「光の時代がはじまりました」にツッコミ!(その4)・・・越智啓子さま
※当記事は(その1)(その2)(その3)からの続き


 (その3)では、越智啓子様が、アセンションによって起きた、起きていると主張する内容につき、特に分かり易い事例を見た。

 当記事でも同様の内容を見て行くが、
アセンションすることによって『引き寄せの法則』がより顕著に働くようになっている」と考えていると思われる越智啓子様が、どのような出来事をその例としてあげているのかをを見てみたい。
『光の時代がはじまりました』 (越智啓子/徳間書店/2012.3) P.167
 私たちは自分の思いで世界を創っていますから、同じ世界観の仲間が集まってアセンションを楽しめばいいのだと思います。
 信じられない人には存在しないことかもしれません。


(管理人注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様)
 「自分の思いで世界を創ってい」るというのは、「引き寄せの法則」関連の本ではよく記載されていることである。

 まあ、
ある一面を捉えればそうとも言えるが、そうでない一面もある。
 そして、
そうでない一面を一切無視するのが「引き寄せの法則」なのであるが、ここは軽く流して先に進もう。
『光の時代がはじまりました』 (越智啓子/徳間書店/2012.3) P.167 (※上記からの続き)
 そう感じたおもしろい体験を紹介します。「天の舞」の近くに、「青の洞窟」という美しい青い光を見られる洞窟があって、シュノーケルやダイビングの観光スポットになっています。
 
弟夫婦が沖縄へ来たときに、そこへ案内しました。それはすばらしい青い光を堪能できました。港へ帰る船のなかで、イルカやマンタを呼んで、さらにオプショナルで楽しんでもらいたいと、ふと思いました
 どうやら、越智啓子様、弟夫婦と共に沖縄の「青の洞窟」という場所に行き、その帰りの船の中で「イルカやマンタを呼んで、さらにオプショナルで楽しんでもらいたいと、ふと思」ったらしい。

 そうすると、、、
『光の時代がはじまりました』 (越智啓子/徳間書店/2012.3) P.167 (※上記からの続き)
 アセンションがはじまっていたので、思いはすぐに実現して、すぐにイルカの気配がしました
 
「気配がする・・・・・・イルカかマンタが来ているかも・・・・・・」
 
「ここはイルカは来たことがないの、マンタは石垣島で見られるわよ!」
 と、案内してくれた
女性インストラクターにいわれても、どうしてもイルカのような気配がするのです。
 「アッ、あそこにイルカが2頭いる!!」
 と、大騒ぎになりました。たとえ、
そこにそれまで一度もイルカがこなかったとしても、思いで引き寄せて現実化することができるのです

 
〜(中略)〜

 
港へ帰り、タバコをくゆらせていた男性のインストラクターに、
 「青の洞窟でイルカが来てたわよ!」
 と、女性インストラクターが知らせたら、
 
「このあたりはイルカはこない、ありえない」
 と、まったく信じませんでした。船のみんなが声を合わせて、
 「私たち、イルカを2頭見たんです。ほんとうに来てくれたんですよ!」
 といっても、彼は首を横にふりながら、
 「まぼろし、まぼろし」
 と、決して認めようとしませんでした。
 それぞれの思いで、自分の世界を創っています。そして、彼が自分たちのインストラクターでなくてよかった、と思いました。
 たとえ、過去のデータでそこには絶対にイルカはこなかったとしても、新たに呼べばいいのです。
前代未聞を生み出すのが大好きな、私らしいエピソードでした
 「アセンションがはじまっていたので、思いはすぐに実現して」、イルカが現れたようだ。

 そして、「そこにそれまで一度もイルカがこなかったとしても、思いで引き寄せて現実化することができる」と解説し出す越智啓子様。


 
さて、この事例は、本当に越智啓子様の思いがイルカを引き寄せたものなのだろうか。

 まず第一に、越智啓子様が思ったのは「イルカやマンタを呼んで・・・」で、
マンタの方は引き寄せることが出来ていない。その点で中途半端な事例だと言えよう。

 次に、この事例の説得力を上げているのは、2人のインストラクターの次の言葉である。
「ここはイルカは来たことがないの」
「このあたりはイルカはこない、ありえない」
 これらの言葉があるからこそ、「偶然じゃない!ありえないことが起きた!思いが引き寄せたんだ!」との主張に説得力を感じる人も出ることになっていると言えるだろう。

 私は
、「沖縄の海で『イルカが来ることがありえない』と断言できるような場所などあるのか」と不思議に思う限りであるが、まあ、当時、少なくとも、めったに見られなかった場所であることは確かではないかと思う。

 ただ最近ではそうでもないようで、例えば、次のHPでは、
青の洞窟ファオンダイビング (※HP「アズワンダイビング沖縄」より) 
沖縄の北部・恩納村真栄田岬に存在する青い空間、その名も青の洞窟。自然の力で作られた洞窟に自然の光が差し込む時その洞窟は青の洞窟と化します。

