「アミ 小さな宇宙人」にツッコミ!(その2)・・・エンリケ・バリオス様 |
※当記事は(その1)からの続き
イントロダクションの続き。
『アミ 小さな宇宙人』 (エンリケ・バリオス)/徳間文庫/2005.8) P.10 (※(その1)からの続き)
この青く美しい、まるい地球の
未来の後継者であり
また、兄弟間に争いのない
新しい地球の建造者である
すべての国の
さまざまな年齢の
子どもたちに捧げる
(※管理人注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様)
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直前で、「大人は読むな」という旨の記載をした後がこれである。
エンリケ・バリオス様、どうやら、大人に相手にされなかった為に、ターゲットを子どもにしたようだ。
おそらく、「大人の心は汚れているから、分からないんだ!純粋な子どもたちなら、きっと受け入れてくれるはず!」なんてことを考えたのではないかと思われる。
「受け入れらない程度の教え」という事実から目を背け、相手のせいにして正当化。ただの現実逃避。
その結果が、この書籍なのである。
しかも、より判断力のない相手をターゲットにした上で、(その1)で見たように、「宇宙人のアミに忠告されて、自分に問題がふりかからないように、この小説はファンタジーに過ぎないと書いておきます」という内容のことを書き、この小説が本当にあったことだと勘違いするよう誘導。
子ども相手に騙しにかかるエンリケ・バリオス様、やり方が汚いですぜ。
以上が、イントロダクションの内容である。
既にこの段階でエンリケ・バリオス様の思考・思想の程度が透けて見えて、小説の程度も知れると言うものであるが、以下ではテーマ毎に分けて、内容を見て行きたい。
<刹那主義・楽観主義>
祖母とバカンスに来た地で、夕方に一人海を眺めている時に宇宙人アミと出会ったペドゥリート。話したり、空中浮遊の方法を教えてもらっていたりする内に、夜もかなりふけてくる。
すいぶんと遅くなったことに気付いたペドゥリートは、帰る旨、宇宙人アミに伝えるのだが、、、
『アミ 小さな宇宙人』 (エンリケ・バリオス)/徳間文庫/2005.8) P.45-46
もう、ずいぶんおそくなってしまったことに気がついた。
「ぼく、もう帰らなくっちゃ・・・・・・おばあちゃんが心配するから」
「だいじょうぶだよ。まだねているから」
「でも心配だ」
「心配だって? なんてバカなことを言うんだい」
とアミが言った。
「どうしてバカなことなの?」
「まだ現実に起きていない先のことをあれこれ気に病むのではなく、いま起きていることにあたることのほうが賢明なことだよ」
(※管理人注)宇宙人アミはUFOを通して、おばあちゃんの様子を知ることができる(P.28) |
遅くなり、「おばあちゃんが心配するから」「帰らなくっちゃ」と言うペドゥリートに対して、「心配だって? なんてバカなことを言うんだい」と相手をバカ呼ばわりする宇宙人アミ(※正確には相手自身ではなく、発言を「バカ」だと言ってるのだが)。
ペドゥリートの主張は至極まっとうで、しかも、祖母への思いやりがこもったものである。「バカなこと」を言っているようには全く思えないのだが。
そして、納得できないペドゥリートは何故「バカなこと」かと尋ねるのだが、宇宙人アミは次のように答える。
「まだ現実に起きていない先のことをあれこれ気に病むのではなく、いま起きていることにあたることのほうが賢明なことだよ」
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「おばあちゃんはまだ起きていない。よって、まだ心配もしていない。
そして、おばあちゃんはまだ心配していないのだから、そんなことを気に病むな」
と言うことか。何を言ってんだ、この宇宙人は・・・
ペドゥリートも、宇宙人アミの説明が分からなかったようで、、、
『アミ 小さな宇宙人』 (エンリケ・バリオス)/徳間文庫/2005.8) P.46 (※上記からの続き)
「よくわからない」
「起こらなかった問題やこれらかもけっして起こりもしない問題を心配して、頭をなやませて生きていくのをやめて、もっと”いま”というときを楽しむようにしなくちゃ、と言っているんだよ。
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全然、説明になっていない宇宙人アミ。何言ってんだよ、おめぇは。
まず、ペドゥリートの「おばあちゃんが心配する」という心配は、「起こらなかった問題」ではない。過去の出来事ではないからだ。次に、「起こりもしない問題」でもない。十分起こりうる問題だからだ。
話が噛み合っていませんぜ、宇宙人アミ様。。。
そして、「もっと”いま”というときを楽しむようにしなくちゃ」と畳みかける。
もう、何と言うか、刹那主義的な、楽観的な生き方。
宇宙人アミの言葉は続く。
『アミ 小さな宇宙人』 (エンリケ・バリオス)/徳間文庫/2005.8) P.46 (※上記からの続き)
人生は短いんだ。もし現実に、なにかの問題に直面したときはそれに全力であたって解決すればいいんだ。起きもしない巨大な津波がいつか押し寄せてきて、われわれを全滅させるだろう、というようなことを空想して心配しながら生きていくのが、懸明なことだと思うのかい。
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「もし現実に、なにかの問題に直面したときはそれに全力であたって解決すればいいんだ」って、すっげぇこと言い出すな。
問題は起きてから対処しろ、それまでは気にせず、楽しんでろと??
