「東日本大震災を予言していた」にツッコミ!(その1) ・・・ ロン・バード様

 以下の記事で引用したニュース記事でも、ロン・バード様が、2011年3月11日に発生した東日本大震災を予言していたと記載されていたのだが、実際、大震災発生直後にそのことがニュース記事になっていた。
○記事「『2、3ヵ月後に日本に自然災害が発生する』にツッコミ!(その1)

 まずは、該当の「WEEKLY WORLD NEWS」のニュース記事を見てみよう。
HP「WEEKLY WORLD NEWS」 → 「スクープ!ロン・バードは東北地方太平洋沖地震を知っていた!?」より
スクープ!ロン・バードは東北地方太平洋沖地震を知っていた!?

UPDATE 2011/03/22

日本・東京

 
3月8日、世界最強の超能力者といわれるロン・バード氏が、忙しいスケジュールの中、アメリカから急遽来日した。どうしても今この時期に日本の人々に伝えたいことがあるのだという!?

 〜中略〜

 最後に、なぜこの時期に来日したのか理由を教えて欲しいのと、日本の読者にメッセージがあればぜひ!
「OK!今回の来日は、僕がどうしても今日本に行きたいと、親友であるウィークリーワールドニュースのエド・源太に頼んでセットしてもらったんだ。というのも、
現在日本は大きな転換期に来ている様に感じたからなんだ。残念だが、その転換期の前に、日本の人々には非常に大きな障害が起こるように感じる。それを伝えたかったんだよ。ただ、その困難の先には次の時代をリードするたくましい日本の姿が見えるんだ。今日本では、ネットの中に逃げ込んでいるゾンビの様な若者も多いと聞く。でも今こそ君たちの力が必要なんだ。それを信じて頑張って欲しい。それが僕の伝えたかったメッセージで日本に来た理由だよ」
 ロンは笑って、そう答えてくれた。
 この言葉を聞いたとき、
記者はロンの言葉は単なる低迷する日本経済と、増殖する無気力な草食男子に対するエールだと思った

 〜中略〜

 
このインタビューの芸能を含むロングバージョンは現在発売の週刊プレイボーイ4月2日号に「全米最強のサイキッカー ロン・バードの大予言」として掲載中だ。ロンのメッセージをもっと受け取りたい人は、ぜひ購入して欲しい。
 LIVE LOVE LAUGH がんばろう日本!

(※管理人注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様)。
上記記事と同様のことは、「週プレNEWS」の記事「全米最強超能力者ロン・バードが予言した『日本の転換期と次の時代』」にも記載されており、上記のインタビュー自体は3月10日に行われたものらしい。
 このように、ロン・バード様が予言したという内容は、「日本は大きな転換期に来ている」ということと、「その転換期の前に、日本の人々に非常に大きな障害が起こる」ということである。

 
はっきり言って、東日本大震災を予言していたとは言えない内容である。

 まず、起きる内容が「非常に大きな障害」と漠然としたもので、地震を含む自然災害も該当するし、経済や政治の危機、そして、戦争等と何でもOKである。

 しかも、その後に続く、「ネットの中に逃げ込んでいるゾンビの様な若者」「力が必要なんだ」との言葉を見れば、とてもじゃないが大震災を意識していたとは思えない。(まあ、「震災復興にそのような若者の力が必要」と解釈できなくもないが)

 そして、このロン・バードの予言を聞いた記者自身、「ロンの言葉は単なる低迷する日本経済と、増殖する無気力な草食男子に対するエールだと思った」と語っている。


 また、上記ニュース記事には、このインタビューのロングバージョンが、「週刊プレイボーイ4月2日号に『全米最強のサイキッカー ロン・バードの大予言』として掲載中」とある。

 残念ながら、該当の週刊誌は入手出来なかったのだが、書籍『検証 大震災の予言・陰謀論』には、そのインタビューの概要に触れ、かつ、ロン・バード様の東日本大震災の予言についてツッコんでいる箇所があるので見てみよう。
『検証 大震災の予言・陰謀論』 (ASIOS/文芸社/2011.11) P.202
 なおバード氏の当該の発言(※)は、政治や沢尻エリカの離婚問題などについて2ページ近く話した後、最後におまけみたいな形で出てくるものである。予言内容がもし東日本大震災のことを指していたのならば、いの一番に警告するべきではなかったか。あまりにも悠長すぎる。


