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『アガスティアの葉』にツッコミ!(その2) ・・・ 小宮光二様

 ※当記事は(その1)からの続き。




 (その1)で見た通り、「アガスティア」という人物の基本設定からして既にグダグタなのだが、引き続き、アガスティア様の言葉を見て行こう。
<P.12-13>
 わたしは当時の王家パーンティア一族の血筋をひきます。この家系からは、後のシヴァとパールバティが輩出し、今だに尊敬の絶えない偉大なる家柄といえるでしょう。〜(中略)〜そして現在の南インド、クッタララムという場所で長年、クンダリーニ・ヨーガ、そしてバクティ・ヨーガを基本に聖典を紐解くという生活に明け暮れました。
 そして、
ついに完全なる神との合一を達成した後、わたしは徒歩でクッタララムより南へ20キロ、パーパナシュラムという地に庵をかまえ、そこで時を過ごすこととなります。
 〜(中略)〜
 わたしは、その一生にいくつか住まいを変え、北インドを旅行したこともあります。その際、ワディスバランコビル、(現在のアガスティアの里)で病気にかかってしまいました。そのとき、わたしを懸命に
看病してくれたのが、現在、わたしの残したアガスティアの葉・原典を保管するシヴァ家の人々であり、そのお礼として今の時代、このファミリーにわたしの遺産(アガスティアの葉)を管理するという祝福を与えています。

(※管理人注)文字に色を付けたのは管理人(以下、同様)。
 どうやら、アガスティア様はシヴァ神とパールバティ神の先祖らしい。てか、「シヴァ神とパールバティ神は実在の人物だった」という設定のようだ。ちなみに、シヴァ神はヒンドゥー教の三最高神の一柱で、パールバティ神はその妻である。

 そして、アガスティア様は修行の末、「完全なる神との合一を達成し」、その後、病気の時に看病してくれたのが、「現在、わたしの残したアガスティアの葉・原典を保管するシヴァ家の人々」らしい。

 アガスティア様の子孫にシヴァがいて、かつ、アガスティア様を看病してくれた人の子孫が「シヴァ家」ってよく分からん設定やな。


 さて、続いて、「アガスティアの葉」の説明を見てみよう。
<P.14>
 しかし、わたしの残した業績の中で、やはりもっともみなさんに貢献しているものは、いうまでもなくアガスティアの葉でしょう。これを残すにあたり、わたしは膨大な時間と多くの人たちの協力を得たことはいうまでもありません。
 
この葉は、その人の持つ人生のもっとも素晴らしい可能性を口述するという特徴を持っています。そして、この葉をベースに努力していけば、必ず病は癒え、仕事は発展し、良縁を得る、そんな性質を持っています
 「アガスティアの葉」はどうやら、「その人の持つ人生のもっとも素晴らしい可能性を口述」したもので、「この葉をベースに努力していけば、必ず病は癒え、仕事は発展し、良縁を得る、そんな性質を持ってい」るらしい。

 ちなみに、葉は、ヤシの葉らしく、そこに、アガスティア様とその協力者たちは、私たち一人一人の為に、上記のような情報を書き残してくれたらしい。


 ここで、留意したいのは、アガスティア様は、「人生は最初から全て決まっている」という
宿命論の立場を取っていないという点である。

 「この葉をベースに努力していけば、必ず病は癒え、仕事は発展し、良縁を得る」という発言は、裏を返せば、
「病は癒えないこともあり、仕事は発展しないこともあり、良縁を得ないこともある」ということである。

 特に、
「良縁を得ないこともある」というのが重要である。

 例えば、Aという人がいて、その人生において配偶者になる可能性のある人にBCがいたとしよう。そして、ABと結婚したとしたらbという子供が生まれ、Cと結婚したらcという子供が生まれる運命だったとしよう。

 アガスティア様が、葉に予言を残した時点では、「Aは、BCのどちらかと結婚する」としか分からないのだから、葉はそれぞれのケースの子供であるbcの両方のものを残さなければならない。

 そして、このような運命の分岐は、何千年もたてば、それこそ、膨大な数になる。

 結果、上記の話が本当ならば、このような運命の可能性を全て考慮して、アガスティア様は葉に予言を残したことになるのである。

 
んなこと出来るワケねーだろ。

 穴だらけの、甘々の設定である。(そもそも、宿命論が真実であったとしても、未来に生まれる一人一人に予言を残すなど物理的に不可能であるが)


 続いて、
「1万7千年前」にアガスティア様が残してくれた「アガスティアの葉」が、どのような経緯をたどって現代へと受け継がれて来たのかを見てみよう。なお、以降は、アガスティア様ではなく、小宮様の文章である。
<P.33-34>
 それによると、リムリア大陸は今から約1万年前、地殻の変動により海中へと水没したといわれています。〜(中略)〜
 そしてその後、
紀元前3千年、今から5千年前のこと、サルボジ大王という人物がはじめて南インドを統一したといわれています。この大王の名は私たちが学校で習う歴史にはでてこないタミール人の伝説の王様です。この王が当時南インド全土に分散していたシヴァ、アガスティア、ボーガ、ブジェンダ、バジスタ、カウシカをはじめ、50人以上はいるであろう予言者たちの葉を自分の宮殿に集め、自らの統治に活用しました。アガスティアがよく5千年前の人といわれる所以はここにあります。その後、代々南インドを征服した王朝は、このアガスティアの葉を用いて自らの統治に活用しました。
 リムリア大陸は「約1万年前」に水没し、紀元前3千年に、サルボジ大王が、「南インド全土に分散していた」「予言者たちの葉を自分の宮殿に集め」たらしい。

