×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。



もっともらしいだけの根拠(その10)

 ※当記事は、記事(その9)からの続き


10.誤った二分法(2) インテリジェント・デザイン説のケース@

 (その9)で見た「誤った二分法」の例は、通常、信者でなければ引っかからないものであるが、当記事では、そう単純ではない、より複雑な例を見て行きたい。



(2).進化論を否定し、インテリジェント・デザイン説へと誘導するケース

 進化論とは、ダーウィンの説に代表されるように、「生物が進化したものだとする提唱、あるいは進化に関する様々な研究や議論のこと」で、現在の生物の多種多様性を説明するものである。(※参考:Wikipedia「進化論」)

 一方、インテリジェント・デザイン説とは、知性ある何かによって生命や宇宙の精妙なシステムが設計されたとする説で(※参考:Wikipedia「インテリジェント・デザイン」)、平たく言えば、神、もしくは、それに相当する何かが、生物を創造し、進化についても関与しているとするのものである。

 それでは、少し長いが、まずは、「誤った二分法」を使った、進化論を否定しインテリジェント・デザイン説へと誘導する例文を見ていただきたい。
(注)下記文章は、通俗書でよく見られる同様の主張を参考に、管理人が作成したものである

 進化論は突然変異や自然淘汰等によって生物が進化するとするもので、チャールズ・ダーウィンが1859年に「種の起源」にて発表した説をもとに種々の修正が加えられ、現在でも、生物の進化を科学的に説明したものとして受け入れられています。しかし、この理論は、実は穴だらけの理論なのです。

 例えば、「同じ種でも寒い地方にいる個体の方が毛が多くなる。」これは進化論で説明できます。
 寒い地方では、毛が多い個体の方が生き残る確率が高く、毛が少ない個体が淘汰されて毛が多い個体が残る。納得できます。同じように、海辺に広がった個体が海辺に適した身体になって行くというのも何となく分かります。

 現在、進化論の主流となっているのは「総合進化説」というものですが、簡単に言えば、集団の内の1個体が突然変異を起し、他の個体が自然淘汰されて徐々にその突然変異を起した個体が増えていくというものです。

 しかし、この主流の理論でさえ、様々な欠点が指摘されています。

 例えば、個体にとって有利な突然変異が起る確率は極めて低く、また、実際にX線を使って人為的に突然変異を起すと、むしろ不利な変異しか起りません。
 また、突然変異の積み重ねで進化が起るとしても、進化の途中段階の化石が一つも見つからないことです。有名なところでは、キリンの祖先にあたる短い首の化石はたくさん見つかっていますが、その中間種の化石は見つかっていません。

 進化論は、生物の進化の中の、一部の簡単な変化を説明できているだけで、それ以外はきちんと説明できていないのです。

 特に、劇的な進化、例えば、魚類→両生類の進化の場合、肺呼吸が可能になります。そのような複雑な能力が、どうして、突然変異の積み重ねで偶然、可能になったりするものでしょうか。おそらく、それは、不可能に近いものだと思います。


 では、何故、進化論は、生物の進化の全てをきちんと説明できないのでしょうか?

 それは、「第三の意思」というものを必死で無視しているからです。

 例えば、「魚類→両生類」の進化よりもっと単純な、「ヘビ→毒ヘビ」という進化の場合を考えみましょう。この進化の場合、毒のないヘビに対して、新たに、次のような機能が必要となってきます。

   @毒を作り出す機能、A毒を保管する機能、B毒を相手に注入・射出する機能

 これらの機能が備わったことを「突然変異」という偶然で説明するのは無理であり、その無理を無理と考えずに必死に説明しようとしているものが進化論なのです。

 むしろ、「ヘビから毒ヘビを造ろう」という、ヘビ自身でも人でもない「第三の意思」というものが存在すると考える方が自然だと思います。

 毒一つ作るにしても、体の中にある成分の内、何を使って作るのかを考えなければなりませんし、その成分を合成する為の仕組みも考えなければなりません。当然、それらを考えた存在なしには進化は説明出来ないのです。

 この「第三の意思」は、神と言ってもいいし、別の呼び方でもかまいません。人間を造ろうという意思があったからこそ人間が存在しているのであって、単細胞生物から奇跡的な偶然が重なって人間が出来たとするのは、むしろ、非合理的であり、非科学的です。

