『人類アカシャ全史』にツッコミ!(その5) ・・・ ゲリー・ボーネル様
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)からの続き。


 当記事以降では、
無能力者のゲリー様がどのようにして特別な力があるように見せかけるのか、そのテクニックを見て行こう。

 なお、最初に取り上げるのは坂本龍馬の霊視であるが、やりとりから分かるように
ゲリー様は坂本龍馬のことを知らない

 日本人じゃないのだから、当然と言えば当然なのであるが、
「全く知らない人物を、ゲリー様が如何に視えているフリをするか」に注目しながらご覧いただきたい。
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.103
 坂本龍馬暗殺の真相

古川
 次に、五井先生を除いたら、
僕が日本人でおそらく一番好きな坂本龍馬についてうかがいます


(※管理人注) 文字に色を付けたのは管理人(以下同様)。
 
「五井先生」とは、「世界人類が平和でありますように」のフレーズが有名な、白光真宏会の開祖の五井昌久のこと。
 これから、坂本龍馬について尋ねられるところである。

 そして、アカシックレコードの参照など出来ないので、この時点でゲリー様が坂本龍馬について分かっている情報は、
○日本人
○古川氏が好きな人物
この程度である。


 続いて、ゲリー様の返答は、、、
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.103 (※上記からの続き)
ゲリー 坂本龍馬はエジプトで何度かファラオになっています。
 聞いてもいないのに、いきなり、前世を言い出すゲリー様(笑)

 どうやら、ゲリー様によると、「坂本龍馬はエジプトで何度かファラオ」だったらしい。

 まずこれは、
「どうとでも言えること」である。

 このような前世など、
「真実だと証明することは出来ないが、ウソだと証明することも出来ない」

 
インチキ霊能者にとっては、特に後者「ウソだと証明することも出来ない」が重要である。
 
テキトーに言っておけばそれで済み、ウソがバレないからである。


 次に何故、ゲリー様が、坂本龍馬の前世に「ファラオ」を選んだのか。
 おそらく、次の2点からではないかと推察する。
○同時に登場していた「五井先生」が、宗教の創始者で偉大な人物(*1)だから、それに引きずられて坂本龍馬も同様の人物だと想像した。

 また、宗教の創始者の前世が王だったとされるのは、よくある話である。例えば、「イエスや釈迦は、アトランティスやムーの王だった」とされることが多い。

 実際にゲリー様も、レムリアを最初に統治した人物がのちにイエスに転生したとしている(P.39)。


○古川氏が好きな人物なので、
「前世でも偉かったんだよ」というリップサービスも含めて。


(*1)古川氏の主観。この書籍には度々、この「五井先生」が登場し、ゲリー様も「五井先生」については知っているようである。

 こんなところではないかと思われる。

 そして、この前世に対する古川氏の反応は、、、
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.103  (※上記からの続き)
古川 ファラオに? 王様だったんですか?
 おそらくゲリー様は、驚きと喜びの反応を期待していたのではないかと思われる。
 自分が好きな人物が、過去世でも偉かったと言われれば、通常、嬉しいはずだからである。

 しかし、古川氏のリアクションは上記の通り、むしろ、
意外そうな反応である。

 坂本龍馬はご存知の通り、
「型にハマらない生き方」をした人で、地位や組織、常識と言った「型」に収まらず活躍した人物である。

 その坂本龍馬に対して、「ファラオ」と言ったような王様のイメージはなかなか湧かない。


 このような古川氏の反応を見て、ゲリー様は、、、
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.103 (※上記からの続き)
ゲリー その人はあなたにとってはどういう人ですか?
 坂本龍馬に関する情報を引き出そうとするゲリー様wwwwww

 しかも、古川氏の質問は完全無視(笑)


 
特別な能力など持っていないから、知っている人から情報を引き出して、自分の想像を軌道修正しなければならないのである。

 そして、この質問に対して古川氏は、、、
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.103 (※上記からの続き)
古川 生きる見本のような人です。彼は封建時代の日本から明治維新にいたる歴史の転換期に活動した人ですが、組織にこだわらず、あくまでも自分一人のこととして、日本の改革に力を注いだんです。
 坂本龍馬に関する説明をし、「自分にとってどういう人か」については一切答えない古川氏(笑)

 まあ、あまりに予想外の前世だったので、
「ゲリー様、坂本龍馬のこと知らないんだろうな」等と思い、このような行動に出たのかも知れない。

 このように、
信者側が無意識に、インチキ霊能者に助け舟を出してしまうこともよくあることである。


 そして、坂本龍馬の情報を得たゲリー様は、、、
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.103 (※上記からの続き)
ゲリー 彼はエジプトでもとても活動的なファラオで、新しいシステムを作り出しました。あるいはローマ皇帝の一人、シーザーでもありました。
 まず、最初の文章で追加になった情報は、「とても活動的な」「新しいシステムを作り出しました」という2点である。
 これは次の通り、
先程、古川氏から与えられた情報を、言葉を変えて追加したに過ぎない
「歴史の転換期に活動した」  → 「とても活動的な」
「改革に力を注いだ」 → 「新しいシステムを作り出した」
 続いて、次の文章で、「どうとでも言えること」である前世が追加になる。
「ローマ皇帝の一人、シーザー」
 「活動的」という点では坂本龍馬と一致するであろう。そして、「改革」という点でもシーザーは第一回三頭政治の際、元老院を改革していたりする。
 ただし、政敵を武力で制圧したりして権力の頂点に立った姿などは、坂本龍馬のイメージとはほど遠い。

 ゲリー様が少ない情報の中で連想し、「シーザー」という歴史的有名人を前世としたのは、先の「ファラオ」と同様、リップサービスが含まれているのではないかと思われる。

 なお、ここまで挙げられた
前世が「権力者」という点で共通していることは、頭に留めておいて欲しい。


 そして、この後しばらく、前世やら来世やら、
「どうとでも言えること」の話が続く。
 まとめると、
P.104-105
<前世>
 
モンゴルで戦士だった

<来世>
 2143年、エジプトに生まれ考古学者になり、この地球上で最も古い文明を掘り起こす。
だそうである。

 まあ、テキトーに言っておけばいいことなのでスルー。


 続いて、ゲリー様が、坂本龍馬暗殺の真相について教えてくれるので、それは(その6)にて。



2017.05.30新規

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やってることは霊視じゃなくて、与えられた情報からの連想ゲームだゾ。