『2012年目覚めよ地球人』にツッコミ!(その2)

 ※当記事は(その1)からの続き




 (その1)でも触れたように、坂本様によると、2012年に向けて「生命エネルギー」が地球に流れ込んでいるそうだが、具体的に2012年にどういうことが起きるのかを見てみよう。

 ちなみに、「生命エネルギー」とは、「この宇宙のあらゆるものの元になるエネルギー」で、「生命を生命たらしめるエネルギー」らしく(P.37-38)、また、生命エネルギーにはいろいろな成分があって、「無条件の愛」「創造性」「宇宙の真理についての知恵」「純粋な喜び」「ウィットとかユーモア」などがあるらしい(P.38-39)。

  なんか、もう、エネルギーでもなんでもない。どうやら、プラス・イメージの色々な概念・要素がゴチャマゼになったもののようである。

 さて、2012年に何が起こるかである。
<P.28>
(1)2012年に向けて大量の生命エネルギーが銀河系コアから地球生命系に流れ込みます。流れ込む量は今後どんどん増えていきます。

(2)
生命エネルギーは人の意識を開き、輪廻の原因となるすべての因子を除くため、人は輪廻から解き放たれ、地球生命系から卒業することができます。
 「生命エネルギー」が流れ込むことで、「人は輪廻から解き放たれ」るらしい。

 似たようなことは他のニューエイジ系の教祖様も言っているが、よく聞くのは太陽系がフォトンベルトという光子の帯の中に入るからと言うもの。
 坂本様のこれらの主張は、フォトンベルトが生命エネルギーに変わっただけで根幹部分は同じものである。


 また、いくら「生命エネルギー」が流れ込むと言っても、何もしなくても解脱できるワケではないらしい。
<P.28-29>
(3)ただし、このプロセスは何もしないでぼーっとしていても起こらないと思われます。人によっては逆に精神の不安定化が起こる可能性があります。生命エネルギーを積極的に活用して卒業させる方法を開発し、それを実行することが必要ですピラミッドを活用する方法はそのための最善の方法です。ヘミシンクを使う方法も優れた方法です。
(4)死後世界のフォーカス27という輪廻の中継点では、このエネルギーを利用して卒業させる施設が稼働中で、卒業の選択をした死者たちが続々と卒業しています。
(5)問題は今生きている人たちです。彼らを卒業または卒業の前段階まで到達させるための方法を早急に開発し、実施に移すことが必要です。

 「生命エネルギーを積極的に活用して卒業させる方法を開発」する必要があるらしい。

 つうことは、まだ、その方法は開発されていないと言うことなのだが、一方で、「ピラミッドを活用する方法はそのための最善の方法」とか、「ヘミシンクを使う方法も優れた方法」とも。

 「最善の方法」「優れた方法」がもう既にあるのなら、新たに開発する必要なんか無いと思われる。まあ、さらに、改良・改善を加えていくと言うことか。

 ちなみに、本書には、「生命エネルギー」を取り込むための方法、より具体的には、ヘミシンク聴きながらエクササイズする方法が記載されている(P.134-154)。

 これは、エクササイズというより特定の呼吸方法とイメージでの瞑想と言ったもので、これを実施することにより、次のように「生命エネルギー」を取り込んで輪廻の原因を消しさるようだ。
<P.126>
マス はい。そうなんです。生命エネルギーにはそういう絶大なる力、効果があるんです。この過程は次の2段階のステップで進みます。
まず、第1段階。
生命エネルギーには人の知覚能力を高める作用があります。そのため、心に生命エネルギーを受け入れると、まず心の中にある輪廻の原因となっているさまざまな因子が明らかに見える状態になります。
次に第2段階。
輪廻の原因となった因子が生命エネルギーによって昇華され、原因とはならなくなり、輪廻から卒業します。
 エクササイズをするだけで輪廻の原因を消し去ることができるとは、えらくまあ、簡単で楽な話である。