もちろん、これもケースバイケースで、「空が落ちて来たらどうしよう」なんて心配して生きている人がいたら、確かにその通りである。
しかし、そもそも、問題となっているのは、「孫と二人でバカンスに来たおばあちゃんが、夜遅くまで帰って来ない孫のことを心配すること」である。
そして、これは当然、「かなりの高確率で起きうる問題」である。
それを宇宙人アミは「起こりもしない問題」という論点にすり替えて、説明しているのである。話が噛み合うはずもない。
また、仮に、宇宙人の科学力等で、「今回、おばあちゃんはずっと眠っていて、ペドゥリートが帰ってないことを知られずに済ませることができ、おばあちゃんが心配することはない」ということが分かっていたとしよう。
しかし、ペドゥリートの心配が結果として杞憂に過ぎないことが明白であるのなら、このような説明をする前に、まずそのことを伝えるべきであろう。
まあ、どちらにしても、ペドゥリートの心配を「バカなこと」と言う表現で全否定することは、まともな思考の持ち主ならありえないのであるが。
さらに、宇宙人アミの言葉の続き。
『アミ 小さな宇宙人』 (エンリケ・バリオス)/徳間文庫/2005.8) P.46 (※上記からの続き)
この”いま”という瞬間を、こんな美しい夜をじゅうぶん満喫しなかったら、それこそなんとおろかなことだろう・・・・・・。よく見てごらん! 小鳥たちがなんの心配もせずにとびまわっているのを。どうして、じっさい起こりもしないことを頭をなやませて、現在を犠牲にしなくてはならないんだい?」
「でも、ぼくのおばあちゃんは現実にいるんだから・・・・・」
「そう。でもいまはなんの問題もないんだよ。それともこの美しい、”いま”という瞬間は存在していないとでも言うの?」
「でもとても心配だ・・・・・・」
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相変わらず、論点のずれた話を主張し続ける宇宙人アミ。
「いまはなんの問題もない」から、気にするな、ということらしい。
宇宙人アミの言ってることの方が、よっぽど「バカなこと」である。
ちなみに、この後、ペドゥリートはUFOに乗って地球のあちこちに行ったり、他の惑星へと行ったりするのだが、その後、地球に帰る際の宇宙人アミの言葉が次のものである。
『アミ 小さな宇宙人』 (エンリケ・バリオス)/徳間文庫/2005.8) P.236
きみのおばあちゃんはもうすぐ目をさますよ。帰らなければならない。
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あれだけ、「帰らなければ、おばあちゃんが心配する」という考えを全否定しておいて、今度は、おばあちゃんをダシに使って、「帰らなければならない」とか言い出す宇宙人アミ。
何なんだよ、てめぇは・・・
もうすぐ目をさますにしても、「いまはなんの問題もない」のだから、おばあちゃんが目をさましてから「全力であたって解決すればいい」だろうに。
ホント、ご都合主義の宇宙人。
要は、自分が帰したいか、帰したくないか、ダケである。
続いて(その3)では、宇宙人アミが何故、地球に来て、こんなコンタクトをしているのか、その理由について見て行きたい。
2016.03.29 新規 |
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こんな本を子どもに読ますと、遊びに行ったまま帰って来なかったり、現実から目を逸らして、楽しいことだけするようになっちゃうゾ。 |
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