『ベールを脱いだ日本古代史』にツッコミ!(その1) |
書 名 |
ベールを脱いだ日本古代史 |
著 者 |
坂本政道 |
出版社 |
ハート出版 |
価 格 |
1800円(税別) |
出版年月 |
2012年6月 |
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●本書概要 |
<本書帯より>
古事記誕生から1300年の現代、神話の裏に隠された驚愕の「真実」が明らかになった。
ヘミシンクによる高次意識との交信によって、日本の建国にかかわる神々の苦悩と、今日までつづく「儀式」の謎を解く。 |
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●ツッコミ |
ついに、日本古代史にまで手を出し始めた坂本様。
果たして、どのような「驚愕の『真実』」が本書で明らかにされているのか非常に楽しみなところである。
まずは、坂本氏がこのような古代史の本を執筆することになった経緯について書かれているので、それを見てみよう。
<P.2>
はじめに
ひょんなことから日本の古代史に秘められた謎を解き明かす本を書くことになってしまった。
私自身は精神世界や未知の領域の研究ということを専門としているので、子供のときから歴史全般について興味を持ってはいたが、門外漢があえて入り込む余地も必要もないと思っていた。ところが、ある女性との不思議な出会いから、古代史について、間違って伝えられた部分を明らかにする必要が出てきてしまった。特に縄文末期から弥生時代、さらに邪馬台国を経てヤマト王権が確立されていく時代についての歴史である。
それは以下に挙げることがわかってきたからだ。
〜(後略)〜
(※管理人注)青字にしたのは管理人(以下同様)。
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どうやら、「古代史について、間違って伝えられた部分を明らかにする必要が出てき」たらしい。
えらい自信やな。坂本様は、自分にはそれが出来ると考えているようだ。
そして、どのような手段によって、「間違って伝えられた部分を明らかにする」かというと、
<P.5>
本書は、縄文末期から大和に王権が成立するまでの時代について、これまでとはまったく異なる方法で得た情報を基にして解明している。その方法とは、高次意識存在との交信である。特にトートと呼ばれる存在との交信である。
と書くと、引いてしまう人も多いと思う。
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「高次意識存在との交信」らしい。
「これまでとはまったく異なる方法」って、「神やそれに類するものに啓示を受けた」とか、「アカシックレコードを参照した」等と称してデタラメ歴史を主張する人って、今までも掃いて捨てるほどいたっつうの。
そして、
<P.5> (※上記からの続き)
ただ、これは、邪馬台国やそれ以前の時代にはごく一般的な方法だった。巫女やシャーマンが神がかりになってご神託を受け取るのである。そういう時代を推論するのであるから、その時代の方法をとってもいいのではないだろうか。
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その方法が、「邪馬台国やそれ以前の時代にはごく一般的な方法だった」ので、「そういう時代を推論するのであるから、その時代の方法をとってもいいのではないだろうか」って。
どんな、理屈やねん!(笑)
同じ論理を使えば、
中国の殷の時代は、亀の甲羅を使って占う亀卜がごく一般的だった。よって、その時代を推論するには亀卜という方法をとっていい。
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独裁者が君臨していた時代は独裁者が独善的に政治を行うのが一般的だった。よって、その時代のことは独善的に推論していい。
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などということになる。
んなワケねーだろ。 ただの屁理屈ですよ!
まあ、個人的に推論する分には、勝手にやってりゃいいけどねぇ。
<P.5> (※上記からの続き)
重要な点は、得られた情報をどう使うかだと思う。とるに足らないものとして、捨て去るか、あるいは、内容如何によっては検討の価値ありと見なすか。その辺は、読者の皆さんにお任せするしかないだろう。
ひとつの仮説として読んでいただければと思う。
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「重要な点は、得られた情報をどう使うかだと思う」って、論点のすりかえですよ、坂本様。
「その方法が有意義か否か」という論点をすっ飛ばして、「得られた情報をどう使うか」の議論ですか。
そんな詭弁を使って誤魔化してないで、まず、ソースの信頼性の検証・立証から行うべきだと思いますよ。
前提作業として本来やるべきことをやらずに、いきなり書籍にして発表するなんて横暴なことをしようとするから、こんな詭弁や、先述のような屁理屈を使って正当化しなきゃならないことになるのである。
また、坂本様は、大前提となる作業を無視した上で、「内容如何によっては検討の価値ありと見なすか。その辺は、読者の皆さんにお任せするしかないだろう」と判断を読者に丸投げ。
無責任な御方やなぁ。。。
先には、本書執筆の目的を、「古代史について、間違って伝えられた部分を明らかにする必要が出てき」たからだと言って自信満々の発言をしていたくせに、判断は読者に丸投げして責任転嫁ですか?
坂本様がやっていることをたとえるなら、次のようなことである。
自分が思いついた法則が正しいことを検証・立証することなく、その法則に従って得た結果だけを世間に発表する。
そして、「重要な点は、得られた情報をどう使うかだと思う」と開き直って、「内容如何によっては検討の価値ありと見なすか。その辺は、読者の皆さんにお任せするしかないだろう」と責任を読者に転嫁する。
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のっけから、無理な言い訳に終始していて、この先が楽しみなことである
以上、いったん、ここで切って、肝心の、坂本様が高次意識から得たという古代史へのツッコミは(その2)から始めたい。
2012.7.3新規 |