『2012年の奇蹟』にツッコミ!(その2) ・・・ 中丸薫さま
※当記事は(その1)からの続き


 中丸様によると、地球がフォトン・ベルトとやらに突入するのが、2012年12月22日の真夜中のことらしいのだが、具体的にどのようなことが起きると主張しているのか見てみよう。
<P.47>
◆「光」のエネルギーがアセンションへと導く

 
私が現在、さまざまなところから得ているインスピレーションや情報では、フォトンベルトの突入によって、地球は「光の五次元世界」にシフトするようです。
 これが2012年のアセンション=次元上昇となります。
 どうやら、地球が「『光の五次元世界」にシフト」(=アセンション)するらしい。

 そして、この情報は、中丸様が「さまざまなところから得」「インスピレーションや情報」によるものだそうだ。

 全然、あてにならない中丸様のインスピレーション(笑)


 続いて、フォトンベルトに突入することによって、何故、「アセンション=次元上昇」することになるかの説明もあるので見てみよう。
<P.47> (※上記からの続き)
 私たちの存在は、もともとすべてが「光」であり「電気的」なものです。ですから、ある波長に達すると光のエネルギーによって高次元に移るのです。これに備えて、私たちが準備しなければならないのは、「愛のエネルギー」です。
 無償の愛のエネルギーが「心の浄化」を進めて、アセンションに連動することができるようにしてくれるでしょう。そして、ある時間帯にそのアセンションに連動するように心の波動を合せればいいのです。
 分かったような気になれるだけで、分からない説明である。

 順を追って見て行こう。最初に中丸様は、以下のように説明する。
「私たちの存在は、もともとすべてが『光』であり『電気的』なものです」
 まず、「私たちの存在は、もともとすべてが『光』」であるが、これは、スピ系や新興宗教ではちょくちょく聞く話であるが、正直よく分からない。

 次に、「もともとすべてが『電気的』なもの」というのは、「我々の身体を構成するのは原子であり、その原子は、『マイナスの電荷を帯びた電子とプラスの電荷を帯びた陽子で構成されている』という話を前提にしているのだ」とでも解釈して、とりあえず納得した気になっておこう。


 そして、この文章は次のように続く。
「ですから、ある波長に達すると光のエネルギーによって高次元に移るのです」
 しれっと「ですから」という接続詞でつなげて、結論を持って来ているが、全く理解出来ない

 なぜ、「『光』であり『電気的』なもの」であったら、「ある波長に達すると光のエネルギーによって高次元に移る」のだろうか??

 そのような実験結果があるのなら、ぜひ提示して欲しいものである。


 さらに、上記文章は次のように続く。
「これに備えて、私たちが準備しなければならないのは、『愛のエネルギー』です」
 唐突に、「愛のエネルギー」登場(笑)

 「愛のエネルギー」
がいったい、光や電気とどう関係するのだろうか(笑)

 そして、これに続く文章を見てみると、この『愛のエネルギー』「アセンション=次元上昇」する為の鍵となってくるようである。


 さて、今一度、上記の中丸様の説明を真剣に理解しようと努めてみて欲しい。

 しかし、「光」、「電気」、「波長」、「次元」、「エネルギー」などと言った言葉の意味をきちんと把握した上で、上記説明を理解しようと努めても、上記で一部ツッコんだように、絶対に理解できないはずである。

 その理由は、物理関連の用語を使いて科学的な説明をしているように装いながら、実際は、非科学的なデタラメ話をしているだけだからである。

 例えば、「愛のエネルギー」なんてのは、文学的・詩的表現であって、物理の概念ではない

 そんな文学的・詩的表現のものが、どうやって、「『光』であり『電気的』なもの」を高次元に上昇させることに関わってくるというのだろうか?


 また、例えば、「ある波長に達すると光のエネルギーによって高次元に移る」というのは、どういうことだろうか?

 光というのは以下の表の通り、
電磁波の一種であり、電磁波の中で波長が長いものがテレビやラジオで使用されている電波であり、それより波長が短いものが。そして、光よりも波長が短いとガンマ線やエックス線などの放射線になる。
電磁波
放射線 電波
ガンマ線
エックス線 紫外線 可視光線 赤外線 サブミリ波、極超長波、等
10pm未満
(※波長)
1pm-10nm 10-400nm 360-830 nm 0.7μm-1mm 1-0.1mm(サブミリ波)

100-107km(極超長波)
波長短い・周波数多い ←    → 波長長い・周波数少ない
※p・・・ピコ:10-12n・・・ナノ:10-9、μ・・・マイクロ:10-6
 いったい、中丸様が「ある波長」と言う、その波長の長さは具体的に何mのことなのだろうか? 光の範囲内の波長なのか、それとも、放射線や電波の領域の波長なのか、はたまた、それ以外の波長なのだろうか? 上記表のように、一口に波長と言っても、10pm未満から107kmのものまであるのである。

 また、「『光』であり『電気的』なもの」が、どうやって、「光のエネルギーによって高次元に移る」のだろうか?? 光に光を当てても明るくなるだけで、
「次元が上昇する」なんて物理現象は聞いたことがないのだが。


 このように、中丸様の説明は、真剣に理解しようとすればするほど、絶対に理解できないのである。

 所詮、上記説明は、
科学的な説明を装って、実際は、それっぽく物理学の用語を繋ぎ合わせただけに過ぎないものであり、さらに、その中に『愛のエネルギー』などと言う文学的・詩的表現を盛り込んだりしているのだから理解できるわけがないのである。

 そして、このような説明をしている中丸様自身も分かったつもりになっているだけで、分かっていない。そもそもがデタラメで理解しようがないものだからである。


 なお、もし、中丸様がしたような説明を読んで、分かったつもりになってしまったのなら、それは、もしかすると、スピ系やオカルト系の本を読み過ぎて、このような
「分かったような分からない説明」に慣れてしまっているからかも知れないので注意されたい。

 
「いったい、アンタは何を言っているんだ!?」というように、中丸様が意味不明なことを言っていると判断するのが正解なのである。




 以上、「2012年年末にどういうことが起きるのか」という話から脱線してしまったが、話を戻して、(その3)で続きを見て行きたい。



2013.10.8 新規

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こんなデタラメな説明を読んで、分かったつもりになってしまったら、こちらの負けだゾ。