『「聖書の暗号」の大事なポイント』にツッコミ!(その3) ・・・ 船井幸雄様
※当記事は、(その1)(その2)からの続き。


 Iさんの研究によって判明した、ムーに関する「聖書の暗号」についての重大な情報とは以下の通りである。
<P.52-53>
 聖書の暗号には闇の勢力が残した「悪のコード」と、ムーの最後の王ラーマなどがそれに上書きした「愛のコード」の両方が含まれているようです
 ムー文明の崩壊は巨大彗星の落下によるものと暗号には出ています。その際ムーの最高の神官で最後の王でもあったラーマや科学者でもあった次の王候補者たちが、その彗星を回避しようとしていたのですが、闇の勢力と言われていた悪の側がその彗星のデータを改ざんしたため、地球への激突が起こってしまったというのです。闇の勢力は、愛の文明に向かっていた地球と地球人いったんを崩壊させ、改めて
1万年余ののち(現在のことです)闇の勢力による、闇の勢力のための、闇の文明を築こうと画策したというのです。
 ムー文明はあの世、ニルバーナにあるアカシックレコードのプランによって発展していたようです。
闇の勢力はそれを書き換え、悪のプランによって、次の文明の簒奪を図ったというのがIさんの解析結果です。そのために彼らはヘブライ語の聖書を作り、人類の指針となるように人類に与えることにしました。もちろん「悪のコード」も組み込まれていました。それをムーの崩壊直前に察知したムーの王たちが、その人類完全支配の計画書である聖書に、愛のバイブルコードを上書きしたということです。どうやらIさんの分析から、これは本当のことのように思われます。これはすごい話です。ここが大切なところなので、Iさんの本を読み、その解析結果をみなさんなりに詳細に検証してみてください。

(管理人注)文字に色を付けたのは管理人。以下同様。
 どうやら、「聖書の暗号」が組み込まれたヘブライ語の聖書が出来たのはムー大陸の崩壊時(今から1万年余前)で、そこには、「闇の勢力が残した『悪のコード』と、ムーの最後の王ラーマなどがそれに上書きした『愛のコード』の両方が含まれている」らしい。

 す、すげえ! 旧約聖書はムー文明の遺産だったんだ!!

 ・・・・・んなワケねーだろ。

 ヘブライ文字は、シリア地方で使用されていた原シナイ文字(シナイ絵文字)を元にして作られたもので、下記の通り、どのような変遷を経て現在のヘブライ文字になったかも分かっている。(ちなみに、ヘブライ文字がさらに変遷して、現在のアルファベットになった)

    

 そもそも、古代ヘブライ人の言葉は、カナーン語と混じり合って出来たとされており、それが出来たのは、紀元前19世紀頃にアブラハム一族がカナンの地に移住した後のことである。

 よって、当然ながら、ムー大陸が沈んだとされる1万年余前には、ヘブライ文字はもちろん、ヘブライ語すら存在していないのである。

 なお、本件については、次のような記述もある。
<P.104>
 旧約聖書はヘブライ語で準備されていました。この時点で既に中東地域でのヘブライ語の使用を予測しており、ここから宗教を通じた支配を行う予定を立てていたと思われます。
 「ヘブライ語の使用を予測」とあるので、どうやら、

    @.闇の勢力は未来を知ることができる
    A.よって、未来に使われる言葉も分かる

という話らしい。

 
このような話を聞いて、「これは本当のことのように思われます」なんて言える船井様は、さすがである。

 つうか、ムーなんか無いって。
<参考>
○Wikipedia「ヘブライ文字
○Wikipedia「ヘブライ語
○『古代イスラエル文化展』 (古代イスラエル文化展委員会)
○『ユダヤ教の本』 (学研)

 さらに、本書には、ムー崩壊の様子が「聖書の暗号」として見出されたと言う検索結果が掲載されているので、それも見てみよう。
<P.100>
 下半分に掲載されている文字列に注目していただきたい。何か気付かないだろうか?

