『エヴァへの道』にツッコミ!(その3) ・・・ 船井幸雄様
※当記事は(その1)(その2)からの続き。


 当記事では、主に(その2)でのツッコミを元に、船井様の矛盾する行為等について見て行きたい。



<P.60>
 私は経験上、他者の欠点の指摘や批判、悪口などは、言った人にも言われた存在にもマイナスの効果はありましても、プラスの効果は皆無に近いことを知っていますから、決してこのようなことはしないようにしています。もう二十年来のことです。
 船井様の経験上、「他者の欠点の指摘や批判、悪口などは、言った人にも言われた存在にもマイナスの効果はありましても、プラスの効果は皆無に近い」らしく、また、「もう二十年来」もそのようなことは「決して」しないようにしているらしい。

 個人的な手紙をくれた友人に対して書籍という公の場で、「論理性の全くない言い方」と批判し、書き方が悪いと書き方の指南をしておいてですか?(※(その2)の記事を参照))

 「もう二十年来」どころか、同じ書籍の中でやっちゃってますよ?


 しかし、悪口はともかく、「プラスの効果は皆無に近い」って、
んなわけねーだろ

 人の思考や知識には限界があり、自分だけで考えを練り上げて行くのは不可能に近い。当然、他から指摘や批判はあって然るべきもので、それらによって、自分の考えが切磋琢磨されて人は成長して行くのである。

 それをほぼ、全否定って。。。


 さらに、船井様によると
<P.60> (※上記からの続き)
 経営コンサルタントの最大のノウハウ、いわゆる上手に経営したり、上手に生きるベストのコツは、クライアントの長所ばかりを集めてきて、それらを上手に調和させ、それを伸ばせばよいのです。短所などを見つけても、マイナスになることはありましてもほとんどプラスにはなりません。
 「上手に経営したり、上手に生きるベストのコツは」「長所ばかりを集めてきて、それらを上手に調和させ、それを伸ばせばよい」のだそうで、「短所などを見つけても、マイナスになることはありましてもほとんどプラスにはな」らないらしい。

 これも、
んなワケねーだろ

 仮に、従業員のうつ病発病や過労死が頻発しているような企業があっても、そのような短所は無視するんでしょうかねぇ。。。

 ちなみに、船井様は他の箇所では、次のようなことを主張していたりする。
<P.214-215>
◎原則3 正しい方向に進むこと

 次に原則の三つ目をお話します。
 
経営や生き方にはこうすれば必ずうまくいくという、正しい方向があるのです。
 この正しい方向への努力をすればよいのです。
 正しい方向とは、たとえば次のようなものです。
 @一番化
 A単純化
 B固定化
 C万能化
 
Dムダ・ムラ・ムリの排除
 ……です。

(管理人注)文字に色を付けたのは管理人。以下同様。
 このDの「ムダ・ムラ・ムリ」って、「短所」ですよねぇ。それを見つけて「排除」しろって言ってるんですよねぇ。

 「短所などを見つけても、マイナスになることはありましてもほとんどプラスにはなりません」じゃないんですか?




<P.89-90>
 ともかく私はいま自分とその周辺におこる事象と対処法につきまして次のように考えています。
 @自分と自分の周辺でおこることは、全部自分が招きよせたことである。
 Aしたがって、自分や自分の周辺におこることには、すべて意味がある。しかもそれらが必然、必要、ベストの事象になるから、世の中の仕組みはうまくできている。
 Bしたがって、
どのようなことが、自分や自分の周囲におきようとも、そのすべてを肯定し、感謝するのが正しいようだ
 船井様は、「どのようなことが、自分や自分の周囲におきようとも、そのすべてを肯定し、感謝するのが正しいようだ」と考えているらしい。

 これも、上記と同じツッコミを入れておこう。

 個人的な手紙をくれた友人に対して書籍という公の場で、「論理性の全くない言い方」と批判し、書き方が悪いと書き方の指南をしておいてですか?

 確かに、(その2)に記載したように、友人の手紙にアタマにきた事に関しては、最終的に「この非常にむつかしい時代を楽しく生きぬくためには、人間は上手な生き方、正しい生き方、正しい教え方を知ることが大事です。それを検討し知らせるため」(P.94)だったのだと、肯定して終えている。

 しかし、その結論を出す過程では、友人の手紙を、「反発しました」「アタマにきました」
否定。肯定したのは、「『自分自身が友人の手紙を否定したこと』を肯定した」に過ぎず、また、個人的な手紙に対して公の場で非難するのは「感謝」とは程遠い行為である。

 こういう矛盾したことを同時に、かつ、平気で出来るのは、(その2)にて記載した通り、
「自分の都合の良い部分だけを見て、都合の悪い部分を見ない」からである。

 そうやって、自分の都合の良い部分のみを見て、
「ああ、やっぱり自分は、自分の考え通り、『すべてを肯定し、感謝』している」と考えて自己満足しているのである。




<P.292>
 ただ、人より神のほうがレベルが上だとか、人より動植物のほうがレベルが上だとか、人より動植物のほうがレベルが下だなどと時々考えてしまうことがあるのです。われわれの本質(魂)の成長レベルとしてはこの考え方は正しいのでしょうが、それは、この世に存在するものとして、すべては必然、必要、ベストだという平等の真理に反することです。根元では、すべては同じであり、平等なのです。
 普段、
私はすべてを大事にし、すべてを尊敬しています。それだけにすべてと平等、対等につきあうことを忘れないよう、常に心がけるようにしているのです。われわれは、犬や猫より立派な存在ではないのです。
 
