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もっともらしいだけの根拠(その11)

 ※当記事は、記事(その9)(その10)からの続き



11.誤った二分法(3) 同時多発テロの陰謀論のケース

 2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロにつき、現在でもトンデモ系の書籍ではアメリカの自作自演説が主張されることが多い。

 当記事では、浅川嘉富氏の著書『龍蛇族直系の日本人よ!』(ヒカルランド/2011)に記載された内容を参考に、その自作自演説でどのような論理展開がなされるのかを見て行きたい。



(3).9.11同時多発テロの自作自演説のケース

 (その2)で見て来た通り、「誤った二分法」では、基本的に次のような論理展開がなされる。
1.否定したい説の問題点をあげ、否定する。
2.その問題点を解決するものとして、
誘導したい説を登場させる。
 そして、同時多発テロの自作自演説では、「否定したい説」、「誘導したい説」はそれぞれ、

   ○否定したい説 ・・・ イスラム原理主義者によるテロ
   ○誘導したい説 ・・・ アメリカの自作自演

となる。

 まず、「1.否定したい説の問題点をあげ、否定する。」であるが、『龍蛇族直系の日本人よ!』には、次のような同時多発テロに関する疑問点があげられている。
『龍蛇族直系の日本人よ!』 (浅川嘉富/ヒカルランド/2011) P.299-303
@飛行機から眺めると一本の針のように見える細いビルに対して、どのようにして軽飛行機を操縦できる程度の力量しかないテロリスト犯が、機首を正確にビルに向けることができたのか? 突入機はリモートコントロールされていたのではないか。

A二機目の突入機を間近で眺めた女性がテレビのインタビュアーに向かって、「あの飛行機は民間機ではなかったわよ。だって窓がなかったもの」などと証言しているのはなぜか? 突入機は民間機にリモコン操縦装置を設置した軍用機だったのではないか。

B
上空1万メートルの旅客機に搭乗していた乗客の携帯電話から家族に電話が入ったなどという、おかしな証言が出たのはなぜか? アルカイダによる乗っ取り劇を信じ込ませるための偽装工作だったのではないか。

Cジャンボ旅客機の衝突などではびくともしないように設計された
2棟のビルが、中型の旅客機が半分ほどしか突っ込んでいないのに、なぜ見事に崩壊したのか? ビル崩壊用の爆薬が使われたのではないか。

D隣に建っていた世界貿易センター第七ビルまでもが、なぜ一緒に崩れたのか? ビルには突入機をコントロールするリモコン操縦装置やビル崩壊の爆薬点火の指令室などがあったからではないか。

Eペンタゴンの破壊された穴(19メートル)は、なぜ突入したとされる民間旅客機・AA77便(38メートル)の半分しかないのか? ペンタゴンの突入現場に、なぜ旅客機の残骸がまったく残されていなかったのか? 機体のすべてが燃え尽きてしまうなどということは到底あり得ないことである。突入機は巡航ミサイルのトマホークか、特殊なビーム兵器だったのではないか。

Fなぜ、旅客機が1機突入した直後から、世界中のテレビにビル崩壊の一部始終が放映されるなどという奇妙なことが起きたのか? 事前に、アメリカのテレビ局に事故発生の秘密情報を流し、世界のテレビ局に配信する手配を整えさせていたのではないか。

Gツインタワーに通常勤務する人間の数は5万人近いはずなのに、なぜかその日に限って、その半分程度の人間しか出勤しておらず、被害者の数が2749人で済んだのか? この中には民間機2機の乗客や消防士たちも含まれているというのに。
 なかでも、ユダヤ系社員4000人近くが出社していなかった、というワシントンポスト紙(2001年9月26日付)の報道は何を意味しているのか? 「闇の勢力」がユダヤ系の国際金融資本と深くかかわっているとされることを考えるなら、ユダヤ系会社の社員には、それとなく出社をやめるよう口伝されていたとは考えられないか。

Hブッシュ大統領は、事件の実態も判明しないうちから、「これは、我が国に対する宣戦布告である。直ちに報復をせねばならない」などと、なぜ高らかに宣言したのか? すべてシナリオができあがっていて、その全貌を承知していたのではないか。

I防空網と迎撃態勢が世界一完備されているはずのニューヨークの飛行禁止区域に旅客機が2機も進入しているのに、なぜ長時間にわたって迎撃機の出撃命令がでなかったのか? 政府のトップレベルからの出撃禁止の指示が出ていたからではないか。


Jペンシルバニアに墜落したとされるUA93便は、乗っ取り犯と争っているうちに墜落したと発表されているのに、映像で見る限り、墜落現場の穴の周辺には飛行機の大きな残骸はいっさい見当たらず、13キロもの長い区域に残骸が帯状に散乱している。これはなぜか? 軍用機によって計画的に撃墜されたのではないか。