 なお、ヘミシンクについては、本書では次のように説明されている。
<P.33-34>
 ヘミシンクは米国のロバート・モンロー(1915〜1995)という人によって開発された技術です。ステレオヘッドフォンを用いて右耳と左耳に若干異なる周波数の音を聴かすと、その周波数の差に相当する脳波が誘発されるという原理に基づいています。
周波数差を適切に選ぶことで、人の意識を変性意識と呼ばれる覚醒とは異なる状態へと誘導することができます。その状態で、対外離脱や過去世体験、死後世界探索、知的生命体との交信、宇宙探索などが可能となります。
 どうやら、ヘッドフォンで音を聴くものらしい。

 ちなみに、坂本様もこのヘミシンクを使って「宇宙の高度な知的生命体」とコンタクトし、当記事で記載したような情報を得たそうだ。


 さて、話を戻して、輪廻からの卒業は、別に生きている内に絶対しなければならないものでもないらしい。
<P.29>
(4)死後世界のフォーカス27という輪廻の中継点では、このエネルギーを利用して卒業させる施設が稼働中で、卒業の選択をした死者たちが続々と卒業しています。
(5)問題は今生きている人たちです。彼らを卒業または卒業の前段階まで到達させるための方法を早急に開発し、実施に移すことが必要です。
 死んでから卒業できるのなら、「あわてて生きている内に卒業させる必要ないじゃん」と思うのだが、この疑問については、次のような理由があるらしい。
<P.29>
(6)人類が2009年中にこの方法を実用化することが期待されています。それができない場合は、次善の策として、死後世界のフォーカス27経由で卒業させるという手段が講じられます。具体的には2010年から隕石落下に始まる一大天変地異が起こります。ただし、この策がとられると大勢の人たちが死後世界のフォーカス23から26までに囚われてしまう可能性があり、その人たちを卒業させるのにさらに労力がかかるという難点があります
(7)
地球生命系自体も変化します。これまでのような物質界と非物質界が明確に分けられていることはなくなります。両者の境界はあいまいになります。死後世界も一掃されます
 どうやら、死後に卒業させるのは次善の策で、労力のかかることらしい。

 また、卒業させる方法が開発・実用化できなければ、2010年から天変地異を起こして大勢の人を殺してしまうらしい。

 そもそも、人はどうせ死ぬのに、どうして天変地異まで起こして、急いで殺す必要があるのだろうか?

 仮に2012年に地球が物質界から非物質界に移るとしても、2012年に全て終了するよう、「前もって、死んだ人を転世させないで、あの世で待機させておく」、なんてことは出来なかったのだろうか。

 つうか、坂本様がコンタクトしている「宇宙の高次の知的生命体」とやらが、卒業させる方法を教えてくれればそれで済む話なのにねぇ。。。


 あまり納得の行く説明ではないが、先に進もう。
<P.29-30>
(8)卒業するか輪廻するかの選択は各自に任されています。輪廻を選択する人もいるので、人類は2つに分かれることになります。ただし、地球が輪廻をサポートできないようになるので、輪廻を選択する人は別の生命系へ移る可能性が高いと考えられます
 輪廻するか否かは自由意思で、輪廻する場合は、「別の生命系に移る可能性が高い」らしい。別の星に移って輪廻を繰り返すと言うことだろうか。

<P.30>
(9)我々はみな実は別のところから地球生命系に来て、その後ずっと輪廻していました。そのことをすっかり忘れています。人類は起源によって3つの集団に分かれます。プレアデス星団からきた集団、オリオン座三つ星からきた集団、別の宇宙からシリウス経由できた集団です。地球生命系から卒業すると、それぞれが元いたところへ帰還します。さらには、すべての源へ帰還します。その際、ここでの膨大な体験をお土産として持って帰ります
 坂本様によると、人類はプレアデス星団などから来た三つの集団に分かれるらしい。

 また、輪廻から卒業すると元いた所に帰って行くらしく、「その際、ここでの膨大な体験」がお土産となるらしい。

 この体験については、坂本様は別の箇所で次のように述べている。
<P.245-246>
 だから卒業とは、善人だから卒業できるとか、悪人だから卒業できないとか、そういうものではないのです。

 
善も悪もすべての体験が貴重な体験です。地球生命系でしかできなかった体験なのです。
 我々はみなここへ体験をするためにやってきました。ありとあらゆることを幅広く体験するためです。
 
フォーカス35の視点から見ると、善も悪もありません。善悪というのは、あくまでも地球上の人間社会の中で作られたものです
 善と悪というのは、「地球上の人間社会の中で作られたもの」で、卒業に関しては善も悪も関係なく、どちらの体験も貴重なものらしい。

 ちなみに、坂本様は、輪廻から卒業した後、どのような状態になるのか次のように述べている。
<P.126>
マス 光の存在になり、すべての行ないが無条件の愛(慈悲)の心からの行ないになるということです。
 これって、「無条件の愛(慈悲)」「善」であることが前提の話じゃないんですかねぇ。。。 善悪、あるんじゃないですか??