最近、ようやくこのことが身についてきました
 
少し成長したようです
 船井様は、「すべてを大事にし、すべてを尊敬し」「すべてと平等、対等につきあうことを忘れないよう、常に心がけるようにしている」らしく、それが、「最近、ようやくこのことが身についてき」て、「少し成長した」そうだ。


 船井様は、「動植物」という言葉を使用して「すべて」と言っているので、大事にし尊敬する対象には、牛も当然、含まれているが、船井様は「牛肉が大好き」(P.92)で食べちゃうらしい。

 しかも、友人に宇宙学の観点から肉食を諌められても拒否。(※(その2)を参照)

 
尊敬する対象を食べるって、本当に尊敬しているんですか?

 「最近、ようやくこのことが身についてきました」
って、そのような気になっているダケじゃないですか?




<P.265-266>
 そこでまず100%のプラス発想人間に変わってみてください。まずマイナス発想する相手や、足を引っぱる相手の言動を100%肯定し感謝してみましょう
 「足を引っぱる相手の言動を100%肯定し感謝してみましょう」と言う船井様。

 言っている本人がそんなことを出来ていないのは、上述の通りである。


 さらに、船井様は「100%のプラス発想人間に変わってみてください」とも言っている。

 これは、坂本政道様や「引き寄せの法則」のエスター・ヒックス&ジェリー・ヒックス様へのツッコミでも記載したように、
「物事の一部だけを見て、安易に結論を出す人間が、よく出す結論」の一つである。

 「100%のプラス発想人間」と言うものが、一体、どのような人間かを想像してみれば、船井様の言っていることが単なる極論に過ぎないことは誰にでもすぐに分かるであろう。

 念の為、坂本政道様へのツッコミの記事(「『分裂する未来』にツッコミ(その2)」)で記載したことを再度、記載しておく。

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 一度、「ポジティブのみの人」と言うのものを想像してみて欲しい。

 例えば、
○巨大台風が近づいてきているのに、「まあ、大丈夫っしょ」と考えて、サーフボードを片手に海に繰り出す。

○夫から暴力を振るわれても、「これって愛情の裏返しなんだわ!」とポジティブに考える。

○赤ちゃんがストーブに触ろうとしているのを見ても、「やけどして、むしろ、熱さに強い子に育つに違いない」とポジティブに考える。
このような考え方をする人が「ポジティブのみの人」であり、それは、ただの愚か者である。

 また、「ポジティブのみの人」を言い換えると、「問題を問題として認識できない人」と言うことができるだろう。

  ○巨大台風が近づいている海に入ることを、問題だと認識できない。
  ○夫から暴力を振るわれることを、問題だと認識できない
  ○赤ちゃんがストーブに触ろうとしていることを、問題だと認識できない

 そして、このような「問題を問題として認識できない人」は、宗教団体などを運営する者にとって非常に扱い易い存在である。

  ○教祖等が矛盾した言動をしても、問題だと認識できない
  ○教祖等の予言が外れても、問題だと認識できない
  ○教祖等から高額の布施を要求されても、問題だと認識できない

 バシャール様の言う「ポジティプのみの人」が、如何に信者として都合の良い人間かがよく分かると思う。
 教祖等の言うことを何でも肯定的に捉えて、受け入れることがポジティブであり、一方、問題視したり、疑問を持ったりすることがネガティブなのである。(ちなみに、「ネガティブのみの人」を言い換えると、「問題のないことも問題として認識してしまう人」と言うことができる)

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 物事と言うものはバランスが大切で、「マイナスの発想」というものも大切なのであり、船井様の言うような「100%のプラス発想人間」を推奨するなんてことは有り得ないのである。


 ちなみに、船井様のように、「100%のプラス発想人間」と言うような、プラスイメージとマイナスイメージのものの内、プラスイメージのモノ(例えば、感謝やポジティブ)のみを極端に推奨するような人物の主張には気を付けた方が良い。

 その理由は、上述の通り、そのような極端な発想は、「物事の一部だけを見て、安易に結論を出す人間が、よく出す結論」であり、それは、その人物が、まともな結論にたどり着く可能性が低いことを意味しているからである。

 そして、物事の一部だけしか見ないから、自分の主張に都合の良い部分のみを見て、「ああ、やっぱり自分の主張は正しいんだ」と思って自己満足するのである。





 以上、続いて(その4)では、そもそも、船井様には本物を見極める力が不足しているのではないかと思われる点について、ツッコミを入れていきたい。



2011.11.15 新規

「物事の一部だけ見て、安易に結論を出す」てのは、どうやら、船井様の思考の特徴のようだナ。

だから、平気で矛盾したことも言えるし、出来るんだヨ。