「放射能には海藻類が効く!」にツッコミ!

 教祖様によると、放射能対策には海藻類を食べると良いそうだ。


●詳細&ツッコミ

 まずは、現在、インターネット等で広まっている、以下のチェーンメールをご覧いただきたい。
福島の原子力発電所で、放射能が漏れているだろうとのことです。
知り合いのお医者さんから聞いた情報です。

これからしばらく毎日海藻品を食べつづけてください
海苔、海藻に含まれるヨードを十分にとっておくと、
放射能が身体に吸収されずに排出されます

(海苔などをとっていないと身体に放射能が大量に吸収されてしまう!)。
チェルノブイリの時よりも酷い 大事件らしいので、連絡します。
チェルノブイリのときは、日本からチェルノブイリに海苔がたくさん
送られました。かなり効果があります。

みんなも危機感をもって、このメールを周りの人に転送してください
あと1日から2日で、放射能は届いてしまうから、
極力雪とか雨にはあたらないようにしたほうが良いです。

(注:青字にしたのは管理人。以下同様)
 これは、福島の原発事故を受けて出回っているチェーンメールで、もちろんデタラメな内容である。


 さて、このチェーンメールの内容と似たことを言っているのが教祖様である。
《2011年3月11日ブログ本文》
 東北、関東圏の人々は今日から、ワカメ類、納豆、豆乳、大豆プロテイン、根昆布なら1日に1個。味噌汁。などなどの海藻類、大豆類の摂取を、1週間だけ心がけること。自分が手に入る物だけで良いです。
 過剰な摂取は、害に成るので不要です。適量を少しが良いです。
 
適量のヨード成分を体内に蓄積することによる、放射能への警戒です
 
ソ連のチェルノブイリ事故の時も、上記の摂取をしていた人は、後年の症状が軽症で済みました
 これは、もしかの場合に備えた対策であり、原子力事故だけではなく、地磁気の被曝への対策でもあります。
 上記の成分と、蒸留水の飲料は、最善です。

 これは、東北地方太平洋沖地震の発生後にアップされた記事だが、福島原発の事故を受けて、海藻類と大豆類の摂取を勧めている。
 そして、その目的は、「適量のヨード成分を体内に蓄積することによる、放射能への警戒」だそうである。

 基本的には、上記チェーンメールと同じ内容のものだが、一部異なっている。

 まず1つ目は、教祖様は海藻類だけでなく、大豆類も摂取することになっていることである。

 これは、どうやら、以下の理由らしい。
《2011年3月11日ブログ本文》
2011-03-12 15:59:34
「みそや納豆、しょう油、豆腐などの原料となる
大豆にはヨウ素中毒を防ぐ働きがあり、昆布などと一緒に取るとよい。昆布だしのみそ汁やきつねうどん、湯豆腐などは、ヨウ素の過剰摂取を防ぐ和食の知恵」と吉田教授は指摘する。」

。。。。神示では1日分として、1週間は根昆布1個と蒸留水を1L以上。その後は、根昆布は半分にして継続。
これと、豆乳などの大豆製品を共に。
大豆を合わせるのは、上記の理由という裏付けが取れました。
これ以外にも、
根昆布と大豆の体内消化反応が、放射能を排出させるようです
しかも不要分は、蒸留水で排出されます。

 「ヨウ素中毒を防ぐ」為と、「根昆布と大豆の体内消化反応が、放射能を排出させる」為らしい。


 そして、2つ目の相違点は、双方ともにチェルノブイリの話が登場するが、内容は違っていることである。

 チェーンメールでは、

「チェルノブイリのときは、日本からチェルノブイリに海苔がたくさん送られました。かなり効果があります。

とあるが、教祖様の方は、

「ソ連のチェルノブイリ事故の時も、上記の摂取をしていた人は、後年の症状が軽症で済みました」

となっている。

 まず、チェーンメールの方であるが、チェルノブイリに日本からたくさんの海苔を送ったという話など聞いたことが無い。また、「かなり効果があります」と続いていることから、内容に説得力を持たせるための創作であろう。

