「超古代文明の変更点」にツッコミ!・・・大川隆法さま

 教祖様は、オカルト本の内容を真に受けてトンデモ超古代史を主張したが、後から、ちゃんとした学説があることを知って一部変更。その後、さらに、シッチャカ、メッチャカ。

●詳細&ツッコミ

 「幸福の科学」の根本経典の一つである『太陽の法』。

 この本は、まず、1987年6月に土屋書店版が発売され、次に1990年8月に角川から文庫版が発売。そして、1994年6月に『新・太陽の法』という題名で幸福の科学出版から発売され、現在は1997年7月に『新・太陽の法』を『太陽の法』と改題したものが流通し、それ以外は絶版となっている。

 『太陽の法』は、1994年に幸福の科学出版から発売された時点で、以下の2点につき、大きな変更がなされている。

  @エル・ランティ(※宗教団体GLAの創始者である高橋信次のあの世での呼称)の活躍・影響の削除
  A教祖様の過去の変更・削除

 この2点については、「バーチャルネットアイドル ちゆ12歳」さんのHPでツッコミが入れられているので(※)、当記事では触れない。
(※)具体的には以下のページを参照
 @・・・「エル・カンターレの最大の黒歴史「エル・ランティ」とは
 A・・・「再誕の仏陀・大川隆法の黒歴史

 当記事では、『太陽の法』に記載された、超古代史に焦点を絞ってツッコんで行きたい。

 記事「『超古代史』にツッコミ!」に記述した通り、「角川文庫」版では次の通りの超古代史が記載されている。(※詳細の内容とそれぞれに対するツッコミは、「『超古代史』にツッコミ!」を参照)
文明
ゴンダアナ文明 76万年前〜73万5千年前
ミュートラム文明 30万年前〜15万3千年前
レムリヤ文明 4万4千年前(?)〜2万7千年前
ムー文明 2万年前(?)〜1万5千3百年前
アトランティス文明 1万2千年前(?)〜1万4百年前
 これが、「幸福の科学出版」版では次の通りに変更される。(※変更となったのは赤字の部分)
文明
ガーナ文明 76万年前〜73万5千年前
ミュートラム文明 30万年前〜15万3千年前
ラムディア文明 4万4千年前(?)〜2万7千年前
ムー文明 2万年前(?)〜1万5千3百年前
アトランティス文明 1万2千年前(?)〜1万4百年前
 「ゴンダアナ文明」が「ガーナ文明」になり、「レムリヤ文明」が「ラムディア文明」になった。

 名称が変更になったのは、元々、学説で主張されて名称が考え出されたもののみである。
 ゴンダアナはプレートテクトニクス理論で提唱された大陸の名前。レムリヤはイギリスの動物学者フィリップ・ラトリー・スクレーターが唱えた大陸名である。(※詳細は、「『超古代史』にツッコミ!」を参照)

 そして、このことから分かることは、
「教祖様は、当初、これらの学説のことを知らなかった」ということである。知らなかったからこそ、後からそのことを知って変更したのである。

 教祖様が独自の超古代史を主張するに至った経緯を推測すると、以下の通りであると思われる。
@学説で、これらの大陸の存在が主張される。
Aオカルティスト達が、これらの大陸について好き勝手なことを言い始める
B教祖様が、オカルティスト達の主張を取り込んだ上で、独自の超古代史を創作する
 そして、Bが『太陽の法』を最初に出版した1987年の時点であり、それから、1994年に『太陽の法』に大幅な改訂が入れられるまでの間に、教祖様は、本当はこれらの大陸が本来は学説で唱えられたものであることを知ったのである。

 学説上で付けられた大陸の名称が、実際に存在した大陸の名前と一致していた。しかも、ゴンダアナは南アメリカとアフリカが、かつて繋がっていて同じ大陸の一部であったという点で、そして、レムリアはインド洋にあったという点で、学説と教祖様の超古代史は名前以上の一致を見せている。

 そんなことなど、当然、ありえるはずがないので、名称を変更したのだろう。
(注)
 記事「『超古代史』にツッコミ!」では、教祖様のゴンダワナ文明について、「大陸移動説やプレートテクトニクス理論が下地になっていることは明らかであろう」と記載したが、「直接的にではなく、オカルト本をはさんで間接的に影響を受けた」と考えた方が妥当だと思われる。

 なお、これらの名称変更について、「幸福の科学出版」版の『太陽の法』では次のように説明されている。
『太陽の法』幸福の科学出版(P.291-292)
(注1)ラムディア(Lamudia)大陸……『太陽の法』旧版では、レムリヤ(Lemuria)大陸と表記したが、ムー大陸と混同する学説があるので、本書では、当時よく使われた「ラムディア」を使うこととする。

(注2)ガーナ(Garna)大陸……旧著では、ゴンダアナ(Gonda-Ana)大陸という表記を用いたが、地球物理学上のゴンドワナ(Gondwana)大陸とは、その規模と時代が異なるので、混同をさけるため、本書では、当時ある地域で使われていた通称、「ガーナ」を用いることとする。


(注)青字にしたのは管理人(以下同様)
 両方とも、混同を避けるためというのが理由である。
 本当は、無かったことにしたいところだが、さすがにそれは無理なので、名称変更のみでお茶を濁したというところか。


 なお、レムリア大陸について、教祖様は「ムー大陸と混同する学説がある」なんてことを言っているがこれはウソ。そんな学説など存在しない。あるのは、オカルティスト達のトンデモ主張のみである。

