とか「箱舟を作って生きのびて・・・」等という話が出て来ることを期待したのだが、全くそんなことはなかった。(※訂正(2017.05.09) P.146に、「ノア」文明の時に大洪水が起きた旨、記載がありました)
続いて、「ノア」の次の文明はと言うと、、、
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.31
古川 なるほど、わかりました。では次に、<ノア>のあとにはどんな文明が栄えたのでしょうか?
ゲリー 次は、<レムリア>です。
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はい、「レムリア」いただきました!
多くの方は既にお分かりと思うが、一応、説明しておこう。
レムリア大陸は元々、学術的な根拠から唱えられた大陸である。
アフリカのマダガスカル島にはキツネザルが生息しているが、この仲間は世界中で存在していない。しかし、同種の化石がインドから発見され、また、近縁の種はインド洋を挟んでアフリカ中部と東南アジアのマレー半島、インドネシアにのみ生息している。
このことから、1874年、インド洋にかつて大陸が存在していたという説を唱えたのが、イギリスの動物学者フィリップ・ラトリー・スクレーターである。そして、その大陸は、キツネザル(レムール)にちなんでレムリア大陸と名付けられた。
そして、この説では、レムリア大陸で誕生したキツネザルが陸橋を伝ってアフリカとアジアに移住したとし、また、約5千年前にレムリア大陸は沈没したが、西端のマダガスカルだけが海面に残ったとした。
しかし、この説は、1968年にプレートテクトニクス理論が完成し、大陸移動説の裏付けが確実なものとなったために否定されている。上記のようなキツネザルの近縁種の分布は、インド洋の架空大陸を想定しなくても、大陸の分離・移動によって説明できるからである。 |
このように、「レムリア」というのは学説で唱えられ、その名のもととなったのは「キツネザル(レムール)」である。しかも、現在は完全に否定されている。
何故、その名を冠する文明が、超太古に存在するのか? 存在するワケがないのである。
存在するワケがないのだが、現在もオカルティストや偽霊能者たちによって、未だに「レムリア大陸」、「レムリア文明」などの存在が主張されることがある。
その理由は、上記学説の登場以降、その説にオカルティストたちが食いつき、好き勝手妄想を加えて、独り歩きを始めたからである。
例えば、神智学のブラヴァッキー夫人(1831-1891)は、かつて太平洋に「レムリア大陸」が存在したと唱え、その大陸に暮らしていたのは雌雄同体で卵生のサルのような巨人で、ある者は四本の腕があり、ある者は頭の後ろに一つ目があったと主張した((注)学説では「インド洋」だったが、「太平洋」になっている)。
また、予言者として有名なエドガー・ケイシーも、霊視によって「レムリア」の実在を確認し、そこに暮らしていた人種について言及している。 |
結局、ゲリー様の「レムリア」という言説も、そのようなデタラメな流れの一つに過ぎない。
そして、このことから分かるのは、
ゲリー様は真実を見ているのではない。他のオカルト本などの影響を受け、それに対して自分の妄想で改変したり、上乗せしたりしているだけ。 |
と言うことなのである。
続いて(その2)では、ゲリー様がこの「レムリア」を含め、どんな文明があったと言っているか見てみよう。
2017.05.02新規 |
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