※「当該の発言」とは、上述の「日本は大きな転換期に来ている」「その転換期の前に、日本の人々に非常に大きな障害が起こる」等という発言のこと。
 記載されている通りで、とても、ロン・バード様が、事前に東日本大震災のことを知っていたとは思えない内容であり、本当に分かっていたのなら、「いの一番に警告するべき」であったろうし、していただろう。


 しかし、一方で、2013年7月にはロン・バード様は、自分が東日本大震災を予言したとアピールしている。
https://twitter.com/ronniebard/status/356160888895578112
ronald bard?@ronniebard

8)皆さんがご存知のように、私は日本の311を予測しましたが、この311について、
2010年夏頃から、少しずつ、見えていました。この予測は、東京スポーツ新聞に掲載されましたが、あまり多くの人は気にかけなかったようです。ですから、今回の私のメッセージを重視してほしいのです。

2013年7月13日 - 14:19
https://twitter.com/ronniebard/status/356631314230808576
ronald bard?@ronniebard

19)多くの人は、
「東京スポーツ新聞」について批判的なコメントをしていましたが、「311が起こることを2010年に予言した事実の証拠」として認識しているのでしょうか? 私は「東京スポーツ新聞」が私の予言を信じて、記事にして下さったことに感謝しています。

2013年7月14日 - 21:28
 東日本大震災を指したと解釈できなくもないロン・バード様の予言が掲載されたのは、上述の通り、「WEEKLY WORLD NEWS」と「週刊プレイボーイ」なのだが、何故か、「東京スポーツ新聞」を持ち出して来て、そこに掲載されたと主張し出すロン・バード様。

 しかし、この事実は、以下の通り、
当の東スポさんが完全否定(笑)
https://twitter.com/tospo_news/statuses/356660260674613248
東スポWebニュース?@tospo_news
調べたところロン・バードさんの記事は2010年に掲載されましたが、311についての部分はありませんでした。オバマ大統領が1年以内に倒れるとはありましたけれど RT @utuyota: 東スポさん、 これ本当ですか? http://twitter.com/ronniebard/sta・・・

2013年7月14日 - 23:23
 さらに、ロン・バード様は上記ツイートの中で、東日本大震災のことを「2010年夏頃から、少しずつ、見えていました」と主張している。

 しかし、彼の著書を見てみると、彼が東日本大震災の直前に来日した理由について次のように述べている。
「今、いちばん大切な本です」2012年以後・・・』(矢追純一 ロン・バード/ナチュラルスピリット/2012.11) P.21-22
 1年半ぐらい前から私は再来日を望まれていたのですが、忙しすぎたせいもあって、ずっと断り続けてきたため、結局、2011年3月の来日になりました。何かが私に「そこへ行きなさい」と言ったんです。
 来日して、今回の地震に遭遇して、打ち合わせやイベントがすべてキャンセルになってしまったんですけれど、
どこか心の奥底で日本のために来たほうがいいと感じていたので、来日したんです。
 「何かが私に『そこへ行きなさい』と言った」「どこか心の奥底で日本のために来たほうがいいと感じていたので、来日した」と、非常に漠然とした理由で来日したことになっている。

 もし、ロン・バード様が本当に東日本大震災を予知できていたのなら、このような発言にはならずに、大震災のことに触れているはずであろう。

 ちなみに、上記書籍は、ロン・バード様と矢追純一氏の対談をまとめたものであり、
対談が行われたのは2011年3月19日(P.27)で、大震災発生後8日経った日のことである。

 つまり、
ロン・バード様は、東日本大震災発生直後の頃は、「大震災のことが事前に見えていた」と思っていないのである。感じ取ることが出来ていたとしても、せいぜい、上記のような、かなり漠然としたレベルなのである。


 また、同書まえがきの記載を見ると以下の通り、
2011年のはじめに、『日本に何かが起こる……」という思いに囚われ」たことになっている。
「今、いちばん大切な本です」2012年以後・・・』(矢追純一 ロン・バード/ナチュラルスピリット/2012.11) P.7
 氏は、2011年のはじめに、「日本に何かが起こる……」という思いに囚われ、3月に入るとその思いが異常に高まって、「いても立ってもいられない」と緊急に来日したという。そのロン・バード氏とのインタビューから何が飛び出すのか? 氏は驚くべきことを話だした。