 神智学のブラバッキー夫人(1831-1891)は、その著書『シークレット・ドクトリン』の中で、レムリア大陸がインド洋ではなく太平洋上にあったと主張。
 その後、自称、元イギリス陸軍大佐のジェームズ・チャーチワードが1931年に著書『失われた大陸』で太平洋にかつてムー大陸があったと主張したことから、オカルティストの間では、レムリア大陸とムー大陸が同一視されるようになっただけである。

 それを「学説」だと言ってしまう教祖様。自ら、「そのようなオカルティスト達の影響を受けて、自分なりの超古代史を創り上げましたよ」と言っているようなものである。


 さらに、レムリア大陸については、2010年に発売された『神々が語る レムリアの真実』(大川隆法・幸福の科学出版)の中で、教祖様に降りたギリシャ神話のゼウス様が次のように述べている。
『神々が語る レムリアの真実』(P.21-22)
 世間では、一般に、今あなたが言ったラムディア文明は、「レムリア文明」と言う名前で呼ばれております。
 しかし、大多数の方がご存じないようですが、この「レムリア」という名前を付けたのは、現代人というか、おそらく、ここ百年ぐらいの人だと思うのです。
 「レムリア」という言葉の起源は「レムール」であり、レムールとはキツネザルのことです。これは、現在、アフリカの東側にある、マダガスカルという島に棲んでいる、希少種のサルなのです。
 このレムールというキツネザルが、海を隔てて点々と存在する幾つかの島に棲んでいるんですね。しかし、キツネザルが海を泳いでいけるはずはありませんし、まったく偶然に、別の島で自然発生したとも思えません。
 そのため、「海を隔てた幾つかの島に、レムールというキツネザルがいるのだから、昔、それらの島々をつなぐものがあったのではないか。その辺に大陸があったに違いない」という仮説を立てた人がいるのです。
 ですから、
私がその時代に生きていたとき、そこが、「レムリア」と呼ばれた事実はありません。それで、大川隆法総裁は、『太陽の法』の改訂版を書かれたときに、「ラムディア」という名前に変更されました。これが、当時の本当の名前に、かなり近い発音です。
 したがって、
「レムリアという大陸、あるいは文明があって、そのレムリア人です」と言っているものは、だいたい、嘘だと思って間違いありません。それは嘘です。レムリアとはキツネザルの名前から来た、仮想の大陸なのです。
 ゼウス様は、青字で示した箇所のように、「レムリア」という大陸名を完全否定。

 かつて、教祖様は、『太陽の法』の中でレムリア大陸の存在を主張し、また、それを「ラムディア」と呼称変更した際も、上述の通り、「ムー大陸と混同する学説がある」という理由を示したのみで、「レムリア」という呼称自体は否定していない。

 つまり、ゼウス様の言葉を信じれば、教祖様の言っていることは嘘だと言うことになる。

 ゼウス様も、ほんと、身もフタもないことを言う。
 つうか、この学説のことを知っていたのなら、1987年の『太陽の法』出版の前に教えてやればいいのに。23年間も教えてやらずに黙っていたゼウス様は、ほんっと人(神?)が悪い。

 ちなみに、ゼウス様は、このラムディア大陸に生まれたことがあるらしく、教祖様によれば、その時の名前は「エレマリア」。
 この「エレマリア」の言葉の意味については、『太陽の法』角川文庫版では次のように説明されている。
『太陽の法』角川文庫(P.177)
 このエレマリアという名も、エル・レムリアがつまって、エレマリアと呼ばれるようになりました。「エル」とは、神の光という意味です。つまり、レムリアに降りたる神の光というのが、その名の由来です。
 ゼウス様、かつてのあなたの名前も、「レムリア」に由来しているようですよ!

 なお、この文章は、「幸福の科学出版」版では削除。ただし、「エレマリア」という名前はそのまま、現在も使い続けられている。


 (※参考:Wikipedia「レムリア」




 以上、もう、なんつうか、どうしようもない状況。

 かつて、教祖様がオカルト本を参考にして超古代史を創り上げたのが1987年。そして、後から学説のことを知って、なんとか名称変更のみでお茶を濁そうとする。これが1994年のことである。

 そして、2010年になると、ゼウスの言葉だと称して、今度は、かつて教祖様自身が主張していた「レムリア」という大陸名を完全否定。

 なお、「レムリア」と言う言葉を否定した本来の意図は、「幸福の科学」から派生した「レムリア・ルネッサンス」(注)という団体を否定する為のものなのだが、結局、教祖様自身にも突き刺さっている。

 教祖様は、もはや、そういう判断さえ出来なくなってきているようだ。
(注)レムリア・ルネッサンス
 日本の非営利・任意のチャネリング団体。アマーリエと名乗る日本人巫女を通して天上界の神々からスピリチュアル・メッセージを受け、霊言を収録したCDや書籍を発刊している。

 また、当団体では、宗教法人GLA創始者、高橋信次、及び、「幸福の科学」総裁、大川隆法らを救世主と認め、GLAを天上界の第1の計画、「幸福の科学」を第2の計画とし、自らを第3の計画としている。
 第1の計画、第2の計画が失敗したため、天上界は、万一の場合に備えて用意していたこの計画を発動したという。また、先行する二つの計画が失敗したのは、魔が救世計画を妨害したためであり、アマーリエは、魔との戦いに長けている戦闘系巫女であるという。

  (※参考:Wikipedia「レムリア・ルネッサンス」


 なお、上述の大川隆法様の著書『神々が語る レムリアの真実』には、当団体、及び、教祖に対する批判がこれでもかという程、記載されている。



2011.1.4 新規

ほんっと、グダグダだなぁ。。。

そのうち、都合が悪くなれば、ゼウスが嘘をついたとか言い出すかもナ。






<土屋書店版>


<角川文庫版>


<幸福の科学出版 版>