『青年地球誕生』にツッコミ!(その3) ・・・ 幣立神宮さま
 ※当記事は(その1)(その2)からの続き



 当記事では、(その2)に引き続き、『竹内文書』と幣立神宮のトンデモ主張を比較しながら、ツッコミを入れていきたい。



2.日本最古の神社

<竹内文書>

 『竹内文書』を奉じる皇祖皇太神宮は、日本最古の神宮であるとされる。


<幣立神宮>

 (その2)で見たように、幣立神宮の歴史は1万5千年で、神社としての創建は6千年前。これが本当なら、幣立神宮は間違いなく「日本最古の神社」であると言える。

 ちなみに、「日本最古の神社」といわれる神社は複数があるが、例えば、その一つ、奈良の大神(おおみわ)神社だと崇神天皇7年(紀元前91年)の創建とされる(ただし、自然崇拝時代も含めれば、縄文か弥生までさかのぼることになる)。(※参考:Wikipedia「大神神社」)


 また、幣立神宮は他にも、幣立神宮周辺が「古代の神都・高天原」であったようであり(P.91)、本書では、この地に古代に栄えた文明を「高天原文明」(P.288)と称している。



3.世界の中心

<竹内文書>

 『竹内文書』を奉じる皇祖皇太神宮は、全世界の中心とされる。


<幣立神宮>

 幣立神宮の主祭神は「人類文化創造の原点となる尊い神々」(P.39)であり、また、以下のように、宇宙から降臨した神様が日の宮(幣立神宮)を「地球の中心と定め」たらしい。
<P.25>
 悠久の太古、宇宙からの御降臨の神様が高天原・日の宮を地球の中心と定められて、人類の代表をお集めになり、重大な会議をされました。大祓詞(おおはらえし)はその時の様子を後世の人に伝える重要な意味を持っています。その始めの言葉は次の通りです。

※管理人注: 文字に色を付けたのは管理人(以下同様)。


4.五色人

<竹内文書>


 『竹内文書』では、世界にはかつて、下記のような五色人(いついろひと)がいたとされる。また、そのうち、源となったのは黄人(きびと)で、それが世界各地に広がり、その地の風土的影響を受けながら他の四色の人種が生まれたとしている。
黄人(きびと)・・・日本を含むアジア人。
○赤(あかびと)・・・ネイティブアメリカンやユダヤ人。
青人(あおびと)・・・肌が青白い。現在は純血種はほとんどいない。
黒人(くろびと)・・・インドの原住民族やアフリカ人等。
白人(しろびと)・・・白い肌やプラチナ、ブロンドの髪をしたヨーロッパ人

※参考:Wikipedia「竹内文書
 現在の考古学的成果、遺伝子研究等と真っ向から反する主張であるが、次の通り、同様のことを幣立神宮も主張している。


<幣立神宮>

 幣立神宮の五色人(いついろひと)に関する記述は以下の通り。
<P.53>
 そのお宮の名前は「幣立神宮」、九州の真ん中(おへそ)蘇陽町に位置する日の宮として、知る人ぞ知る隠れ宮だったのです。高天原の中心、皇祖発祥の神宮と言われ、太古の昔から世界人類の祖神を祀ったとされています。そしてこれを実証する数々の一つとして「五色神面」と呼ばれる、世界人類の祖神を形どった木製の彫像面が奉納されています。
 この五色神面の五色とは、
世界五大人種の肌の色を表したものであり、その起源とされているのが黄人(アジア系)です。その後彼らの祖先が世界各地に広がり、その風土や気候などの影響をうけ、赤人(ネイティブ・アメリカン等)、青人(大洋民族等)、白人(白人系)、黒人(黒人系)へと派生したと言われています。

※管理人注:上記は、ジュディス・カーペンター氏の言葉。本書によると氏は、タスマニア大学メタフィジクス科講師のかたわら、世界的なヒーラーとして活躍しているらしい(P.49)
 幣立神宮には、世界人類の祖神を形どった「五色神面」というものがあり、その五色は、「世界五大人種の肌の色を表したもの」らしい。

 また、他にも、以下通り記述され、
<P.44>
 五色神祭は、「五色神面」が奉斎された意義を人の立場で実践することに真実があります。神代の昔、黒・白・黄の隔てなく、共に生きた原点に返り、人類共通の願いを形として表し、その精神的、霊的な伝統を次の世界に伝えるために、各々の大陸から種族の願いをもって奉斎されたものです。「五色神面」は、地球全人類それぞれの人種、民族の祖神を肌の色であらわしたものであり、五色のそれぞれの祖神たちが太古の昔、古代的真実の継承のため奉納されたと伝えています。その五色とは、赤色・白色・黄色・黒色・青色の五つの色です。
「五色神面」は、「五色のそれぞれの祖神たちが太古の昔、古代的真実の継承のため奉納」されたものらしい。

 なお、「五色神面」の写真が本書に掲載されているのだが、白黒で分かりにくいので、別の書籍に掲載されているカラーのものを見てみよう。
『Mr.都市伝説 関暁夫の都市伝説4』 (関暁夫/竹書房) P.23
 なんだよ、ただの舞楽面じゃねーか(笑)

 参考までに、似たような舞楽面が掲載されたHPのリンクを掲示しておくので、興味ある方は参照して欲しい。
○HP「KUSHIMAGAGIN 神楽面

 しかし、素人が見ても一発で舞楽面だと分かるものを、「太古の昔、古代的真実の継承のため奉納」されたなどと称する大胆さには脱帽である。 
どうあがいたところで、すぐにバレるだろーに。。。

 そして、見たところ、下アゴ部分が無い不完全なものが多い。

 おそらく、倉庫でホコリをかぶっていた面を引っ張り出して来て、『竹内文書』を参考に上記のような話を創作し、「五色神面」などと言う名称を付けたというオチであろう。




 以上、もう既に幣立神宮の主張が、『竹内文書』の影響を受けて創作されたものであることは明らかではないかと思われるが、(その4)でも引き続き、『竹内文書』と幣立神宮の類似点を見て行きたい。



2013.1.15 新規

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「五色神面」というワリには、赤色が二つあるように見えるのは気のせいカ?