 以上、まとめると、2012年に「生命エネルギー」が流れ込み、それによって卒業(輪廻から解脱)できるが、何もしなくてもいいわけではない。

 卒業するには、坂本様が推奨するヘミシンクやらピラミッドの方法を使用する。ただし、その方法を実践しなくても死んだ後で何とかなり、結局、卒業するか否かは本人の意思次第。

 また、経験は善悪に関係なく貴重なもので、この世でどんな生き方をしようが卒業には関係ない。


 なんかえらく簡単&楽な卒業で、こんなもので「卒業」と言えるのかどうか疑問だが、単位や成績に関係なく卒業できる義務教育のようなものか。

 いろいろな新興宗教の教えを見て来た経験から言うと、この坂本様の教えも、

    
「人々を考えなくする、もしくは、成長しなくする教え」

の1つであると言える。(坂本様自身はおそらく、そのような認識は無いだろうが)

 経験はすべからく貴重なのだから、仮に問題が起きても解決しようと考える必要もないし、2012年に卒業できるのだから、それまで我慢するか、逃げ続ければいい。(もちろん、解決しようとするのも本人の自由)

 もし、自分に悪い因果がある場合は、その因果を取り除こうと自分の心を見詰めたり、考えたりする必要はなく、坂本様が推奨するエクササイズをすれば良い。

 また、良い行いをしたり、善人になる必要もないのだから、2012年までの間、好き勝手なことをすればいい。仮に、強盗や殺人をしようが、2012年まで捕まらずに逃げ切れば勝ちである。きっと、それも貴重な経験として良いお土産になることだろう。善悪なんて所詮、「地球上の人間社会の中で作られたもの」に過ぎないのだから。

 そして、もし、早めに卒業したいのなら、坂本式エクササイズをすれば良いだけ。(ただし、CDを買うお金やセミナーを受けるお金はかかる)


 
まあ、何と言うか、楽勝の輪廻からの解脱ですネ、坂本様!

 御釈迦様も苦労して解脱せずに、2012年まで輪廻の輪に捕らわれたまま、好き放題、遊んどけば良かったのに。



 ちなみに、他の新興宗教にあって、坂本様の教えには無いもの(もしくは、アピールが弱いもの)は
「現世利益」である。

 坂本様の教えは、2012年の卒業に焦点を絞っている為、2012年に何も起きなければ大ダメージを受けて、あとは消え去るか、大幅縮小するしかない。

 よって、坂本様の推奨するエクササイズで「生命エネルギー」を取り込むことにより、
 輪廻の悪い因果を昇華できるので、後に残るのは良い因果のみ。人生は好転し、悪いことは起こらなくなる。
という現世利益をメインにした教義の方が、より多くの信者を集めることができ、また、長続きする団体にすることができるだろう。
 そして、良いことが起きた信者には、

   
「坂本式エクササイズをして、悪い因果を消化したからだ」

と言い、一方、悪いことが起きた信者には、

   
「坂本式エクササイズが十分に行えていなくて、悪い因果を消化しきれていないからだ」

と言っておけば良いだけである。

 さらに、これプラス、このエクササイズで、
 対外離脱や過去世体験、死後世界探索、知的生命体との交信、宇宙探索などが可能となる。
と言っとけば、このようなことが好きな人が集まってくることだろう。


 ここらへんが、坂本様の商売のヘタさと言ったところか。

 まあ、坂本様自身は、自分がコンタクトしている「宇宙の高次の知的生命体」とやらの言うことを真に受けているだけであって、商売しているつもりは無いのであろうが。



2011.6.24新規

『目覚めよ地球人』って題名にあるが、目覚めて、ウチのセミナーを受けに来なさいってことカ?