K事件の翌日、全米でいっさいの民間飛行機の飛行が禁止されていたにもかかわらず、アメリカ各地に散在していたビンラディン一族を最寄りの飛行場で次々とピックアップして、ロンドンへ移送したのはなぜか? 犯人に仕立て上げられたビンラディン一族と懇意にしていたブッシュ一族の特別の計らいではなかったか。

(※管理人注)文字に色を付けたのは管理人。以下同様。
 正直、これだけ疑問点が列挙されると、「なんかテロ説はおかしいぞ!」と印象形成してしまうのも無理がないと思う。あくまで、「素人目には」だが、確かに不審と思えるものが多々あるからである。

 例えば、Bのように、「上空1万メートルから携帯電話で連絡があったのはおかしい!」と言われてみると、確かにおかしいような気がする。

 また、Cのように、「なんで、中型の旅客機が突っ込んだだけでビルが倒壊したのか?ビル崩壊用の爆薬が使われたのではないか?」と言われてもやはりそうである。誰もが映像で見たであろうビル倒壊の様子は、爆薬を使ったビル解体の様子と酷似しているものであった。

 さらに、Dのように、旅客機が突入していない第七ビルまでもが倒壊したのは不思議である。

 そして、これらの、個々の疑問点だけが個別に提示されれば、「おかしいかも知れないなぁ」程度の半信半疑であっても、その半信半疑が複数集まれば、人の心理として、その疑問は確信、もしくは、それに近いものとなってしまう。

 結果、書き手の誘導通り、「なんかテロ説はおかしいぞ!」と思ってしまうことになるのである。

 当然ながら、これは「誤った二分法」によるトリックであって、テロ説の疑問点しか提示しないから、そのような印象形成をしてしまうのであって、もし、それだけでなく、テロ説を支持する根拠も提示されていたのなら、当然、印象も大きく変わって来ることになる。


 そして、このような疑問点を複数提示して、読み手がテロ説へ大きな疑問を持ったところで、次の段階の「2.その問題点を解決するものとして、誘導したい説を登場させる。」ことになる(※該当書籍では、上記の疑問点を掲載する前に、誘導したい結論を一部記載しているが(下記の上半分の部分))。

 『龍蛇族直系の日本人よ!』の該当の記載を見てみよう。
『龍蛇族直系の日本人よ!』 (浅川嘉富/ヒカルランド/2011)
 ただ、世の中で起きているさまざまな出来事には、新聞やテレビが決して伝えることのない裏があるということだけは頭に入れておいてほしい。2001年9月11日に起きた「9・11同時多発テロ」はその典型的な事例といえよう。
 
このテロは、その後のアメリカによるイラク侵攻を正当化し、その戦争の背景にあった石油利権や武器販売、世界支配戦略といった真の目的から世界の目を逸らさせることになったことは言うまでもない。またその奥には次項で和宏少年が言うように、深い意味が隠されているようである。(P.299)

 9.11同時多発テロが当時のブッシュ大統領やチェイニー副大統領を手駒とする「闇の勢力」によるものであることを詳細に論証した本も何冊か出ているので、確信を得たい方はお目通しいただくといいだろう。(P303)
 この書籍では、真犯人が「闇の勢力」であるとし、その目的は、イラク侵攻を正当化し、石油利権や武器販売、世界支配戦略が真の目的だと主張している。

 なお、本書では、詳細は他の書籍を読むよう記載されているだけだが、世に出回っている自作自演説関連の書籍では、先に引用したテロ説の疑問点を解決する為の、例えば、次のような話が登場する。
○実は、ワールドセンタービルに突入したのは、リモートコントロールされた軍用機。

○ハイジャックされたとされる旅客機は別の場所に移送され、イスラム教徒のテロであることを偽装する為に客を脅して、携帯電話で家族等に連絡をとらせた。実際は、地上からだったので、携帯電話で連絡が取れたのである。

○ビルには、あらかじめ倒壊用の爆薬が仕掛けられており、衝撃的な映像にして、イスラム、及び、テロ憎しの感情を煽る為にビルを丸ごと破壊した。

 先に掲載した疑問点を読んで「なんかテロ説はおかしいぞ!」と心象を形成してしまった人は、その疑問点を解消してくれる、このような説に飛び付き、まんまと自作自演説を信じて、「実は、闇の勢力の仕業だったのか!」と思ってしまうことになるのである。


 このような「誤った二分法」によるトリックに騙されない為には、(その2)でも触れたが、二つの説が平等には述べられていないので、一旦、距離を置いて平等に両説を眺めてみることが大切である。

 そして、テロ説へ向けられた疑惑の目と同程度の疑惑の目を自作自演説へと向けてみることである。
○2機目が突入した時って、既に世界中に映像が配信されていたし、当然、現場の近くには報道陣がいっぱいいたのに、軍用機ならそれとすぐ分かるんじゃないの?

