知的好奇心のススメ(その2)
 ※当記事は(その1)からの続き


3.知的好奇心の喚起

 これまで、
「知識を深める」とか「知性を磨く」等と書いたが、別に「さあ、勉強するぞ!」等とあえて気持ちを奮い立たせたり、身構えたりする必要はない。

 本来、
「知る」ということは楽しく、ワクワクするものである。

 しかし、少なくない人が自分の中で、
「本を読んで知る」という行為を「勉強」のカテゴリーに分類しており、学校でのツメコミ学習やオシツケ学習の経験によってマイナスイメージを持ってしまっている。

 
まずは、そのマイナスイメージを、本を読む行為に対して感じるストレスを取り除いて欲しい

 
「近くにアミューズメント・パークが出来た」「大型ショッピングモールが出来た」等と聞けば、行ってみたいと思うのが人情である。未知のものを知りたい欲求、つまりは、好奇心があるからだ。
 また、初めての場所へ旅行に行くのも同様で、その根底には好奇心があると言っていい。

 
本を読んで「知る」という行為も、そういうノリで良く、好奇心の誘うまま本を読めば良いのである


 また、本を読むという行為は、ドラクエやファイナル・ファインタジーといったロールプレイング・ゲームと同様だと言える。

 最初、主人公は弱いモンスターしか倒せず、行ける範囲も限られた狭いものである。しかし、少しずつ経験を積みレベルアップして行けば、世界中をくまなく探索できるようになり、最後には魔王を倒せるまでに成長する。

 そのようなゲームは、自分を投影した主人公が成長し強くなって行くのが楽しいものである。だから、ゲームとして成立する。

 そして、
自分を投影した仮想空間の主人公の成長が楽しいのなら、読書をして自分のリアルな知性を磨き、成長して行くことが楽しくないわけがない

 しかも、ゲームでは強くなるのは仮想空間のみで、虚構の強さ・優越感でしかない。一方、読書では、現実世界で力をつけ、読書の範囲が広まると共に、自分の世界もどんどん広がって行くのである。

 読書をして知性を磨いて行くことが、どんなにワクワクする上に、有益なものかご理解いただけるのではないだろうか。

 最初はウソでもいい。
「オラ、ワクワクしてきたぞ!」と無理にでもワクワクしているフリをして始めるといい。読書をし、本を読めば読むほど、そのワクワクは本物になって行くことだろう。



3.手段

 知識を身に付ける手段として、当記事のメインテーマは読書であるが、その他の手段についても見てみよう。

 代表的なものは、次のものであろう。
○人に聞く
○TVの教養番組
○博物館や歴史的場所への訪問
○インターネット
 それぞれに長所短所があるものだが、この中で最も使い勝手が良くて利用頻度が高いのが「インターネット」であろう。

 「人に聞く」は手っ取り早いが、相手に時間を取らせる上に、知りたいことを知っている人を見つけるのも時に至難である。さらには、いい加減な返答をされたり、重要な情報が抜けていたりと問題もある。

 次に、「TVの教養番組」は、自分の知りたいこと、必要なことを放送してくれるとは限らないし、番組を見て疑問に思ったことに回答してくれるわけでもない。ただ、興味を持っていない事柄に対して、興味を持つキッカケになることもあるし、誰にでも分かりやすく説明してくれるので、その点では有益である。

 そして、「博物館や歴史的場所への訪問」は、歴史的建築物等を直接目で見て、肌で感じ取れる分、非常に有益なのだが、時間とお金が必要となってくる。

 一方、「
ちょっと知りたいことを調べる」という点では、「インターネット」が一番であろう。

 検索すれば、大抵の情報は見つかるし、もし、見つけられなければ、ヤフー知恵袋等の質問サイトを利用することも出来る。

 ヤフー知恵袋等は
「人に聞く」に相当するが、知っている人が時間のある時に答えてくれるから、知っている人を探す必要もないし、相手の時間を邪魔することにもならない。

 このように、書籍より手っ取り早く知りたい情報を知ることが可能なのであるが、やはり、
「さらに詳しく、かつ、確かな情報を」となると書籍の方が上になるだろう。

 さらに、「インターネット」において特筆しておきたいのは、情報が集積されたデータベースの存在である。

 私が知っているものでは、例えば次のようなものがある。
○辞典類

 国語辞典、漢和辞典、英和辞典などがインターネットで参照できるのを知っている人がほとんどだと思う。特に英和辞典の中には、単語の発音が音声で聞けるものもあるので便利である。

 また、他にも語源由来辞典地名由来辞典などもデータベース化されている。

 インチキ霊能者の中には、単なるダジャレをさも霊能力の裏付けがあるかの如く装って語源を説明したりする人物もいるので、該当のデータベースを使用すれば図書館へ行くまでもなくデタラメであることが分かる。


○Wikipedia

 インターネットの百科事典であるウィキペディア。当HPでもよく参照・引用させていただいている。

 ただし、時に勘違い等による誤りがある場合もあるし、中には、個人の主張をさも通説のように潜り込ませている場合もあるので注意が必要である。
 特に宗教関連では、その宗教団体のネット要員が都合の悪い情報を削除した上で、該当団体の宣伝の場としているケースもある。


○中央官庁刊行の白書関連


 消費動向を調査したければ消費者庁刊行の『消費者白書』、犯罪動向について調べたければ警察庁刊行の『犯罪白書』と、特定ジャンルにつき、動向等がまとめられている。数値データをEXCELで参照できるので、それを好きなように加工・編集できるのも大きな利点である


○地震情報

 当HPのようなサイトを運営していると、インチキ予言者の予言内容を検証する為、過去の地震情報を調べる必要が出てくることがある。その際、よく使用するのは次のサイトである。
過去の地震情報( tenki.jp > 防災情報 > 地震情報) 

 いつ頃からのデータを参照できるか明記されていないが、2011年頃以降に発生した地震を調べることができるようである。なお、数値等は速報ベースのもので、後で修正されても反映されていないようだ。

U.S. Geological Survey (※英語サイト)

 アメリカ地質調査所のHP。世界中の地震を検索できる。

○論文データベース

 「論文データベース」で検索すれば分かる通り、一口に論文データベースと言っても様々なものがある。私自身、以下に掲示するデータベースを使用することはめったに無いのだが、参考まで。

 日本の文献データベースで有名なのは、次のものである。
CINII (国立情報学研究所)
J-STAGE (科学技術振興機構)
 また、日本の文献に限らないがGoogleが提供する次のものもある。重要度の高い文献ほど上位に表示されるなど、使い勝手が良さそうである。
Google Scholar

 上記は一部のみであるが、他にも地形や古文献、神社など様々なデータベースがあり、今後も増えて行くことだろう。

 そして、このような情報のデータベース化やその使い勝手の良さは、紙の媒体には不可能なものであり、書籍とインターネット双方の良さ・悪さを認識した上で、上手に活用して行くことになる。


 なお、
「これから読書して、知識を付けて行くぞ!」という人には、上記の後半部に掲載した白書関連や論文データベース等はとりあえずは無縁であろう。

 しかし、
「知りたい、調べたい」と思えば、いくらでも世界は広がっていることを覚えておいて欲しい。




   ※(その3)の「4.読書の仕方」に続く。



2016.01.12新規

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