『心の発見 現証篇』にツッコミ!(その1) ・・・ 高橋信次さま

書 名  心の発見 現証篇
著 者  高橋信次
出版社  三宝出版
価 格  780円(税別)
 出版年月  1969年4月

●本書概要

本書カバーソデより
 私達は、旧来の陋習を破り、自らの心を目覚めさせることが大切であり、実践が自らの心を豊かにする道だといえよう。
 許すことも愛であり、本人の幸福のためには、きびしく指導することも愛だといえる。
 すべて、個の生命が、人間として、生まれてきた目的と使命を自覚して、自らにきびしく、他人に寛容な心を持って、片よりのない生活をすることが必要だといえよう。


※管理人注 ; 陋習(ろうしゅう)・・・わるい習慣

●ツッコミ

 1976年に逝去したものの、未だ一部で根強い人気を保っている高橋信次様。

 この人の本を読む限りではあるが、チマタのインチキ霊能者たちとは違い、
「言葉が上辺だけの美辞麗句にはならずに、その言葉通りに自らを律して生きようとした人」であったのではないかと思う。

 しかし、そうであっても、
「考える力の程度が低ければダメ」ということを如実に物語ってくれているのが本書であると思う。

 まずは、高橋信次様のそういった点を中心に見て行きたい。


 なお、本書は、初版が1969年とかなり前に発売されたものであることは留意しておいて欲しい。
 また、ツッコミに使用したのは、1990年1月31日発行の第5版第16刷のものである。




 では、高橋信次様の思考レベルを知る為、まずは、
「死後の世界・魂は存在する!」という旨の論述を見て行こう。
<P.38>
 私は考える。
 
物質というものにも、仕事をなしえる能力が共存している
 
すなわちエネルギーである
 物質が、仕事をなし得る能力に変わるには、圧力と熱との縁がない限り、永い時間が必要となるだろう。
 「物質というものにも、仕事をなしえる能力(=エネルギー)が共存している」と述べる高橋信次様

 有名な公式、
「E(エネルギー)=M(質量)×C(光速度の2乗)」に関連することを言っているのであろう。質量とエネルギーが等価であることを意味する式である。

 続いて、
<P.38-39> (※上記からの続き)
 仕事をなし得る能力は、私達の五官ではとうてい判ることはできないものだ
 しかしそれが存在しているということは、誰も否定はできないだろう。
 物質には物質としての次元があり、
仕事をなし得る能力、すなわちエネルギーは、全く物質とは異なった次元の存在といえよう
 「仕事をなし得る能力(=エネルギー)は、私達の五官ではとうてい判ることはできない」とし、「エネルギーは、全く物質とは異なった次元の存在といえよう」と結論づける高橋信次様。

 ここで、次の
二つの疑問が生じる。
@.エネルギーは、五官で判らないものか?
A.五官で判らないのなら、それは「異なった次元の存在」と言えるのか?(注)


(注)「五官で判らないから、異なった次元の存在である」と明記されているワケではないが、話の流れ的には、そのことを意図していると思われる。

 全く根拠も提示せずに論理飛躍して、「エネルギーは、全く物質とは異なった次元の存在といえよう」と結論を述べている可能性もあるが、以降では、上記の認識が正しいものと仮定して話を進める。
 まず、@である。「エネルギー」と言われて、皆さんは何を思いつくだろうか?

 熱や光や電気であろう。そして、それらは我々の五官で判るものである。(※ちなみに、後述の通り、高橋信次様は、熱や光をエネルギーの例として記述している)

 
何を言ってんだろうねぇ、高橋信次様は・・・

 続いてAである。

 例えば、電波。これは我々の五官では判らない。ならば、電波は「異なった次元の存在」だと言えるのだろうか?

 また、電波や光、放射能は、全て電磁波である。波長の長い短いの違いでしかない。

 そして、電磁波の内、可視光と言われるものだけが、我々の目で認識することが出来る。もし、高橋信次様の論述が正しいとすれば、
電磁波の内、五官で判る可視光以外は、異なった次元の存在である
ということになってしまう。


 さらに、続きを見てみよう。
<P.39> (※上記からの続き)
 生物は有機物によって構成されている細胞やその集団は、それぞれ個性を持っている。そして、動物や植物は、外部からの熱光りといったエネルギーを吸収して成長を続けている。しかも、本能によって種族は保存され、後世に受け継がれている。
 「熱光りといったエネルギー」と記述し、エネルギーの例として熱と光をあげる高橋信次様。

 熱も光も、五官で判るでしょ!(笑)


 そして、、、
<P.39> (※上記からの続き)
 動物や植物には、鉱物などのエネルギーとは違った意識の存在があり、意識の次元と肉体が、それぞれの個性を持って同居している。
 
私達の場合も、同様に、肉体としてこの世の次元に存在し、意識すなわち魂という高次元のものと同居して成立している。
 ここで述べられている高橋信次様の思想のうち、人間に関するものをまとめると次の通り。
〇肉体    ・・・ この世の次元

〇意識=魂 ・・・ 高次元

 さて、この後、このことを立証する高橋信次様の論説が始まるのだが、続きは(その2)にて。



2018.04.22 新規

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高橋信次様のムチャクチャな論証は、まだ始まったばかりだゾ。