○「ハイジャックされた旅客機は別の場所に移送され」たって、どこに?何か証拠はあるの? 通常、旅客機ってGPSで飛行位置が把握されているはずなのに、バレずにそんなこと可能なの?

○「ビルには、あらかじめ倒壊用の爆薬が仕掛けられて」いたって、そんなこと、ビルに勤めている人達に気づかれずに可能なの?
 ここに記載した内容は、あくまで素人考えの疑問であり、もしかしたら、誤っているかもしれない。しかし、このように、誘導の流れから離れて冷静に考えれば、自作自演説が少なくとも安易に賛同できない説であることがすぐに分かるはずである。

 実際のところ、先に『龍蛇族直系の日本人よ!』から引用したテロ説の疑問点は、かなりいい加減なものである。

 例えば、都市伝説を真実として扱っていたり、前提としている数字が誤っていたりもする。また、携帯電話なども飛行している旅客機からでも多少の難はあるがつながることはつながる。

 該当の疑問点への反論の詳細は以下の記事に記載したので、興味ある方は参照して欲しい。

      記事「『龍蛇族直系の日本人よ!』にツッコミ!(その3)


 ちなみに、(その10)の進化論とインテリジェント・デザイン説の例では、
自分の意見を受け入れない相手の人物像を脳内で勝手に創り上げた上で批判するという話を記載したが、上記のような陰謀論でも同様である。

 例えば、陰謀論の支持者は、その陰謀論を受け入れない人達を次のように批判することになる。

  ○悪の組織に支配されているメディアが流す情報に騙されている
  ○情報弱者
  ○偽りの真実に安寧している愚かな人達
  ○飼いならされた豚


 また、当記事では、例として、9.11同時多発テロの陰謀論を使用したが、巷で主張されている陰謀論は大抵、「誤った二分法」を使用したものなので、留意しておいて欲しい。

 さらに、陰謀論に限らず、トンデモ本で主張されるトンデモ説もやはり、同じ手法を使用したものが多い。

 一例を上げると、アンデス山脈の標高2,430mのところに存在するマチュピチュの遺跡に関しては、次のような論理展開がなされる。
 「否定したい説」 ・・・ マチュピチュは当時のインカ帝国の人達が作った
 「誘導したい説」
 ・・・ マチュピチュは宇宙人が作った

<1.否定したい説の問題点をあげ、否定する>


○遺跡は、カミソリの歯が差し込めないほどにピッタリと石組が組まれている。鉄も鋼鉄も知らなかったインカ帝国の人達がどうやって、そんなに精巧に石を加工できたというのか?そもそも、石を切り出すことさえ難しいであろう。

○仮に、石を切り出せたとして、どうやって彼らは、標高2,430mの場所まで重い石を運んだというのか。彼らは運搬に必要な馬車も牛車も持っていなかった。というか「車輪」というものの存在すら知らなかったのである。

○そもそも、何故、標高2,430mという、建設にも居住にも不便な場所に都市を建設しなければならなかったのだろうか?


<2.その問題点を解決するものとして、誘導したい説を登場させる>

○マチュピチュをインカ帝国の人達が作ったというのはウソだ。宇宙人が作ったのだ。

○宇宙人が作ったのなら、標高2,430mの場所でも楽々と石を運べたであろうし、驚異的なほど精巧な石組に出来たのも説明できる。

○標高2,430mという場所は、UFOの離着陸を意識してのものだろう。

○南アメリカに宇宙人が来ていたのは、はるか上空からしか分からないナスカの地上絵を見ても明らかである。

 やはり、こちらも、「誤った二分法」を使用した論理展開になっていることがお分かりいただけると思う。

 一応、上記のマチュピチュの問題点について説明しておけば、実際は、鉄を知らなくても、石はより堅い石を使って切り出しや加工ができるし、運搬も日本で発見された修羅という一種のソリのようなもので可能である。

 また、マチュピチュの遺跡より標高の高い場所に、建設に使った石材の切出し場所が確認されている。

 結局、宇宙人など持ち出して来なくても、当時の技術で十分、建築可能なのである。




 さて、これまで何点か「誤った二分法」を使用した例を見て来たので、この手法については、ご理解いただけたのではないかと思われる。

 そして、
「当ページで、初めて「誤った二分法」という言葉を知った」という方も少なくないのではないかと思われるが、実際のところ、この手法は、我々の日常生活の中でよく使用されるものであり、また、あなた自身も使ったことがあるかも知れない。

 次に、(その12)では、日常で使用されている「誤った二分法」の例も見ておきたい。




2013.6.18新規

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