(※管理人注)この文章は、矢追純一氏のもの。
 この記載によれば、2011年はじめ時点で「日本に何かが起こる」と、自然災害なのか、戦争なのか、はたまた、それ以外の何かなのか不明の漠然としたものしか感じ取れていないことになっている。

 しかし、それが、先述のツイートの通り、
2年以上経った2013年7月になると、ロン・バード様は、2010年夏頃から、少しずつ、見えていました」とか、「311が起こることを2010年に予言した」などと主張し出すのである。

 情報を自分の都合の良い方へと変更するロン・バード様。。。

 さらに、ロン・バード様は、以下の記事で指摘した通り、オバマ大統領は再選できないと予言しておいて、それが外れると、「予言ではなく」「米国の選挙についての説明をしただけ」だったとヒドイ言い訳をしたりもする。
○記事「『2、3ヵ月後に日本に自然災害が発生する』にツッコミ!(その2)
 とてもじゃないが、予言者として以前に、人として信用できそうもない。




 ちなみに、上記著書には、東日本大震災を含めた震災が発生する原因について、ロン・バード様の素敵な説が披露されているので、続いて、(その2)で見て行きたい。




<参考>

 記事で引用したロン・バード様の著書の中には、矢追純一の言葉であるが、以下の通り、ロン・バード様が「週刊プレイボーイ」のインタビューで明確に東日本大震災のことを予言していたとする記述がある。
「今、いちばん大切な本です」2012年以後・・・』(矢追純一 ロン・バード/ナチュラルスピリット/2012.11) P.6-7
 氏の予言は的中率90%といわれ、大変な親日家としても知られている。そのロン・バード氏が2011年3月8日に突然来日。3月10日の週間プレイボーイ誌のインタビューに「日本は地震国だが、明日の地震はかなりの大きな災害になるだろう」と予言。翌3.11の東日本大震災を言い当てた
 これは、本書のまえがき部分の記載なのであるが、同様のことは、「BRIDGE USA」2011年8月号の記事にも、ロン・バード様自身の言葉としてより詳しく語られている。
HP「BRIDGE USA」 → 「世界最強の超能力者ロン・バード氏
■実は3月、緊急に日本来日をした折に、東北地震も予言していらっしゃったとのことですが、あのとき、ロンさんにはなにがみえていらっしゃったんでしょうか。

 
今年の初めに、大きな悲劇が愛する日本を襲うという事を感じ取りました。その予感は始めは曖昧でした。でも、2011年3月に入ってからは、日本の人々にとにかく早く伝えなければと強く思うようになり、矢も盾もたまらず、私は日本へと向かっていました。日本に着いた途端、私は例の如く、インタビューやサイッキックリーディングに追われました。プレイボーイマガジンでの取材に応じていた時、私の霊視ビジョンがはっきりとしてきました。記者は日本について何か大事な予言はないかと言いました。私は「日本が地震国である事は既に承知だが、明日の地震はかなりの災害になる」と、そして、翌日の2011年3月11日、日本は史上最大の地震と向き合う事になったのです。
 ロン・バード様は、週刊プレイボーイの取材の際、記者から「日本について何か大事な予言はないか」と聞かれ、「日本が地震国である事は既に承知だが、明日の地震はかなりの災害になる」と答えたらしい。

 これが本当なら、
「東日本大震災を予言していた!」と主張していいものだと思う。

 しかし、そこまではっきりと明言したにも関わらず、当該インタビューと東日本大震災の関連について書かれた以下のニュース記事では、そんなことは一切記載されていない。

○「スクープ!ロン・バードは東北地方太平洋沖地震を知っていた!?」(WEEKLY WORLD NEWS)

○「
全米最強超能力者ロン・バードが予言した『日本の転換期と次の時代』」(週プレNEWS)
 もし、本当にそのような発言があったのなら、当然、記載するはずであり、ロン・バード様のこの主張は信頼できるとは思えない


 ちなみに、上記「BRIDGE USA」
2011年8月号の記事でも、

  「今年の初め(※2011年)に、大きな悲劇が愛する日本を襲うという事を感じ取りました」

となっており、やはり、2013年7月のツイートの、2010年夏頃から、少しずつ、見えていました」とか、「311が起こることを2010年に予言した」などという
主張とは異なっている。




2013.08.06新規

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ニセモノってのは、時系列にその発言を並べてみると、ボロが出るモンだゾ。