 「@WITH THE KAIHI×2」・・・・・ん? KAIHI?? 一応、辞書で調べてみたが、そのような英単語はない。
 そして、「IWITH KOMETTO」、「JSHITURYOU」・・・・・・

 上記のものは、I(=イオン・アルゲイン)さんが「聖書の暗号」を検索した結果なのだが、Iさんによる解釈は以下の通りである。
<P.99>
解析結果K ムーの崩壊
 ムー最後の時代、
隕石が地球に落ちて地球を破壊する可能性があった。次の王になる科学者はその軌道を変えて回避する作業をしていたが、神官の裏切りで、隕石の質量をハッキングにより書き換えられ、回避に失敗した。選択者としての彼の人選ミスが原因だった。
 …… Iさん、もしかして、日本語混じりで検索してません??

 ヒットしたとされるヘブライ語を確認したいところだが、上記の通り、非常に小さい上に、線でぐちゃぐちゃになっていて判別不能なのが残念なところである。

 よって、断定はできないのだが、日本人の個人名を探す時と同様、日本語をいったんローマ字にして、それと同値のヘブライ文字を検索しているのではないだろうか。(ちなみに、Iさんの著書『聖書の暗号は読まれるのを待っている』(徳間書店)も確認したが、本件に関する記載は見当たらなかった)


 さて、「聖書の暗号」によって明らかにされた真実が、他にも本書で紹介されているので、それらの一部を列挙してみよう。(※Iさん、及び、同じく「聖書の暗号」の研究者である伊達巌氏の双方の解析結果を含む)
3.われわれ地球人類は、ここ何万年か「闇の存在」と言っていい、裏の知的な存在に支配されてきたようです。その闇の存在は、「フリーメーソン」などで「お金」や「宗教」を使って支配してきたようです。宗教、儀式や国家もこれらに入りそうです。
4.
最近の世界の支配者は「フリーメーソン、イルミナティ、ロスチャイルド」など、有名な存在たちであるようです。伊達さんが発見したのです。なんと「ロックフェラー」も、その一味のようです。
5.これらの人たちを「闇の存在」や「闇の勢力」といい、
アメリカは、この「闇の勢力」によってつくられた国家であるようです。
6.
9.11事件は、「闇の存在」というか、アメリカ政府の自作自演といってよさそうだと思えます。
7.
ブッシュはもとより、オバマも彼らに操られているようです。
8.
第一次、第二次大戦、日本の戦争と敗戦、明治維新らも彼らによって演出されたもののようです。
9.日本人が「聖書の暗号」を正しく読み解くようです。そして「日月神示」は解決策を示した大事な啓示のように読めます。
10.いまのところ、
生物兵器(エイズ、SARS、新型インフルエンザ)も最近の世界の支配者(闇の存在)によって開発されたようだと読めるように思います。(P.22-23)

レプティリアンが人類を作って支配した(P.114)

 私の拙い知識ではヨハネの黙示録で、もっとも研究者が知りたいこと、それは「666」という獣が何者かということだと思います。聖書の暗号では、それはバチカンであり、ローマ法王の名前であると出てきます。それもフリーメーソンの語を伴っているのです。(P.115-116)
 爬虫類系の宇宙人であるレプティリアンに、フリーメーソンやイルミナティ。9.11事件の自作自演説や、エイズやSARSなどの陰謀論。。。

 
何のことはない、巷に流布している陰謀論等のトンデモ話を、そのまま「聖書の暗号」として見出したに過ぎない。

 船井様を始め、「聖書の暗号」の研究者たちは、次々と真実を明らかにして行っているつもりなのだろうが、実際、やっていることは、次のことを証明している作業に過ぎないのである。
「聖書の暗号」は、探そうと思えば大抵のものは何でも見つかってしまうもの
 (その2)で引用した、「聖書の暗号」に関するエリヤフ・リップス氏の声明文の一部を再掲示しよう。
ユダヤ教の『トーラー』からメッセージを抜き出す全ての試みは、虚しくて全く価値がないのだ。

※「トーラー」とは、モーセ五書のこと。
 なお、上記で登場したI(=イオン・アルゲイン)さんの下記書籍は、なかなかに楽しい内容なので、別途、ツッコミを入れたい。

     『聖書の暗号は読まれるのを待っている』 (イオン・アルゲイン/徳間書店/2010.7)
※イオン・アルゲイン氏へのツッコミは以下のページを参照(2012.2.27追記)
○「イオン・アルゲイン様へツッコミ!



 ※(その4)に続く


2012.2.14 新規

虚しくて全く価値がない試みをしていることに、早く気付いた方がいいゾ。