「サイキック小林世征の心霊写真館」にツッコミ!(その2)
※当記事は(その1)からの続き


 下記左側の偽心霊写真について、本文の方ではどのように記載されているのかを当記事では見て行きたい。

 まずは、この偽心霊写真の由来である。
『学研ムー 2009年12月号』 P.16
■生前の智恵子と瓜ふたつの写真が写った

 まずは、福島県二本松市にある「智恵子記念館」で偶然に撮影された、不思議な写真の鑑定をお願いした。
 ガラスのドアのところをよく見てほしい。着物を着た女性の胸から上が、鮮明に写っている。
 
この写真を送ってくれたのは、写真通信社に勤務しているT氏。さまざまな写真家からデータを預かり、順次ウェブサイトにアップしていくのだが、たまたま不思議な感じがするこの写真を発見し、データの状態がよくなかったので、オリジナルのフィルムを写真家から取りよせたという。
 
撮影した写真家は、日本写真家協会のメンバーであるW氏。プロとしての活動歴は長く、このときも撮影時に人がいないことをよくよく確認してからシャッターを切ったという。また、記念館の内部には、智恵子のポートレートが飾られているが、入り口からは見えない位置だ


※管理人注:文字に色を付けたのは管理人
 どうやら、この写真の提供者は写真通信社に勤めるT氏で、実際に撮ったのは、プロとして活動歴の長い写真家のW氏。
 T氏はW氏から預かったデータを見て、該当写真に気づいたようである。

 
さて、いったいどこまでが本当で、どこからがウソなのだろうか??

 ちなみに、この文章には記載されていないが、T氏が勤めている写真通信社は「データクラフト」のようである。

 何故分かるかと言えば、(その1)で引用した写真のキャプションには、「(写真=データクラフト)」と記載されているからである。(※データクラフトのHPはこちら

 そして、
本来なら、このような写真はボツとして廃棄されるように思える。しかも、会社としてではなくT氏が個人としてムーに送って来たようだが、それでも、使用する際には会社名を明記しなければならないものなのだろうか?

 また、(その1)で引用した写真の左下には、「謎の女性と、智恵子の顔の輪郭、口もと、鼻がよく似ている」と記載され、智恵子の写真が掲載されている。

 「謎の女性」が智恵子本人であることを確認する為、そして、参考として写真を掲載する為に、この文章を書いたムーの中の人は智恵子の写真を探したはずである。


 そして、読者に「顔の輪郭、口もと、鼻がよく似ている」と分かってもらう為に、最も相応しい写真を複数から選んだことだろう。

 その際、合成に使用された元の写真に気づかずにいられるものだろうか?(※ここでは、とりあえず合成写真としておく)

 合成に使用された写真は画像検索すると分かる通り、かなりメジャーなものである。


 疑問は尽きないが、推測の域を出ないのでこれくらいにして、いよいよ、
サイキック小林世征様の鑑定を見てみよう。
『学研ムー 2009年12月号』 P.16-17 (※(その1)の引用からの続き)
 小林氏の鑑定はいかに?
 「
本物ですね。今までいろいろな心霊写真を見てきましたが、こんなに鮮明に写っているものは、はじめてです」

 どうやら、「本物」らしい(笑)

 これを「本物」と鑑定しちゃう小林世征様は偽物ですネ!
『学研ムー 2009年12月号』 P.17 (※上記からの続き)
 さらに小林氏は、写真に写っているのは智恵子その人ではないかという。
 そりゃ、まあ、「智恵子その人」の写真ですからねぇ。。。
『学研ムー 2009年12月号』 P.17
 「智恵子さんは、もしかしたら自分の死に気づいていないのかもしれません。この記念館を、自分の家だと思っている可能性もあります」
 そんな可能性はないと思いますヨ!


 そして、、、
『学研ムー 2009年12月号』 P.17 (※上記からの続き)
 調べてみると、智恵子記念館は、智恵子の生家の裏庭に建てられたものであることがわかった。まさに、自分の家なのである。
 ここでもう一度、写真を見てほしい。参考のために智恵子・光太郎夫婦の写真を掲載したが、
謎の女性のあごの線などは、生前の智恵子にそっくりだ
 「智恵子記念館は、智恵子の生家の裏庭に建てられたもの」とか、「謎の女性のあごの線などは、生前の智恵子にそっくりだ」等と、それっぽく、小林世征様の鑑定結果を裏付けようとするムーの中の人(笑)




 続いて(その3)では、2枚目の心霊写真について見て行きたい。



2015.07.28 新規

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合成っぽいっと思ったら、迷わず、「心霊写真じゃない」と鑑定しといた方が身の為だゾ。