『「聖書の暗号」の大事なポイント』にツッコミ!(その4) ・・・ 船井幸雄様
※当記事は、(その1)(その2)(その3)からの続き。


 当記事では、船井様の著書『「聖書の暗号」の大事なポイント」について、個別のツッコミを入れて行きたい。



<P.171-172>
 米国国防省の上級職にあった暗号解読官ハロルド・ガンズさんという方が出てきましたが、この人は、国家機密を裏でささえる優秀な技術者です。
 彼は、「イスラエルの科学者チームが創世記の古代ヘブライ語テキストのなかに、現代の人間個人に関する具体的情報が暗号化されているのを発見した」あるいは「今の時代の非常に具体的な情報が、創世記に暗号化されているという主張」を馬鹿げたありえないことだと思い、
自らコンピューターを使って、その欠陥を明らかにしようとしたのです。1989年ごろのことです。
 専門家であるガンズさんが調べたのは、聖書の暗号の「p値」です。「p値」というのは偶然によって起こる確率のことです。
 科学の研究においては、新しい、予測しなかった発見に、もし20分の1の「p値」があれば、それらは十分に「真実」であると考えられるそうです。
 そして、
ガンズさんが得た「p値」は6万2500分の1以下だったのです。
 
それが意味するところは、イスラエルの学者の発見が誤りで偶然の珍奇な現象にすぎないという可能性は、問題にならないほど小さいということでした
 彼はこうして、聖書の暗号の虜になっていくのです。

(管理人注)文字に色を付けたのは管理人。以下同様。
 米国国防省の暗号解読官ハロルド・ガンズ氏の調査結果を提示して、「聖書の暗号」の正当性を主張する船井様。

 このハロルド・ガンズ氏であるが、実は、「聖書の暗号」について次のような声明を出して否定している。
「これらの本では、『トーラー』の中の暗号を使えば未来の出来事を予言できると述べていますが、この主張には全く根拠がありません」

※「トーラー」とは、モーセ五書のこと。
※本城達也氏のHP(「超常現象の謎解き」 → 「聖書の暗号」)より
 まあ、一時的に、「聖書の暗号は、正しいのでは?」ぐらいには思ったのかも知れないが。



<P.303>
 先代旧事本紀大成経と同じく古史古伝のなかで、最も古い過去の記録を伝える「竹内文書」によると、超古代、天皇は天空浮船に乗って世界を巡行し、平和の内に世界を治めていたとあります。その文献を伝える竹内家は、今も皇祖皇太神宮を護って、様々な情報と秘儀を今日まで保持しているもようです。その竹内家の管長さんは、「当家の伝える天皇家とは、神武以前のもの、神武以降は関係ない」と言っているようです。
 竹内文書のことを記載する船井様。
 この内容から推察するに、船井様は竹内文書を真書だと思っているようだ(その内容をどこまで信じているかは不明だが)。

 ご存知の方も多いと思うが、竹内文書は
偽書である。

 竹内文書は、竹内家に代々伝わってきた古文献とされるものなのだが、超古代に天皇が地球を統治していたとしていたり、イエスやモーセが日本に来て死んだとしたりする荒唐無稽な内容もさることながら、かなり分かり易い偽書っぷりを披露している。

 例えば、太古の昔に天皇がその子息達に世界各地の統治を任せ、その子息達の名前がそのまま地名になったとされているのだが、その一部をあげれば以下の通りである。
インダウ天竺万山黒人民王 → インド
ヨイロバアダムイブヒ赤人女祖氏 → ヨーロッパ
○アジアシャムバンコクムス白人祖民王 → タイ・バンコク
○アシアアンナムノハノイ青人民王 → ベトナム・ハノイ
ヨハネスブルク青人民王 → 南アフリカ・ヨハネスブルグ
○ヒウケエビロスボストン赤人民王 → アメリカ・ボストン
 竹内文書が公開されたのは昭和3年のことだが、当時知りえた地名を元に皇太子たちの名前を作成したのがチョンバレである。

 また、竹内文書の中には、「イスキリス・クリスマスの遺言」というイエス・キリストが残したとされる文書があるのだが、何故か、ファーストネームが「イスキリス」と、「イエス・キリスト」を短縮したようなものであるのに加え、それに「クリスマス」が追加されるというワケの分からなさである。(※その文書の中では、十字架で死んだのは弟のイスキリであって、イエス本人は日本に来て死んだとされる)
 ちなみに、クリスマスの語源は、「キリストのミサ」を意味する英語の「Christ's Mass」である。


 船井様、このような偽書を真に受けないで下さい!




