「霊能者・鈴木照玉師が見た祈りの心霊写真(ムー2017年5月号)」にツッコミ!(その3)
※当記事は(その1)(その2)からの続き。


 引き続き、照玉様ご所有の心霊写真、5枚目を見てみよう
「霊能者 鈴木照玉の心霊写真館(ムー 2017年5月号(No.438)) (学研プラス/2017.4) P.9
 おお、これまでの中で一番、心霊写真っぽいな。

 では、ムーの解説。
「霊能者 鈴木照玉の心霊写真館(ムー 2017年5月号(No.438)) (学研プラス/2017.4) P.9
 写真Dへ移ろう。これは、とある邸宅の広大な庭で、照玉師がお祓いを行ったときの写真である。
 「こちらのお庭には、大きな池や滝だけでなく、火災で焼失したホテルにあった石や、いつの時代のものかわからない石灯篭などがたくさんあり、ひとつ間違うと邪気を集めやすい環境でした。それをきれいに整えてほしいと依頼されましたので、現地へ行ったのです」
 写真の左に見えるのは、一心にお経を唱える照玉師。
画面の右上からは七色の光が降りそそぎ左上からは龍の身体を思わせるような黄金の光が差し込んでいる
 その光の中、
照玉師の頭の上には、合掌する観音菩薩のような小さな姿が見てとれる。


(※管理人注) 文字に色を付けたのは管理人(以下同様)
 どうやら、この写真の心霊写真たる所以は、次の3点らしい。
(1).「画面の右上からは七色の光が降りそそぎ」
(2).
「左上からは龍の身体を思わせるような黄金の光が差し込んでいる」
(3).「照玉師の頭の上には、合掌する観音菩薩のような小さな姿」
 一つずつ確認して行こう。

 まず、(1)はレンズフレアとかゴーストと言われる現象で、Wikipediaによる説明は次の通り。
※Wikipedia(レンズフレア
レンズフレアは、カメラによって写真・映像を撮影する際に、極めて明るい光源がレンズに向けて当てられている時や、画角内に極めて明るい光源が存在する場合に生じる、暗部への光の漏れである。
実写の映像で起きる現象をハレーションと呼ぶ事もあるが、
ハレーションはフィルムのベース面で反射した光線が再び乳剤を感光させる現象であり、レンズフレアとは区別すべきである。
レンズ内面での再反射によっておこるフレアは、反射面の曲率や形状によりさまざまな形態のものが生じうる。特に凹面で強い光が再反射すると、光源から画面中心を基準に対称の位置に比較的はっきりとした像が現れるこのような形態のフレアを、
ゴースト(ゴーストイメージ)と言う。
 文章の説明だとよく分からないかも知れないが、私もそれぞれの区別はつかない。とりあえず、「極めて明るい光源があった時、写真に光が線や円等となって写り込むことがある」程度の認識でいいだろう。

 よって、(1)の「七色の光」
カメラの特性として生じうる現象であり、もちろん心霊写真などではない

 そして、写真の「七色の光」をよく観察してみると、光なら本来、真っ直ぐに進むはずが、外に広がるように曲線となっていることが分かる。これはカメラのレンズが平らではなく曲面だからである。
<参考>
 以下のページに掲載されている三つ目の写真には、上記の「七色の光」と同じようなモノが写り込んでいる。
 記述の通り、こちらは意図的にレンズフレアを発生させたものである。


 ○「今日早朝に秩父のパワースポット三峯神社に行って 」 (Yahoo!知恵袋)

 続いて、(2).「左上からは龍の身体を思わせるような黄金の光が差し込んでいる」である。

 そもそも論として、全く「龍の身体」には見えないし、「黄金の光」というのもビミョー。
 
相変わらずムーの中の人、コジツケがヒドイ。

 そして、結論から言えば、これは多重露光と言われる現象で、Weblio辞書による説明は以下の通り。
※ Weblio辞書(多重露光
写真撮影において、1つのコマの中に複数の画像を合成させて写しこむこと。フィルムを複数回露光することで実現でき、そのためには多重露光機構を用いる方法や、スローシャッターやバルブシャッターを用いる方法がある。また、カメラ付き携帯電話のアプリなどにも、多重露光機能を持ったものがあるほか、画像処理ソフトウェアなどでも同様の効果を得ることが可能である。同じ印画紙に2つ以上のネガを焼き付けることも、多重露光と言う。
 こちらも、文章の説明だとピンと来ないかも知れない。
 若い人には馴染がないかも知れないが、アナログカメラの場合で説明してみよう。

 アナログカメラの場合、通常、シャッターを押して1枚写真を撮れば、フィルムを巻いて次の写真を撮る。この場合は、言わば、一重露光である。

 しかし、一度シャッターを押して写真を撮った後、フィルムを巻かずに再度写真を撮ったら、複数の被写体がフィルムに重なって写り込むことになる。これが多重露光であり、上記写真で生じている現象である。
<注>
○他にも、一定時間シャッターを開いたままにする場合も多重露光と言うようである。。

○アナログカメラの場合、通常、1度シャッターを押せば、フィルムを巻かない限り次のシャッターを押せない仕組みになっている。
 多重露光はカメラのテクニックの一つであり、今のデジタルカメラなら特定の操作をすれば出来る仕様になっているものが多い。
 かつてのアナログカメラでも、カメラ下部のボタンを押しながらフィルムを巻けば空回りし、多重露光の写真が撮れたと記憶している(※かなりウロ覚え)。

 もちろん、上記写真は意図的に多重露光にしたものではないだろう。しかし、アナログカメラ時代の心霊写真にはこのような多重露光のものを良く見掛けたもので、以下のサイトでは、このような、偶然に多重露光写真が撮れてしまう原因を「カメラのトラブルなど」としている。
不気味な『心霊写真』を解明する」 (「超常現象謎解き」より)
「不気味な顔が写っている写真」 (※ページ中程)

 
多重露出とは、1枚の写真に2つ以上の画像が写ることをいう。カメラのトラブルなどで知らない間に撮影されてしまうことがある。

 さて、上記心霊写真に戻って、「龍の身体を思わせるような黄金の光」とやらが、何が写ったものであるか、よく観察してみよう。

 少し見れば分かるはずである。似たようなモノが、別の箇所に写っているからだ。

 そう、床の板。結構年季が入っていて木目が浮き出ている。

 まず間違いなく、この「黄金の光」は多重露光で床の板の画像が重なって写ってしまったものであろう。


 最後に、(3).「照玉師の頭の上には、合掌する観音菩薩のような小さな姿」であるが、ここで一旦切って、続きは(その4)にて。




2017.09.12 新規

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オーブにレンズフレアに多重露光。このシリーズの今回の裏テーマは、「カメラテク」なのカ?