『まもなく宇宙人が到着します』にツッコミ!(その1) ・・・ 田村珠芳さま |
書 名 |
まもなく宇宙人が到着します |
著 者 |
田村珠芳 |
出版社 |
ハギジン出版 |
価 格 |
1,200円(税別) |
出版年月 |
2007年5月 |
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●本書概要等 |
本書カバーのソデ部分より
著者からのメッセージ
今年から素晴らしい世界がはじまります。もう戦争はありません。
今の銀行は終わり、無利子、無担保でお金を貸してくれる銀行だけが残ります。
今の銀行、証券、保険が終わると、新しいシステムが導入され、貧しい人はいなくなります。
空中からエネルギーを取り出す、フリーエネルギーで電力を作りだす
技術を宇宙人がくれますから、電力会社もガス会社もいらなくなります。
無料で一年中光の中で暮らすことができます。
宇宙人は、エイズや鳥インフルエンザも治せる薬をもっています。
さらに若さを保つ方法も知っているのです。人は長命になり年をとらなくなるそうです。
病人はいなくなると言ってました。
一年前、私宛に届いたメールに書いてあったことが、今起こりはじめています。
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●詳細&ツッコミ |
田村珠芳さまも、フォトンベルト(*)というガセネタを真に受け、2012年にアセンション(次元上昇)が起きると主張していた自称霊能力者の一人。
「超能力による読取り(サイキックリーディング)に、驚異の的中率を誇る」らしい田村珠芳さまが、2007年に発売された本書で、どのような予言をしていたのかを見て行きたい。
本書には、田村珠芳さまがリーディングによって情報を得た、アセンション(次元上昇)の予定表が掲載されているので見てみよう。
まずは、第一段階(1987年→1997年)である。
<P.40>
リーディング@ 人間意識の次元上昇による予定表
<第一段階> 1987年→1997年
宇宙エネルギーが降り注ぐ量は、次第に速度をましており、生活面での変化が加速しています。世の中の動きがますます早くなり、思いめぐらすことや、核心に迫ることが生活面と同じような速さで現実化します。
(注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様) |
こちらは、1997年までの話なので過去のことである。なんとなく言いたいことは分かるが、所々、日本語がおかしい。
「宇宙エネルギーが降り注ぐ量は、次第に速度をましており」とあるが、量が速度をましているのか?まあ、「降り注ぐ量が加速度的に増えている」と言いたいのだろう。
また、「思いめぐらすこと」が「現実化します」というのは分かるが(※あくまで日本語として)、「核心に迫ることが」「現実化します」というのは、何を言いたいのだろうか? 「(例えば、人類の秘密に関するような)核心に迫ることが、どんどん明らかになって行く」ということを言いたいのだろうか??
そして、この内容全体で言えば、1987年から1997年にかけて、「生活面での変化が加速」し、「世の中の動きがますます早くな」ったというのは分かる(ただし、宇宙エネルギーの降り注ぐ量とは関係なく、科学技術の発展によってであるが)。
しかし、「思いめぐらすこと」が「生活面と同じような速さで現実化し」たと言うのは、何を根拠に言っているのだろうか。私には、そのようなことがあった記憶はないのだが。
続いて、第二段階(1997年→2007年)である。
<P.40-41> (※上記からの続き)
<第二段階> 1997年→2007年
宇宙エネルギーが第一段階から、さらに毎年100倍の割合でふえ、あらゆる体験が激しさをましていきます。感性豊かな人々は、思うことが迅速に自分の中で現実化します。すべての人が並はずれた体験に目覚めていきます。
世界の舞台で騒々しい出来事が急増し、人々は感性の秀でた人と、そうでない人に二極化していきます。 |
どうやら、「宇宙エネルギーが第一段階から、さらに毎年100倍の割合でふえ」ていたらしい。すごいなぁ(棒読み)。
また、「感性豊かな人々は、思うことが迅速に自分の中で現実化します」とあるが、「思うことが」「自分の中で現実化」って何を言っているのだろうか?
「自分の中」での話なら、現実化していない、ただの妄想じゃなかろうか・・・
さらに、「すべての人が並はずれた体験に目覚めていきます」とある。いったい、いつ、すべての人が目覚めたのだろうか??
本書の発売が2007年なので、ここまでが過去〜現在の話であり、既に起こった事実が記載されているだけのはずなのであるが、もう既にかなり怪しい(笑)
そして、次からが、いよいよ未来の話である。
<P.41> (※上記からの続き)
<第三段階> 2007年→2012年(人類の意識の次元上昇)
さらに毎年十万倍の割合で宇宙エネルギーは速度をまし、基本的にすべての人を次元上昇させて、高次元の宇宙レベルに上らせます。
この最後の数年間に、隠れていた真実(宇宙情報、地球情報、人類の支配構造、政治、経済、文化、文明など)がすべて現れます。あなた方がどう反応するか、予想することができません。
人類はこのままでは、意識のガンを抱えたままで、死の縁に近づいていくことになります。あなた方が今行うこと、選ぶものが、この先体験するコースを決めるでしょう。
急速に変わりくる流れを分かちあうために、多次元から異星人がやってきています。
人類は彼らの力を借りなければ、意識の次元上昇はできないでしょう。 |
どうやら、2007年から2012年にかけて、「毎年十万倍の割合で宇宙エネルギーは速度をまし」ていたようだ。
珠芳さま、速度が増したんじゃなくて、地球に降り注ぐ量が増したんですよね?
