「未来予言」にツッコミ!(その2)・・・大川隆法さま

 ※当記事は「『未来予言』にツッコミ!(その1)」からの続きである。



 教祖様の未来予言が大ハズレであることは、(その1)で見た通りであるが、当記事では、その大ハズレの予言をどのように変更して誤魔化したのかを見ていきたい。

 具体的には、未来予言が記載された『黄金の法』につき、既に絶版となっている角川文庫版(1990年発売開始)と、現在流通している「幸福の科学出版」版(1997年発売開始)との違いを検証して行く。


 まず、角川文庫版の以下の記述は、
角川文庫(P.203-204)
 私は、現在(1986年10月)から今世紀末までのことを書くことは、意図的に避けることにしました。というのは、ここ十数年の間に人類を待ち受けている未来は、相当に衝撃的な内容になることがわかるからです。おそらくは大地は揺れ、空は曇り、津波がいくつかの諸都市を襲い、陥没する大陸もあるでしょう。空から降る火の雨に逃げまどう人々の姿を、テレビで見たり、ラジオで聞くことになるでしょう。この世の終わりがくるという終末思想が人びとの口にのぼり、時代は次第に不安を帯びてゆくはずです。
 次のように変更される。なお、青字が削除された箇所赤字が追加された箇所である。
幸福の科学出版(P.321)
 私は、現在(1986年10月。原著の書き下ろし時点)から今世紀末までのことを書くことは、意図的に避けることにしました。というのは、ここ十数年の間に人類を待ち受けている未来は、相当に衝撃的な内容になることがわかるからです。この世の終わりがくるという終末思想が人々の口にのぼり、時代は次第に不安を帯びてゆくはずです。
 「陥没する大陸もある」を含む、天変地異や戦争を示唆する記述は削除された。

 まあ、陥没した大陸などないのだから該当文言については当然だが、それ以外は、どうとでも、こじつけられる内容なので残しておいても良かったろう。

 そして、注目したいのは、「私は、現在(1986年10月)・・・」と言う記述を残していることである。

 この記述があることにより、都合の悪い予言が削除された後の「幸福の科学出版」版を初めて読んだ人は、
「1986年時点で、教祖様は現在のことが正確に視えていたんだ」と思ってしまうことになる。

 ウソはいけませんよ、教祖様!


 さらに、続きを見てみよう。
角川文庫(P.204) (※上記からの続き)
 そして、間違った宗教も、日本の各地、世界の各地で流行し始めて、人びとがその魂を悪魔に売ったかに見えることもあるでしょう。また、国際政治は多極分解し、国連は、一時期、その機能をストップすることとなるでしょう。国際的な大戦が、中近東を端緒として勃発し、やがて、列強国に火薬のにおいが立ち込めるでしょう。
                    
幸福の科学出版(P.321-322)
 そして、間違った宗教も、日本の各地、世界の各地で流行し始めて、人々がその魂を悪魔に売ったかに見えることもあるでしょう。また、国際政治は多極分解し、国連は、一時期、その機能をストップすることとなるでしょう。国際的な大戦が、中近東を端緒として勃発し、やがて、列強国に火薬のにおいが立ち込めるでしょう(1991年、湾岸戦争勃発。この叙述は的中)
 何故か、「国連は、一時期、その機能をストップ」という予言は残っている。
 まあ、拒否権の発動によって国連が機能しないのは良くあることだし、どうとでも、こじつけられると言う腹づもりであろう。

 そして、「国際的な大戦が、中近東を端緒として勃発」を湾岸戦争と結びつけ、「予言が当たりましたよ」アピール。

 湾岸戦争が「国際的な大戦」と言えるのか、はなはだ疑問である。「大戦」ではないだろう。イラク一国に対して、アメリカを中心とする多国籍軍が攻撃しただけの話である。
 まあ、どの程度をもって「大戦」だと言うかは非常に曖昧だから、そこに付け入る隙を見出したのだろう。

 また、そもそも、この記述は、第三次世界大戦の勃発を意図していたはずである。
 教祖様、やり方がセコイし、汚い。

 そして、この後の、ニューヨークの壊滅、ソビエトの死に体、中近東の仮死状態、などと言った記述は、
角川文庫(P.204-205)
 西暦2000年。世界の人びとは、前年の夏に起きた衝撃的な悪夢からまだ立ち直れないでおります。この頃まで世界の中心だったニューヨークは、その機能をほぼ壊滅的なまでに失っているでしょう。ロンドンの人びとは、夜明けの薄明かりのなかを、手探りをしながら歩いている状態です。フランスは眠っております。中近東は仮死状態です。中国は政変が起きて、共産主義体制が急速に崩壊していきます。ソビエト? その名は、死を意味しています。大きな死体が横たわっているのと同じです。
                    
幸福の科学出版
 
 ※該当記述なし

 当然、削除。

 また、この記述に続く、日本の壊滅状態の記述も、
角川文庫(P.205) (※上記からの続き)
 日本は―――日本は、全国各地で復旧作業が続いております。自衛隊員が、ミミズのように分断された新幹線の線路工事に、玉のような汗を流しているでしょう。かつて都市だった太平洋岸のある地域には、黒潮が打ち寄せて、藻が繁り始めています。日本各地で、政府主催の合同慰霊祭が行われて、その読経の声が低く流れております。しかし、日本は無事でした。この災難を期に、日本では、神理を求める声が全国津々浦々から聞こえてき始めて、人びとは悪しき万能主義、唯物主義の迷信から目覚め、光へと向かいつつあります。
                    
幸福の科学出版
 
 ※該当記述なし

 やっぱり、削除。

 さらに、西暦2020年頃の予言であるが、
角川文庫(P.205) (※上記からの続き)
 西暦2020年頃から2037年頃に、日本は現代のェルサレムとなり、世界のメッカとなるはずです。この時期が、日本の黄金時代となるでしょう。日本は理発祥の地として、世界の賞賛を手にしますが、2037年頃、偉大な光の人が没します。そして、神理の火は、やがて、南のほうへと受け継がれてゆくのです。
                    
幸福の科学出版
 西暦2020年頃から2037年頃にかけて、日本は現代のエルサレムとなり、世界のメッカとなるはずです。この時期が、日本の黄金時代となるでしょう。日本は理発祥の地として、世界の賞賛を手にしますが、やがて、理の火は、南のほうへと受け継がれてゆくのです。
 何故か、「2037年頃、偉大な光の人が没します」と言う記述が削除された。
 どうやら、教祖様は、2037年に81歳で死ぬのが惜しくなったらしい。

 ちなみに、「神理」が「真理」に変更になったのは、教祖様によるGLAの高橋信次様の否定に伴うものである。

 もともと、「神理」という言葉は、高橋信次様が使用していたもので、教祖様もそれに倣って使用していた。しかし、1994年に、教祖様は突然、さんざん持ち上げていた高橋信次様を否定し出し、それに伴って「神理」という言葉も変更されることになったのである。




 以上、ハズレた予言は無かったことにして、一方、こじつけられるものは、無理やりこじつけて、「予言が当たった」とアピール。

 こんなことをして誤魔化している人間が、救世主なわけがあるまい。



2011.1.20 新規

こんな教祖様について行っても、ドコにも行けやしないゾ。







<角川文庫>



<幸福の科学出版>