<P.178>
 ともあれ聖書の暗号が科学界においてもこのような扱いとなっていることを、私の現実家としての評価も高めてくれるように思います
 これは、上記のハロルド・ガンズ氏に関する記述や、(その1)で触れた数学学術誌『STATISTICAL SCIENCE』に掲載されたエリヤフ・リップス氏、ドロン・ウィツタム氏、エアフ・ローゼンバーグ氏ら3名の連名による論文等を前提とした記載である。

 そして、ハロルド・ガンズ氏については上述の通りであるし、エリヤフ・リップス氏についても、(その2)に記載した通り、以下の声明を出している。
私は、暗号、およびドロズニン氏が導き出した結論を支持しない。ユダヤ教の『トーラー』からメッセージを抜き出す全ての試みは、虚しくて全く価値がないのだ。これは私自身の意見だけではなく、重大な暗号研究に関わった全ての科学者の意見でもある

※本城達也氏のHP(「超常現象の謎解き」 → 「聖書の暗号」)より
 このように、「聖書の暗号」は科学界で評価されてなんかいない。

 船井様、むしろ、
非現実家としての評価を高める結果になっちゃってますよ。




<P.4>
 そういう意味もあり、世界中から情報が入り、何が正しいかがほぼ客観的に分かる私のいまの立場での、私の最近の考え方の総まとめとして本書をお読みいただければ幸いです。
 船井様は、「何が正しいかほぼ客観的に分かる」らしい。

 「聖書の暗号」しかり、のノストラダムス解釈しかり、竹内文書しかり。その他、レプティリアンやフリーメーソン、イルミナティ等々、ただのトンデモ話にまんまと引っ掛かってしまってるんですけどねぇ。。。


 他にも、次のような記載もある
<P.152>
 どんなことも現実的に客観的に判断するべきです。ただ人の言は一切否定しない方がいいし、差別しないことです。それでよく誤解されます。しかし自分さえ、正しい判断力を持っていれば誤解されてもどうでもいいことです
 「どんなことも現実的に客観的に判断するべきです」って、それが出来ないから、まんまと騙されてるんですよ、船井様。

 また、「自分さえ、正しい判断力を持っていれば誤解されてもどうでもいいこと」らしい。

 ま、それは、本当に、「正しい判断力を持っていれば」の話ですけどねぇ。

 その前提が誤っていることに気付かずに、他からの批判を、「誤解」「どうでもいいことです」と片付けてるようじゃ、いつまで経ってもこのままですよ。





 それでは、最後のツッコミである。
<P.322>
 私にいろんなことをしゃべらせたくない勢力がいて、彼らが私の口内というか肉体の健康をじゃましているような気もします。2003年までの過去10年以上、年に200回以上も講演をこなしてきた私にとって、声を出せないというのは、本当につらいことです。
 
Iさんに調べてもらった聖書の暗号にも、私を邪魔する勢力の存在が記されていました。日本でもトップクラスと思える医師たちに相談をしてきましたが、どうやら物理的な次元からだけでは、私の肉体のトラブルをうまく解明できないようなのです。やはり悪神たちのいたずらなのかもしれません。
 悪神たちの正体を断定することはできません。しかし、
どうやらレプティリアン(爬虫類人)たちに操られたフリーメーソンやイルミナティのメンバーたちのような気もします。それを日月神示では「イシヤ」と表現しています。彼らと戦うのではなく、「抱きまいらせる」ことで彼らを包みこんで協力しなさい、というのが日月神示の教えであり、これは私も納得するところです。

(※管理人注)本書によると、船井様は本書執筆の3年半前から原因不明の病で体調を崩していたらしく、、最近になってその原因が判明して根本的な手術を受け、大きな峠を越したそうである。(P.308-309)
 どうやら、船井さまの活動を邪魔する勢力がいて、船井様は、その勢力を「レプティリアン(爬虫類人)たちに操られたフリーメーソンやイルミナティのメンバーたちのような気」がしているらしい。

 もしかすると、こうやって船井様のボケにツッコミを入れている私も、レプティリアンの手先ということになるのであろうか(笑)

 また、船井様は、「フリーメーソンやイルミナティのメンバーたち」が、いったいどのようにして船井様の口内を病気にしたと考えているのだろうか?
 彼らが呪術的な攻撃を船井様に仕掛けたのだろうか? それとも、彼らは悪霊のようなもので、直接、霊的な攻撃を仕掛けて来たのだろうか?


 船井様、その発想が進むと、被害妄想となって心を病むことにもなりかねませんから、気を付けて下さいよ。




2012.2.21 新規

早く、自分が現実的・客観的になんて考えられていないことに気付かないと、いつまでも恥を上塗りし続けるダケだゾ。