「サイキック小林世征の心霊写真館」にツッコミ!(その1)

 10代後半に霊能力に目覚め、現在、除霊、透視、特異気功などを行って多くの人々の相談に応じているらしい小林世征様。

 これまでも数多くのTV番組に出演し、また、『学研ムー』の「あなたの怪奇ミステリー体験」というページでも心霊現象を鑑定しているので、オカルト好きの人にとっては御馴染であろう(多分)。


 その小林世征様は、同じく『学研ムー』の2009年12月号で心霊写真の鑑定を行っているのだが、以下では、その内容を見て行きたい。




 「サイキック小林世征の心霊写真館」と題されたそのページにて、小林世征様は2枚の心霊写真の鑑定を行っている。

 まず、1枚目は次のものである。
『学研ムー 2009年12月号』 P.16


 一番上の写真は、キャプションにあるように福島県二本松市にある智恵子記念館の写真である。よく見れば、開いたドアの右の部分にオレンジ色の何かが写っている。(※智恵子は高村光太郎の妻。『智恵子抄』の智恵子である)

 そして、そのオレンジ色の部分を拡大したのが右下の写真である。


 
あまりに鮮明すぎて全く心霊写真っぽくないのであるが、結論から言おう。

 大方の予想通り、
心霊写真なんかではない

 では、何かと言えば、以下の2つの可能性が考えられる。
<可能性1>合成写真

 次の写真は、一番左が上記心霊写真。真ん中がその元となった智恵子の写真。そして、一番右が元となった写真のコントラストを強くした上で、ガラス戸の部分を合成したものである。
 もはや、説明は不要であろう。

 こうやって元の写真を見つけ出してしまえば、合成写真でしかありえないとも思えるが、もう一つの可能性についても記載しておきたい。


<可能性2>展示されているポートレートが写っただけ

 (その2)で引用する予定の本文には、「記念館の内部には、智恵子のポートレートが飾られているが、入り口からは見えない位置だ」とあり、ポートレートが写り込んだ可能性を否定している。

 しかし、
実際は、入り口から見える位置にポートレートは飾られていることが(※少なくとも2012年4月以降は)、ブログ「Snow White, Rose Red」さんの次の記事に掲載されている写真から分かる。

  ○「2012年4月21日 (土) 福島観桜の旅 1日目

 こちらのブログで掲載されている智恵子記念館の写真は、偽心霊写真と似た角度で撮られている。

 そして、ブログ上で見ただけでは分からないが、ダウンロードして拡大すると偽心霊写真と同じ位置に着物姿の智恵子のポートレートが写り込んでいる。(下記画像の左側)

  
  ※左の写真はコントラストと明度を上げて、多少見やすくした

 これは、記念館の入り口をまっすぐに進んだ奥の壁に飾られているポートレートが写り込んだものであり、実際に飾られている写真は上記画像の右側のものである。

 なお、該当のポートレートが写った、より鮮明な入り口近くの様子は、次のブログにて掲載されているのでそちらで確認して欲しい。

  ○「2012年 10月 30日」 (ブログ「古寺54番地」さん)


 また、上記写真は2012年4月頃のものだが、次のHPに掲載されている智恵子記念館内部の写真を見ると、件の元写真が飾られている上に色合いもオレンジで偽心霊写真のものに近いことが分かる。

  ○「智恵子の生家・智恵子記念館」 (HP「二本松市観光ガイド」)

 二本松市観光ガイドに掲載されている写真が、2009年当時の入り口すぐの展示室を撮ったものならば、偽心霊写真は単に
「展示されているポートレートが写り込んだだけ」ということになる。

(※「二本松市観光ガイド」に掲載されている写真と「古寺54番地」さんの写真と比べると、入り口すぐの展示室っぽいのだが100%の確証はない)

 私自身は次の2つの理由で、合成写真である可能性が高いのではないかと思っている。

   ○奥の壁に飾られているにしては鮮明過ぎる
   ○周りと比べて顔の部分のみが明る過ぎる


 まあ、どちらにしても心霊写真でないことは確かである。




 以上、心霊写真ではないことが分かったところで、(その2)では、本文の方にどのような説明や鑑定がなされているのかを見て行きたい。



2015.07.21 新規

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