「太陽電磁波の波動爆弾」にツッコミ!・・・伊勢白山道さま

 教祖様によると、太陽電磁波が波動爆弾となって地球の空気層を押し、飛行機を墜落させ、家を破壊する可能性があるらしい。

●詳細&ツッコミ
 
 以下のものは、「宇宙からの波動砲」と題された教祖様のブログ記事の抜粋である。
《2009年2月27日ブログ本文》
 節分以降、太陽から地球に向けて発せられる電磁波に重量感が増して来ました。私の霊体には、太陽黒点が出ていない普段の時でも、皮膚にエアーノズルをピンポイントで当てる様な感覚がありました。脳裏に浮かぶ光景は、重量が増した太陽電磁波が地球を包む空気の膜を押す様相でした。

 直径100kmほどの
電磁波の柱が地球の空気層を押すのです。実際は押すと言うよりも、太陽から発射された幅が100kmもある爆弾がブチ当たる感じです。電磁波の波動爆弾に押された空気層は、直径100kmほどの円形で地球の空気層を押し込みます。その衝撃波は空気振動と成り地表に届きます。この空気振動は家やビルを激しく揺らし、その内に窓ガラスを割り始めるでしょう。つまり地下で発生する地震だけでは無く、空からの空気振動が、家を破壊する様な天災が発生する可能性があります。
 大半の波動爆弾は、地球に当たらずに周りをビュンビュンと通過している感じです。 そして地球に命中しても、分厚い空気層で大半が防御されている感じがします。しかし近年、地球を包む色々な膜の層の厚みが減少しています。たまたま地球の膜が薄くなった箇所に、たまたま宇宙からの波動爆弾が命中した時に地表にまで波動が届く感じです。
 運悪く空中の飛行機に空気振動の固まりが当たると、飛行機は墜落する可能性もあります。最近の副振動による海上の船舶の転覆も、根本原因は太陽電磁波が起こす空気振動です。
 太陽黒点の出現に比例して、これから空気振動による被害が増減して行くでしょう。

(※管理人注:青字にしたのは管理人)
 どうやら、太陽からの電磁波が地球の空気層に爆弾のようにブチ当たっているらしい。そして、その衝撃波が飛行機を墜落させ、また、ゆくゆくは、家を破壊するような天災が発生する可能性があるらしい。


 これは、特別な科学的知識など無くとも、少し考えればウソであることが分かるであろう。

 もし、太陽からの電磁波が地球の空気層に爆弾のようにブチ当たっているのなら、地球の周りを回っている宇宙ステーションや人工衛星は教祖様の言う「波動爆弾」とやらで、とうの昔に全て破壊されていることだろう。

 また、教祖様は「電磁波に重量感が増し」とか「重量を増した太陽電磁波」などと言っているが、電磁波は、空間の電場と磁場の変化によって形成された
のことであって、エネルギーはあっても質量など無い。
 もしかすると、教祖様は電磁波を「質量を持った物体のようなもの」と勘違いしており、そこから派生して、「空気層を押す」とか、「爆弾がブチ当たる」と言ったような発想が出てきたのではないだろうか。


 なお、教祖様は太陽電磁波のことを言っているが、むしろ、「太陽嵐」のことを言いたいのではないかと思われる。まだ、そっちの方が近い。

 「太陽嵐」は、太陽の表面で非常に大規模な太陽フレアが発生した際、太陽風が爆発的に放出され、それに含まれる電磁波・粒子線・粒子などが、地球上や地球近傍の人工衛星等に甚大な被害をもたらす現象である。

 そして、この時に生じる太陽風の風圧が大きければ、時には地球の磁気圏が、地上約3万6千qにある静止衛星の軌道の内側にまで縮められてしまうことがあるのも確かである。(※あくまで磁気圏であって、地球の大気圏ではない)

 ただし、この太陽嵐によってもたらされた電磁波などは、通常、地球の磁気圏や大気圏を通過する際にほとんど全て減衰してしまう。

 例えば、紫外線(※電磁波の一種)の大半は上部大気やオゾン層に吸収され、また、磁場、粒子線や粒子はまず磁気圏に捉えられた後、上部大気を構成する粒子と衝突してエネルギ-を放出し無害化される(ちなみに、このエネルギーを放出する現象がオーロラ)。そして、地表に届くのが可視光線や赤外線などである。

 なお、この「太陽嵐」によっても、教祖様の言うように地球の大気層が爆発的な衝撃を受けることなどない。

 (※参考:Wikipedia「太陽嵐」、『太陽からの光と風』 秋岡眞樹・技術評論社)


 ちなみに、上述のように、太陽嵐が発生しても基本的には地表に到達するまでに無害化されるが、太陽嵐が地表に被害をもたらしたケースが無いわけでもない。

 例えば、1859年9月に発生した記録上、最も巨大な太陽嵐である。
 その際、世界の多くの地域で非常に巨大で明るいオーロラが目撃され、ヨーロッパと北アメリカでは送電線から火花が散って火災となり、全ての電報システムが使用不能となった。太陽嵐が地球の地球磁場を乱して磁気嵐を発生させた結果である。
 なお、当時は、送電によって支えられていたものが電報のみであったので、この程度で済んだのである。

 また、最近では、1989年3月にカナダのケベックで、大規模な磁気嵐が停電を引き起こし、何百万人もの人に影響を与えた。これは1859年のスーパー太陽嵐の何分の1、何十分の1程度のものであった。

 そして、もし、教祖様が言っていることが本当であるなら、1859年や1989年の太陽嵐の影響で、家屋の倒壊などの被害が報告されていなければならないが、そんなものは無い。


 以上、教祖様の言っていることは、中途半端な科学的知識に基づいた、ただの妄想話なのである。



2010.11.29 新規

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電磁波に重量を感じ取るなんて、さすがだナ!
これも霊能力のなせるワザか?