 単細胞生物から偶然の積み重ねで人間が出来上がる確率より、ゴミの集積地で、風が吹いたり動物がいじったりして、偶然、パソコンの部品が集まり、組み立てられ、きちんと機能する物が出来上がる確率の方がよっぽど高いと言えるでしょう。

 また、TVゲームでドラクエやファイナル・ファンタジーと言ったロールプレイング・ゲームというものがあります。
 そこでは、様々なモンスターが登場しますが、進化論のやっていることは、ゲームを作ったデザイナーやシナリオライター、プログラマー等の存在を無視した上で、そのゲームに存在するモンスターの全てを進化論という理論で説明しようとするようなものです。

 例えば、ドラクエにはスライムというモンスターが登場しますが(ドラクエを知らない方、申し訳ありません)、スライムから、より強い力を持ったスライムベスというものが枝分かれし、また他にも、湿地帯に適応したバブルスライムが枝分かれした。
 この辺は、まだ進化論で説明できますが、メタルスライムやキングスライム等になってくると「突然変異で偶然出来た」と無理をゴリ押しするしか出来なくなります。

 また、ゲームに登場するモンスターでも、現実世界の生物のように、スライムを起点として進化し、枝分かれして行った過程を図にすることができますが(※「系統樹」という)、現実の動物等と同じで、例えば、スライムがスライムベスへと進化した途中経過の中間種など存在しません。

 もし、このゲームの世界のモンスター達を進化論で真剣に説明しようとし、「偶然の積み重ねで全てのモンスターが出来た」と主張している人がいたら、「バカじゃないの?」と思うでしょう。単に、モンスター・デザイナーがいて、「こんなのがいたら面白いんじゃないの」等という発想で作っただけなのですから。

 現実の世界の動植物も同じです。TV番組を見ていると様々な面白い動植物が登場します。卵を産む哺乳類や、花そっくりの昆虫、そして、途中で性別が変わってしまう魚なんかもいます。
 それらを見ているとゲームのモンスターのデザインと同じで、「こんなのがいたら面白いんじゃないの」という発想に近いものだと思いませんか?


 以上、「第三の意思」を必死に無視している進化論は破たんしています。いくら研究を積み重ねようとも真実へとはたどり着けないでしょう。

 なお、「知性ある何か」(※一般に「サムシング・グレート」と呼ばれる)がこの世界を、そして、そこに存在する生物を創造し、進化を司っているとする考えをインテリジェント・デザイン説と呼びます。

 私は、偶然の積み重ねで微生物から高等生物へと進化し、さらには人間にたどり着いたとする進化論などよりも、インテリジェント・デザイン説の方が、はるかに、理性的で合理的な説であると思います。

 進化論は、神やそれに類する存在を認めたくないだけの偏狭な科学者たちが固執しているに過ぎない理論なのです。

 先にも述べた通り、現在、進化論が科学界で正しいとされている理論ではありますが、皆さんはインテリジェント・デザイン説の方がよっぽど科学的だとは思いませんか



※進化論の説明については、『図解雑学 進化論』(中原英臣/ナツメ社/2005)を参考にした。

※あくまで、「誤った二分法」の説明の為に作成した文章なので、
真剣に反論して来たりしないで下さい(笑)

 それなりに、もっともらしい文章になり、少なくない人を誘導できるものを作成できたと思うがいかがだろうか??

 上記文章を解説すると、次の構造になっている。

 1.進化論の問題点をあげ、否定する。
 2.その問題点を解決するものとしてインテリジェント・デザイン説を登場させる。

 そして、
「この文章だけで判断する」という前提では、必ずインテリジェント・デザイン説を支持せざるを得ない仕組みになっている

 これは、(その9)で記載した、宗教団体から提示される次の2択と全く同じである。
@.子どもをサタンに引き渡すか(子どもを叩かない)
A.子どもを堕落と死から救うか(子どもを叩く)
 こちらも、与えられた選択肢だけで判断するなら、Aを選択せざるを得ない。

