「ムー大陸」にツッコミ!・・・伊勢白山道さま

 どうやら、教祖様はムー大陸が本当にあったと思っているようだ。

●詳細&ツッコミ
 
 以下の通り、教祖様の話には、たまにムー大陸が出てくる。
《『内在神への道』 伊勢白山道・ナチュラルスピリット》
 天照太御神の日輪を拝したのは、伊雑宮だけです。その時、感じたのは、元はムー大陸から来たと。もう、軽く1万5000年以上前まで飛びます。(P.103)

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 もう一本は、伊勢を離れて当時の
ムー大陸へ運ばれて太陽神の寄り代の柱として崇拝され、ムー大陸の沈没前に神官達と共に現在の伊勢、磯部町へ運ばれてまつられてます。現在の伊勢「伊雑宮」です。磯部町の住人はムー大陸の末裔の血を引きます。(P.116)

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Q・・アトランティス人は霊的にすぐれていた?
A・・いえ、ムー大陸の住人のほうが(紀元前12000年以上前)太陽信仰の始まりで、霊的にすぐれています。比較できないぐらい上です。
Q・・
ムーの方がアトランティスより霊的に高かったということですが、現代の日本人は前世がムーの因縁が強い魂の人が多いのでは?という気がするんですがどうでしょうか?
A・・そのとおりです。日本人に多いですね。アマテラスと言う発音も、
ムーから伝わる、本来は太陽神を呼び出す呪文です。今は、神名になってますが。(P.218)

(注)青文字にしたのは管理人(以下、同様)
《2008年12月09日ブログ本文》
 この玉置神社には、イースター島の丸い石と同じ様な丸石が似た形状で祭られています。
 そして神社境内の奥に在る禁足の場所である宝冠の森には、イースター島のモアイ像を思わせる御神体の石像が存在します。
 また私が昔、大峰山系で霊視感得した金剛蔵王権現の容姿はモアイ像と瓜二つでした。 金色に光り輝く姿で観えました。

 
超太古のムー大陸の消滅に起因する、人間種の移動と信仰の継続が存在した様です。
 イースター島と日本の熊野から奈良に跨る地域には、共通した信仰形態と霊性の継続が有ったのです。

 どうやら、1万5000年以上前(1万2000年以上前?)にムー大陸が存在し、そこから日本に来た人々がいるようだ。

 なお、教祖様はムー大陸どころか、アトランティスもあったと思っているようだが、以下では、主としてムー大陸について論じていきたい。


 まず、結論から言えば、ムー大陸など存在しなかった。

 そもそも、「ムー」という名称は、フランスの異端の学者、シャルル・エティエンヌ・ブラッスールがマヤの天文学書『トロアノ絵写本』を失われた大陸の記録だと思い込んで、1864年に翻訳した際に生じたものである。

 また、1912年、トロイ発掘で有名なシュリーマンの孫のパウル・シュリーマン博士が祖父からアトランティス存在の証拠を受け継いでいると新聞発表した際、チベットの都ラサの仏教寺院にある古写本『ラサ記録』にもムーの話が出ているとしたが、後に、この発表は全てウソであったことが判明している。

 そして、この時点では、「ムー」は古代ギリシャの哲学者プラトンが書き残した大西洋の沈没大陸アトランティスの別名だとされていたのだが、この「ムー」を太平洋に持ってきたのが、自称・元英国陸軍大佐のジェームズ・チャーチワードである。

 1931年、チャーチワードは『失われたムー大陸』を発表。彼は一連の著作の中で、太平洋にムー大陸があった根拠として、メキシコで発見された一群の銘板と、インド(著書によってはチベット)の寺院の高僧が特別に見せてくれたという秘密の粘土板をあげている。

 仮に、それらの銘板などが本当に存在していたとしても、チャーチワードの解読には、客観性が全く欠けており、その他の資料も疑わしい点が少なくない。また、既にデタラメだと判明している前述のブラッスールらの主張とあまりに一致し過ぎることから考えても、チャーチワードの話は単なるデッチあげと考えるのが妥当であろう。
 ちなみに、チャーチワードの「元英国陸軍大佐」という肩書については、英国陸軍の記録が確認されてウソであったことが明らかになっている。(参考:『トンデモ超常現象99の真相』 と学会・洋泉社)

 以上は、「太平洋にムー大陸があった」という珍説が登場した経緯と、その信憑性のなさの説明であるが、そもそも、巨大な大陸が突如、沈んだりするという説自体が荒唐無稽と言わざるを得ない。

 地球が現在の大陸の位置関係になったのは、プレートテクトニクス(プレート理論)(注)で説明され、その理論は、古生物の化石の分布など、様々な根拠で実証されている。
 そして、その理論の中に、太平洋や大西洋に巨大な大陸が存在したなどという話が入り込む余地などないのである。
(注)1960年代後半以降に発展した地球科学の学説。地球の表面が何枚かの固い岩板(プレートと呼ぶ)で構成されており、このプレートが対流するマントルに乗って互いに動いていると説明される。(参考:Wikipedia「プレートテクトニクス」



 以上、ムー大陸など、勘違いとデッチ上げから生まれた説であり、そんなものは存在していなかった。

 教祖様の霊能力で、ガセネタであることくらい簡単に見破れなかったのであろうか。
 ま、見破るどころか、磯部町の人がムーの末裔だとか、アマテラスという言葉がムーから伝わったとか、さらに、上乗せしてりゃ世話ないが。

 ちなみに、ムー大陸は日本で妙に人気が高く、霊能者や宗教家の著作類やチャネリングなどに登場することも多いが、海外ではほとんど見られないそうだ。(参考:『トンデモ超常現象99の真相』 と学会・洋泉社)



2010.11.19 新規

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トンデモ本の内容を真に受けて、それに基づいた発言していると恥かくゾ。