(その1)で見て来た文章の続きを見て行こう。
<P.13> (※(その1)で引用した文章の続き)
だから、一夜にして一気に地球が優良の星へと変化し、地球上のすべての人たちが心の浄化を果たして意識革命が起きる、というわけにはいかないのでしょう。
しかし、次元の上昇へと導く宇宙からの波動は確実に高まっています。地球自身の意識が上昇し、そこに住む一人ひとりも、個人差はありますが意識の上昇を果たし始めているのです。アセンションは、そのきっかけという位置づけだったのです。
この波動を受け取れるか受け取れないかは、心の浄化を果たしているか否かにかかわってきます。
(注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様) |
中丸様は、「闇の権力」の立場について、「一夜にして一気に地球が優良の星へと変化し、地球上のすべての人たちが心の浄化を果たして意識革命が起きる、というわけにはいかないのでしょう」と推量を述べている。
あれあれ?? 地球が優良の星へと変化するのは、もともと、一夜にして起きるものじゃなくて、「徐々に起きるもの」じゃなかったでしたっけ??
『五次元世界の奇蹟』 (中丸薫/あ・うん/2010.1) P.192
アセンション後に、「優良惑星」となった地球には、まったく違った世界が出現することになるでしょう。
ただし、その大変革は、突然、コロリと変化するものではないと思います。これまでの歴史的変化もそうでしたが、少しずつ進行します。ただし、部分的な変革はある時、一夜にして起こることもあるでしょう。けれども、全体の大改革は、一定の時間をかけて起こるのです。 |
『2013年、アセンション後の地球』 (中丸薫/青志社/2010.6) P.65
ただし、2012年のアセンションを通り越したからと言って、ユートピアがすぐに実現するわけではありません。
2012年12月22日以降は、禊がされることが第一義にあります。
これを越え、ひとまず、人、社会にユートピアを実現するための素地ができあがるのです。
その後に精神文明の発展があり、徐々に実現していくことになります。 |
もともと、地球が優良の星へと徐々に変化すると言う話なのに、「一夜にして一気に地球が優良の星へと変化し、地球上のすべての人たちが心の浄化を果たして意識革命が起きる、というわけにはいかない」もクソもないだろーに。
中丸様、自分が主張していたアセンションの設定も覚えていないんですか??
さて、(その1)から見て来た、「次元の上昇に抗う闇の権力」と題されたこの節は、上記の文章で終わりである。
そして、この節では、何故、暗黒の三日間が起きなかったかの説明がなされ、「地球は、今、3次元から5次元へと、着実に次元の上昇に向かいつつあります」とアセンション自体は本当に起きたことが主張されていた。
しかし、結局、「地球がフォトンベルトに突入したのか否か」は不明である。
そもそも、中丸様のアセンションに関する主張は、暗黒の三日間も含めフォトンベルトが存在することが前提となっていた為、アセンションが起きているのなら、当然、フォトンベルトに突入しているはずである。
しかし、「地球がフォトンベルトに突入したのか否か」の情報以前に、そもそも、フォトンベルトなる言葉自体が一切出て来ない。そして、それは、本書全体を通じてそうなのである。
また、上記文章では、「次元の上昇へと導く宇宙からの波動は確実に高まっています」とあり、アセンションの原動力は「宇宙からの波動」になっている。
これまでは、フォトンベルト(光子が滞留する帯、電磁波雲)が前提になっていたから、「光エネルギー」、「電磁波エネルギー」、「愛の光」等という言葉が使用されていた(※『中丸薫のワールド・レポートvol.170』(2012.12)、『2012年の奇蹟』(中丸薫/あ・うん/2008.7)。それが、「宇宙からの波動」に変わってしまっているのである。
これは一体、どういうことだろうか? また、一体、いつから中丸様は「フォトンベルト」という言葉を使用するのを止めたのだろうか?
そして、「フォトンベルト」の使用について調べてみると、以下の通りである。
年月
|
書籍名等 |
「フォトンベルト」の
使用有無 |
備考 |
2012年2月 |
『神の星 優良地球へ』(中丸薫/ベストセラーズ) |
有り |
中丸様の書籍 |
2012年12月 |
『中丸薫のワールド・レポートvol.170』 |
有り |
中丸様が主催する「太陽の会」が発行 |
2012年12月22日深夜〜24日(暗黒の三日間) |
2012年12月27日 |
中丸薫「アセンションを迎えて」2012-12-27 |
無し |
YouTube動画 |
2013年2月 |
『アセンションと生まれ変わりの秘密』(中丸薫/学研) |
無し |
中丸様の書籍 |
2013年3月 |
『2015年に来る真の危機から脱出せよ!』(中丸薫/青志社) |
無し |
中丸様の書籍 |
もちろん、上記表は、中丸様の言動を全てチェック出来たものではないが、どうも、2012年12月の暗黒の三日間以降は、「フォトンベルト」の使用を止めているようである。
中丸様、もしかして、フォトンベルトのことに触れないようにして、有耶無耶の内に無かったことにしようとしてません?
てか、フォトンベルトが1961年に人工衛星で観測されたと言うのなら、地球がそこへ突入する直前になればなるほど、そこかしこで観測されなきゃおかしい話だし、また、中丸様がネタ元の一つとしている飛鳥昭雄氏の本にも「フォトンベルトは虚構に満ちている」って書いてありましたもんね。(※ちなみに、飛鳥昭雄氏は、フォトンベルトをプラズマ・フィラメントのパロディだとしている。(『太陽の謎とフォトンベルト』(飛鳥昭雄・三神たける/学研/2008.9/P.4-5))。
中丸様、もしかして、フォトンベルトなんか存在しないことに、事前に気づいちゃってたんじゃないですか?
それで、使用を止めるタイミングを見計らってただけじゃないんですか??
ちなみに、中丸様は他にも、2012年にニビルという惑星が地球の軌道に入ってくると主張していた(※『五次元世界の奇蹟』(中丸薫/あ・うん/2010.1/P.62)。
ねえ、中丸様、惑星ニビルはどうなったんですか? これも「何らかの圧力」で地球の軌道に入って来なくなったんですか??
また、暗黒の三日間に発生する不測の事態に備えて宇宙船が用意されていたんですよね?
これ、「1つに2〜3万人もの人を収容できる超大型の宇宙母船を100万基」(※『2013年、アセンション後の地球』(中丸薫/青志社/2010.6/P.82-83)だったんですよね?
起きもしない暗黒の三日間の為に、わざわざ超大型の宇宙母船が100万基もやって来て、すごすごと帰って行ったんですか??
以上、「都合の悪い事実には一切触れずに、素知らぬ顔をしてやり過ごそうという魂胆が丸見えだ」と思うのは、私だけではあるまい。
て言うか、アセンションの大前提だったはずのフォトンベルトには一切触れずに、一方で、「アセンションは起きた、起きている」とだけ主張するのは、あまりにも人を馬鹿にした態度ではないのか。
さらに、本書の題名の『2015年に来る真の危機から脱出せよ!』や帯の以下の文言である。
地球は次元の上昇に向かいつつあるものの、これからの3年間で富はすべて収奪され、水と食糧は奪い尽くされる「地球人総難民化」の危機を迎える。
そうした闇の権力の悪あがきに対して、人類がすべきことは何か?
|
中丸様、「真の危機」とか言って不安を煽って、自分がしたデタラメ予言から目を逸らさせようとしているんですか?
さて、本書は、「闇の権力」という言葉が頻繁に登場する通り、陰謀論のド真ん中を行く書籍なのであるが、(その3)では、どんなトンデモ論が主張されているのかを見て行きたい。
2013.11.12 新規
|