青の洞窟に行くまでにはたくさんの南国のお魚たちが出迎えてくれます。その数にはエントリーした瞬間に息をのむでしょう。マクロ生物も沢山いますので、初心者〜上級者まで楽しめることができます。
沖の方に行くとウミガメやナポレオン、マンタが出たこともあります。時期によってはイルカやクジラまで見れることもあります。
「沖の方に行くと」ではあるが、「マンタが出たことも」あり、「時期によってはイルカやクジラまで見れることも」あると記載されている。

 なお、ウェブキャッシュを確認してみると、昔はこのような記載は無く、追加されたのは
2015年8月頃のようである。(※ウェブキャッシュ「青の洞窟ファンダイビング」2015.8.13)

 また、次のような記載のあるブログもある。
1月29日真栄田岬でイルカ〜 (※ブログ「沖縄・恩納村のダイビング・青の洞窟体験ダイビング・スノーケルご紹介」より) 2015-01-29
そしてここ最近真栄田岬イルカが結構見れてますね〜


(管理人注):真栄田岬は、青の洞窟のある岬
 よって、少なくとも最近は普通にイルカが見られるようであり、越智啓子様がイルカを見た場所は、イルカが現れることが「ありえない」場所ではないと言えるだろう。

 最後に、イルカは、越智啓子様が「イルカやマンタを呼んで・・・」と思った後、すぐにイルカの気配がし」て現れた。

 つまり、
イルカは越智啓子様が思う前に既に船の近くまで来ていたことになる。そうでなければ、イルカが
すぐに現れることが不可能だからだ(注)。

 結局、思う前に既にイルカが近くまで来ていたのなら、インストラクターの言う
「ありえない」場所にイルカを呼び寄せたのは越智啓子様の思いではないことになる。贔屓目に見ても、せいぜい「近くで泳いでいるイルカを引き寄せた」程度にしか過ぎないのである。
(注)
 もしかしたら、越智啓子様なら、「イルカはもともと近くを泳いでいたわけではない。遠くのイルカをワープさせて引き寄せたんだ!アセンションしたんだから、それくらい出来るんだ!」ぐらいに考えているかもしれない。

 もし、そう考えるなら、船の甲板の上などに突然、引き寄せてみせて、実証するべきだろう。まあ、出来るわけないが。

 以上、
思ったことの内、マンタは出現しないという中途半端さ、かつ、起きた事象のレア度も大して高くはない。甘めに見積もっても、せいぜい、近くを泳いでいたイルカを引き寄せただけの話である。

 これが、アセンションした人間が行った「引き寄せの法則」
の効果だと主張するには、はなはだ心もとない事例だと言わざるを得ないだろう。

 
結局のところ、越智啓子様に起きた事象は、
イルカが頻繁に現れる場所ではないところを航行中、ふと「イルカが現れたら面白いのになぁ」と思ったら、本当にイルカが現れた。
と言う、頻繁に起きるわけではないが奇跡でもない、どこかで聞いたことのあるような、ありがちな事が起きたに過ぎない

 似た事例で言えば、次のようなものと同じである。
ふと、○○のことを思ったら、○○から電話が掛かって来た、もしくは、街で会った。
 よく聞く話であり、この程度の事象であれば、少なくない人が経験したことがあるはずである。

 そして、人はこのような体験をすると
「何か特別なことが起きた!」と勘違いし、事前の「思い」と事後の「出来事」に因果関係があるかのように考えてしまいがちである。

 特に「引き寄せの法則」論者の場合は、このような事象が起きると、
「思いがそのような結果を引き寄せたんだ!」と主張することになる。

 しかし、実際は、そのような事象の裏には圧倒的多数の
ふと、○○のことを思っても、○○から電話が掛かって来なかったし、街でも会わなかった。
という出来事があることは、自分の経験を振り返ってみれば明白であろう。

 結局、先述のような出来事は確率的には別に特別なものではなく、十二分にありえる話なのである。

<参考> 知人の夢を見たその日に、その人が亡くなる確率。

 似たようなケースで、
「知人の夢を見たその日に、その人が亡くなる確率」というものがノーベル賞受賞の物理学者であるルイス・アルパレスによって計算されている。

 その確率は
10万分の3だそうである。

 一見、非常にレアな出来事のように思えるが、日本の人口を1億2千万人として計算すると、
毎年3千件以上、このような事象が起きていることになる。

 実際に計算してみれば、実は大したことのない事象であることが分かるであろう。(※詳細は下記参考書籍を参照)


※参考書籍 : 『超常現象をなぜ信じるのか』(菊池聡/講談社/1998.9) P.159-161




 続いて(その5)でも、結局は似た事例になるのだが、越智啓子が起こせると主張する他の奇跡を見てみよう。



2016.09.13 新規

    精神世界
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「イルカを突然、空中から出現させる」ぐらい出来るようになってから、「思いで引き寄せて現実化することができる」と主張してくれヨ。