そして、2012年までに、宇宙エネルギーが「基本的にすべての人を次元上昇させ」るらしい。
しかし、一方で、
「人類はこのままでは、意識のガンを抱えたままで、死の縁に近づいていくことになります」
「人類は彼ら(※異星人)の力を借りなければ、意識の次元上昇はできないでしょう」
とあり、むしろ、基本的には次元上昇できないように読める。
なんや、この人、言ってること無茶苦茶やな・・・
さて、珠芳さまも他のインチキ霊能者と同じく、2012年12月21日に地球がフォトンベルトに突入するとしていたのだが(P.83)、そのことでどのようなことが起きると主張していたのかを見てみよう。
<P.70>
「フォトンベルト」へ入ると、強力な宇宙エネルギーを浴びることになるます。
人間は覚醒し、体から発する光は増大し、光り輝く体を手に入れます。
人間ばかりか、草木も動物も、命あるものはすべて光り輝きます。
地球も発光し、地軸を移動させ、原始の姿にもどっていきます。 |
どうやら、人間や草木、動物、そして、地球までもが発光するようになるらしい(笑)
もし、これが本当なら、本書が発売された2007年時点でフォトンベルトの中に存在する惑星は、恒星でもないのに光り輝いて見えていたはずである。
少し考えれば、自分の言っていることのおかしさに気付けるはずなのにねぇ。
また、他にも2012年関連では次のようなことも。
<P.78>
地球の4倍あるといわれるニビル星が今、地球に近づきつつあります。
地球に最接近して、2012年から2014年頃には去っていきます。
それは2012年だという人もいますが、私は2014年だと思っています。
そして、また3600年経つと、地球に近づいてきます。 |
どうやら、ニビル星というのが「地球に最接近して、2012年から2014年頃には去ってい」くらしい。
これが本当なら、ニビル星は、本書が発売された2007年には、5年後に地球に最接近する位置に存在していたことになる。
「地球の4倍」もの星がそんなところにまで近づいて来ているのに、観測されないはずがなかろう。
ちなみに、2006年に惑星から降格された冥王星は、その重力が他の太陽系の惑星の公転に与える影響から1916年に存在が予想され、1930年に発見にいたった準惑星である。
月の約3分の2の大きさである冥王星ですらそうなのだから、「地球の4倍」もの星が近づいて来ていて分からないはずがなく、世間は大騒ぎになっていたはずである。 (2014.5.11 削除)
<追記 2014.5.11>
天王星の公転軌道の乱れを未知の惑星の引力が原因だと考え、その惑星の軌道を予測して位置を計算し、発見されたのが海王星。
一方、その海王星の軌道にもずれがあった為、別の未知の惑星が探索された結果、発見されたのが冥王星だった。
しかし、海王星の軌道に影響を与えるには冥王星は小さ過ぎた。実は、海王星の軌道のずれとされていたものは、海王星の質量の見積もりが正確でなかったためのものだった。
(参考)Wikipedia(冥王星)
よって、上記の訂正線を引いた箇所における、冥王星の引力が他の太陽系の惑星の公転に影響を与えているという旨の内容は誤りです。冥王星と海王星の話を混同していました。すみません。
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で、このニビル星が地球に近づいて、どういうことが起きるかと言うと、、、
<P.78> (※上記からの続き)
じつはかつて3600年前に、地球上ではノアの大洪水が起こりました。ニビル星の最接近で、今度また同じことが起こるんです。
大洪水が起こるのは、2012年の12月23日頃からだという説が有力です。
ニビル星が地球にもっとも近づいて遠去かりますが、そのときの引力の作用で、地球の地軸が変わる、ポールシフトですが、大変なことが起こるんですね。
2012年までに次元上昇できた人から、宇宙船に助けられて宇宙へ旅立って行きます。人類約70億人が旅立つのに1年はかかると思いますので、私は2014年に地軸が変わると思っています。 |
どうやら、ノアの大洪水級の大洪水と、ポールシフトが起こるらしい。
まあ、そんなことが起きるどころか、ニビル星とやらが近づいて来ることすら無かったのだが。
また、珠芳さまによると、「2012年までに次元上昇できた人から、宇宙船に助けられて宇宙へ旅立って行き」、「人類約70億人が旅立つのに1年はかかる」らしい。
つまり、珠芳さまの予言が正しければ、2014年には地球上に人類はいなくなっていたようだ(笑)
以上、説明が不要なほどの、どうしようもない内容。
本書のプロフィールによると「驚異の的中率を誇る」らしい珠芳さまだが、他にも、どんなデタラメ予言をしていたのかを(その2)で見て行きたい。
2014.05.06 新規
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