『3.11人工地震でなぜ日本は狙われたか[T]』にツッコミ!(その9) ・・・ 泉パウロ様
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)(その7)(その8)からの続き


 どうやら泉パウロ様によると、古事記の神々の系譜と旧約聖書の系譜が一致しているらしい。当記事では、具体的にどのように一致していると主張しているのかを見て行きたい。
P.194-196
 ここで家系図をご覧ください。<系図1>

 これは聖書の
アダムからノアの3人の子までと712年に書かれた日本最古の書、古事記の登場人物イザナギからオオゴトオシヲの3人の子までを対比した系図です。並び方も家族構成も同じですね
 
聖書の最初の人間アダムとエバが、古事記ではイザナギとイザナミに名前が変わっていますが、彼らの間に3人の子供が生まれたことも、その後の子孫の家系図も一致しています
 アダムから7代目の
レメクは二人の妻をめとった人類最初の一夫多妻制を導入した男ですが、古事記では二人の妻をまとめて両児(ふたご)の島と呼んでいます。
 ユダヤ人の使うヘブル語から日本語への聖書翻訳が面白いと言うか、特殊です。
 アダムから10代目のノアは大洪水を逃れて生き残った男ですが、古事記では大事忍男と呼ばれています。
ノアは120年間も耐え忍んで箱舟を作り、有事の洪水期間も船内で、やがて雨が止み大洪水の大水が全地の表から引くのをただじっと忍耐で待ち望んでいたので大事忍男と呼ばれたのでしょう。
 イメージ的には納得ですが、実はこのような聖書の変な翻訳が結果、まったく別の日本神話に成り果ててしまった原因だったのです。

  

(注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様)。
系図に(注)色付きの円を記入したのは管理人。

 ご覧の通り、泉パウロ様が掲示する系図の対比を見れば、一見、旧約聖書と古事記の系譜が一致しているかのように見える。

 しかし、
ツッコミどころ満載である。順にツッコんで行こう。

 まず、泉パウロ様は、上記系図をもとに、
並び方も家族構成も同じですね」

「聖書の最初の人間アダムとエバが、古事記ではイザナギとイザナミに名前が変わっていますが、彼らの間に3人の子供が生まれたことも、その後の子孫の家系図も一致しています
と言っている。

 「並び方も家族構成も同じ」って、そりゃ、そーでしょ。アンタがそう見えるように並べたんだから。

 そして、「3人の子供が生まれたことも」「一致しています」とも言っているが、古事記を読んだことがある人ならすぐに分かる通り、
イザナギとイザナミの子は3人ではない

 イザナギとイザナミが産んだ最初の子は、ヒルコとアワシマの2柱。その後、大八島国と呼ばれる島を8柱とその他の島を6柱産み、さらにその後、自然にまつわる神々を産んでいる。
イザナギとイザナミの子供は「3人」どころでは全くすまない。

 上記系図のイザナギとイザナミの下に連なる神々は全て両神の子供なのだから、
本来は、兄弟として、横一列に並べるべきものなのである(※本件については、後で詳述する)。

 自分が好き勝手、横に並べたり縦に並べたりして、そう見えるように配置しただけなのに、「並び方も家族構成も同じ」とか、「3人の子供が生まれたことも」「一致しています」なんて、よくもまあ平気で言えたものである。


 次に、「アダムから7代目のレメクは二人の妻をめとった人類最初の一夫多妻制を導入した男ですが、古事記では二人の妻をまとめて両児(ふたご)の島と呼んでいます」である(※上記系図で赤色の○で囲んだ部分)。

 旧約聖書についてはそれまで、子の子、その子の子・・・と男子のみの系譜を連ねて来たのに、突然、レメクの下にその二人の妻を連ねる泉パウロ様。

 しかも、その二人の妻を両児(ふたご)の島と対比させる荒技。「両妹(ふたいも)の島」とかだったら、まだそれっぽいのだけどねぇ。。。

 さらに、レメクの四人の子、ヤバル、ユバル、トバル・カイン、ナアマについては無視して、古事記の方に対応する子がいない。

 したい放題やな。


 最後に、泉パウロ様は「ノアは120年も耐え忍んで箱舟を作り」と言っているが、そのような話、私は初めて聞いた。

 
もちろん、旧約聖書にそのような記述はない。ただ、次の旧約聖書の内容から、ある程度、箱舟の制作期間を絞ることは可能である。
@ノアが500歳の時、子供セム、ハム、ヤペトをもうけた。(創世記5章32節)

A神がノアに大洪水を起こすことを告げ、箱舟を作ること、及び、妻と子供たち、そして、子供たちの妻たちと共にその箱舟に乗るように命じる。(創世記6章13-18節)

Bノアが600歳の時、大洪水が発生。(創世記7章11節)
 このように、神がノアに箱舟を作るよう命じた時に子供たちと共に乗るように言っているので、箱舟制作開始は子供たちが生まれた後、つまり、ノアが500歳より後のことになる。

 そして、大洪水はノアが600歳の時だから、
箱舟の制作期間は最長で100年ということになる。(※神に箱舟制作を命じられた際、3人の子供たち全員に妻がいたので、厳密に言えばもっと短くなる)

 また、旧約聖書には箱舟の制作期間が分かる記述がないので、
神に命じられた後、何年かけて完成させたかは全く不明なのである。

 いったい、泉パウロ様の「ノアは120年も耐え忍んで箱舟を作り」という話はどこから出て来たのだろうか??

 で、調べてみると面白いものが見つかった。
「ノアは120年間あらゆる嘲笑を受けながら山頂に箱舟を造った」の根拠は聖書のどこに?
統一教会Q&A 統一教会教義への疑問に答える。」 より)
 統一教会の教義じゃんかよ(笑)


 さて、上記系図に戻り、泉パウロ様が古事記の神々をどう切り貼りして並び変えたのかを確認してみよう。

 下記の図は、左半分が古事記の系譜で、イザナギとイザナミが産んだ子供である(※全てではない)。先述した通り、全て兄弟なのだから系図としては本来、横に並べるべきものであるが、泉パウロ様の系図と比較し易いよう、産まれた順番に縦に並べてある。

 そして、右半分が泉パウロ様が作成した上記系図の内、古事記のものを抜き出したものである。



 同一の神は同じ色の四角で囲っておいたので一目瞭然だと思うが、一応解説しておこう。泉パウロ様がイザナギとイザナミの子供たちをどのように切り貼りしたかは次の通りである。
@イザナギとイザナミが産んだ最初の3柱を横にならべて兄弟とする(赤色の箱とオレンジ色の箱の最初の1柱)。

Aオレンジ色の箱の神々はそのまま、親子関係があるかの如く下に並べる

Bオレンジ色の箱の次に産まれた青色の箱の神々を切り取って、ヒルコの下に並べて、ヒルコの子孫の如く見せかける。

C次に産まれたオオコトオシヲ(紫色の箱)をオレンジ色の箱の下につなげ、さらに、その次に産まれた3柱(緑色の箱)は兄弟として横に並べる。
 好きなように切り貼りし、縦に並べたり、横に並べてるサマがよく分かるであろう。

 しかも、
イザナギとイザナミの子供は、アメノフキヲ(※緑色の箱の下)以降、まだまだいるのであるが、それらについては完全無視である。

 再度、言おう。

 「並び方も家族構成も同じ」って、そりゃ、そーでしょ。アンタがそう見えるように並べたんだから。




 以上、泉パウロ様のデタラメな旧約聖書と古事記の系譜の一致はまだまだ続くのであるが、続きは(その10)にて。



2015.06.23 新規

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こういうのを自作自演と言うのカ?