 次に、教祖様の方は、何を根拠にそんなことを言っているのか良く分からないが、これも嘘くさい話である。チェルノブイリは海から遠く離れた内陸部にあり、毎日のように海藻類を食する文化などないであろう。


 以上、チェーンメールと同レベルのことを言っている教祖様であるが、このような放射能関連のデマに、放射線医学総合研究所が3月14日に注意喚起を発した。
 一部の内容はTV等でも注意喚起されていたので、ご存知の方も多いことだろう。
ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません
インターネット等に流れている根拠のない情報に注意
平成23年3月14日(月)
独立行政法人 放射線医学総合研究所

 放射性ヨウ素が大量に体の中に入った場合、健康への影響を低減するために、内服薬である『安定ヨウ素剤』を医師が処方する場合があります。

 市販品としてヨウ素を含んだものはたくさんあります。ヨードチンキ、うがい薬、のどスプレー、消毒用せっけん、ルゴール液などです。これらを内服薬である『安定ヨウ素剤』の代わりに飲むのは絶対にやめてください。

理由は以下のとおりです。
・うがい薬などの市販品は内服薬ではありません。これにはヨウ素以外の成 分が多く含まれ、体に有害な作用を及ぼす可能性のある物質も含まれます。
・たとえ飲んだとしても、ヨウ素含有量が少なく、放射性ヨウ素が集まるの を抑制する効果がありません。

わかめ等の海藻にもヨウ素が含まれますが、十分な効果がありません。
・ 含まれる安定ヨウ素が一定ではなく、十分な効果を得られるかは不明です。
・ コンブなどは良く噛まなければならず、消化過程が必要であり、吸収までの時間がかかります。


 以上のことから、消毒剤やうがい薬などのヨウ素を含んだ市販品は、『安定ヨウ素剤』の代わりに飲んではいけません。また
海藻等を食べても十分な効果はありません

  『安定ヨウ素剤』を医師が処方するものです。原子力災害などの緊急時に、指定された避難所などで服用指示があった場合のみ、服用してください。

※元の文書:http://www.nirs.go.jp/data/pdf/youso-2.pdf

 教祖様、言われちゃってますよ、「インターネット等に流れている根拠のない情報」って。

 まあ、「十分な効果はありません」とあるだけだから、気休め程度の効果ならあるかもね。



---------------- 以下、2011.3.23 追加 -----------------------------

 次のものは、原子力安全委員会が作成した「原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について」という資料の一部である。

(P.17)
 コンブにより10〜30 mgのヨウ素を一度に摂取することは可能ではあるが、ヨウ素含有量が多いコンブ等の食品を摂取することにより、放射性ヨウ素の甲状腺への集積を抑えることについては

・コンブでは、大量に経口摂取した上で、咀嚼・消化過程が必要でヨウ素の吸収までに時間がかかり、かつ、その吸収も不均一である
・コンブの種類、産地など、それぞれのコンブに含まれるヨウ素量は一定ではなく、その必要量を推測することは極めて困難である
・対象者が、集団的に、迅速にコンブからヨウ素を摂取することは現実的に困難である

 等の理由により、
原子力災害時における放射性ヨウ素の甲状腺への集積を抑制する措置として講じることは適切ではないと考えられる
 なお、各家庭にあるヨウ素を含むうがい薬や外用薬は、経口服用目的には安全性が確認されておらず、また、ヨウ素含有量が少なく、原子力災害時における放射性ヨウ素の甲状腺への集積を速やかに抑制する効果は乏しいため、これらのうがい薬や外用薬を、安定ヨウ素剤として、使用してはならない。
※元の文書:http://www.nsc.go.jp/bousai/page3/houkoku02.pdf

---------------- 以上、2011.3.23 追加 -----------------------------



2011.3.18 新規

    精神世界
   (※「AIRランキンク」゙さんの精神世界ランキング。クリックすると、当HPに一票入れたことになります)


日本全国に地震注意報を発令したり(*)、放射能対策として海藻を食えと言ったり、風説を流布しまくりだナ。。。
(*)記事「『長野県北部地震を当てた』にツッコミ!」を参照