 当然ながら、どちらも、「誤った二分法」と呼ばれる非論理的誤謬であり、上記の進化論の文章は、より複雑で長文になっただけ。

 進化論とインテリジェント・デザイン説という
2つの可能性だけをあげて、その一方を否定することによって、読み手を意図する説を支持するように誘導しているのである。

 そして、この例文では、進化論とインテリジェント・デザイン説の2択しか提示されていないが、実際には、
「進化論も未完成の理論だけど、インテリジェント・デザイン説もただの仮説の域を出ていない。現時点でどちらを選ぶかと言えば、進化論の方が分がある」というように、どちらか一方のみを正しいと完全に決めつけてしまわない選択も可能なのである。


 続いて、該当の例文の問題点についても解説しておこう。

 それは、
二つの説が平等に論じられてはいないことである。

 進化論の都合の悪いところだけをピックアップし、一方、インテリジェント・デザイン説の方の都合の悪い部分は一切触れられていない。

 その、「インテリジェント・デザイン説の方の都合の悪い部分」は、「科学的な立証がどこまでなされているか」を考えてみるとすぐに分かるであろう。

 まず、その根幹となる、「知性ある何か」である。これは科学的にその存在が立証されているだろうか?もちろん、されていない(※あくまで、「科学的に立証されているか」であって、もっともらしく説明しただけはない)。しかも、「知性ある何か」という言葉を見ても分かる通り、その定義も曖昧である。

 次に、その「知性ある何か」が、どのような方法で、この世を、そして、生命を創造し、また、どのような方法で生命の進化を創出しているのか。こちらも、せいぜい仮説レベルであって、当然、それが立証されたこともない。

 このように、インテリジェント・デザイン説は、根本的なところで何の説明もできておらず、進化論が抱える問題点などよりも、はるかに大きな穴が空いている説なのである。

 よって、例文にあるように、
現在、進化論が科学界で正しいとされている理論ではありますが、皆さんはインテリジェント・デザイン説の方がよっぽど科学的だとは思いませんか?と問われた場合、当然、NOという答えにならざるを得ないのである。(ただし、今後、上記に記載した問題点等がきちんと科学的に説明、立証できるようになれば、この回答がひっくり返る可能性はなくはない)


 なお、上記例文の最後の方では、「進化論は、神やそれに類する存在を認めたくないだけの偏狭な科学者たちが固執しているに過ぎない理論なのです」と、インテリジェント・デザイン説が科学界で受け入れられない理由を説明する文章を挿入しておいた。

 上記例文に誘導されてインテリジェント・デザイン説支持へと傾いた人は、「科学者なんて、ほんとは非科学的じゃないか!」などと同意することになる。

 しかし、実際、これは、書き手の妄想と言っていいものである。

 そもそもが、書き手の主張が根拠脆弱、もしくは、根拠が根拠足りえていないから、科学界で受け入れられていないだけなのであるが、書き手にはそれが分からない。もし、それが分かるくらいなら、このような文章を挿入してなどいない。(※ただし、裏に特別な意図があって、分かった上で挿入している場合もある。)

 そして、それが分からずに、自分の意見が絶対的に正しいと思い込んでいるから、科学者側が悪いと考え始める。

 さらに、そこから、科学者側の何が悪いのかと推測し、
「科学者たちは、神やそれに類する存在を認めたくないだけなんだ、偏狭な考えの持ち主たちなんだ!」という考えに至るのである。

 結局のところ、
自分の意見を受け入れない相手の人物像を脳内で勝手に創り上げた上で批判しているだけで、単なる自作自演なのである。


 ちなみに、宗教の場合では、自分達の教え等が世間に受け入れられていないことに対して、次のような人物像・理由がよく使われる。

  ○魂のステージが低いから理解できない
  ○心が汚れているから理解できない
  ○真実に目覚めていないから理解できない
  ○サタンに支配されているから理解できない

 このように、自分達の意見が世間に広く受け入れない理由を、受け入れない人達のせいにして誤魔化し、「自分達の意見は正しいんだ!」と思い込み続けるのはよくあることで、トンデモ本でよく見かけるアカデミズム批判なども、全く同じである。





 さて、このような「誤った二分法」は巷の陰謀論でも良く使われるのであるが、次に(その11)では、同時多発テロの陰謀論のケースを見てみたい。




2013.6.11新規

    精神世界
   (※「AIRランキンク」゙さんの精神世界ランキング。クリックすると、当HPに一票入れたことになります)












教祖様にツッコミを入れるページ