 そもそも、
「1万7千年前に、葉っぱに書かれたものが残っている」というのもおかしな話である。腐食、文字が見えなくなる、紛失、火災などなど、仮に残ったとしてもせいぜい、一部だけであろう。

 むしろ、自分の葉が見つかること自体が奇跡的な状況であると言える。

 
なんか、「ありえない」だらけである。

 しかも、(その1)で指摘した通り、本書では「1万7千年前」であったのが、現在は「200万年前」と大幅に変更されており、さらに
「ありえない」設定となってしまっている。

 いったい、何をどうしたいのやら。。。


 そして、
<P.34>
 はっきりとその記録が現在も残っているのは、今から約1000年前、南インドを中心に東南アジアに一大海洋帝国を築き上げたチョーラ王朝の治世からで、この王朝の最高版図を作り上げたラージャ・ラージャ1世の頃です。このラージャ・ラージャ1世は、自ら進んでこのアガスティアの葉の大編纂事業をしたことでも名高く、あなたがもし正当な家系からアガスティアの葉を取得したのなら、それはすべてこの時書き直され、あなたを待っていた葉です
 約1千年前、ラージャ・ラージャ1世(在位985年〜1016年)が、「アガスティアの葉の大編纂事業をした」らしく、「もし正当な家系からアガスティアの葉を取得したのなら、それはすべてこの時書き直され」た葉であるらしい。

 また、良く分からん設定が出てきた。何故、「大編纂事業」などをして「書き直」す必要があったのだろうか?

 もし、書かれている言語が古いものなので、その時に使用されていた言語に書き換えたと言うなら、それは翻訳であって編纂ではない。

 時代が進むにつれ不確定要素が少なくなり、起きないことが明確になってきた予言を削除したりしたのだろうか?

 まあ、真剣に考えるだけ馬鹿らしいか。


 また、その後、
<P.35>
 1540年、異国の宗教であるイスラム王朝のムガール帝国がインドへ攻め上がってきました。やがて強大なその勢力圏の中に、この南インドも統合されてしまうこととなります。
 当然、彼らはこのアガスティアの葉をその宮殿の中に発見したのですが、実はムスリムたちにはこのアガスティアの葉が理解できず、彼らはこの貴重な遺産の処分に困ってしまいます。

◆アガスティアの葉・原典のゆくえ

 ちょうどそんな頃、時を同じくするある晩、ワディスバランコビルに住む
ひとりの占星術家の夢の中に、りっぱな髭をたくわえた老人が姿を現しました。まぎれもなく、この人物こそアガスティアでした。彼は静かにこう言いました。
 「わたしの遺産がタンジールのサルボジ宮殿で処分されようとしている。
行って、それらをあなたの手で保管しなさい。さすれば、あなたの家はこの世が終わるその時まで栄え続けるでしょう」。
 
この占星術家こそ、現在のシヴァファミリーの10代前のご先祖様です
 ムガール帝国に征服され、最終的に、「アガスティアの葉」はシヴァファミリーの手に渡ることになったらしい。

 さらに、「アガスティアの葉」を取得できる「アガスティアの館」が複数あることになった経緯も説明されているので、それも見てみよう。
<P.37>
◆アガスティアの葉・分散のルーツ

 実は
500年前、別のある家も名乗りをあげて、同じようにアガスティアの葉のいくらかを相続しました。しかし、今現在はこの家系は絶えています。この500年の間に、この家系の持つ葉が分散し、これがインド一円にアガスティアの館が乱立する大きな原因となっているようです。また、その葉をお金を払って複写する者、またそれを写すものといった具合に、悪質なレプリカも増え、今では南インドのある程度の町には、必ずといっていいほどアガスティアの館があります
 まず、ある家が 「アガスティアの葉のいくらかを相続し」たが、その家は絶えて、その葉が分散したらしい。

 
もし、それが本当なら、さらに、自分の葉を見つけることは不可能に近いことになるはずなんだけどねぇ。。。


 そして、さらに、複写につぐ、複写がなされ、アガスティアの館が乱立することになったらしい。

 
てか、膨大な量の葉を書くことが不可能なように、複写することも不可能だって。




 先にも述べた通り、どうしようもない程のグダグダな設定。

 これを真に受けちゃう人がいるってんだから、困ったものである。


 さて、次に、(その3)では、「アガスティアの葉」とやらに、具体的にどのようなことが書かれているのかを見て行こう。



2012.08.07 新規

創作するならするで、もっと、もっともらしい設定にすれば良いのにナ。