知的好奇心のススメ(その4)
 ※当記事は(その1)(その2)(その3)からの続き


4.読書の仕方

(2).本選び

 (1)で見たようなキッカケで何かを
「知りたい!」と思い、そこから読みたい本のテーマが決まったら、本屋や図書館へ足を運ぶことになる。

 ただし、同じテーマの本が多数ある場合もあり、どれを選んだらいいのか迷う場合もあるものだ。

 以下では、
「そのテーマについて全くの初心者」であることを前提に、本選びのポイントを記載して行きたい。


@.いきなり本丸に乗り込まない

 例えば、日本の神々に興味を持って、
「古事記を読んでみよう!」と思ったとしよう。そして、岩波文庫の『古事記』を購入して読もうとすると、よっぽどの熱意と気力が無い限り途中でイヤになることだろう。

 注釈はあるものの、本文は現代語訳ではなく読下し文で、意味がよく分からない箇所が多い。その上、聞いたこともない神々の名前が延々続いたりして退屈することになるだろうからだ。

 
分からないことだらけだと、人は不安になって面白味を感じることは出来ない

 観光目的で初めて海外旅行に行く場合、添乗員のいるツアーか、海外旅行に行き慣れた人と一緒に行くことが選ばれることが多い。それはやはり、不安を解消する為である。

 また、仮に、旅行先が英語圏で、かつ、英語が得意な人が一人で行く場合でも、初めての海外旅行なら事前の下調べを十分にするのが通常であろう。

 もし、そのようなことをせずに海外旅行に挑もうとするのなら、
「トランジットって何?」「どうやって切符を買えばいいの?」「え、もう閉店してんの?」「荷物ごとパスポートを盗まれた!」等々、トラブル続きで観光を楽しむことが出来ないことになるだろう。

 
「アマテラスとかスサノオ等は、なんとなく知っている」程度でいきなり『古事記』本文に挑もうとするのは、初めての海外旅行に、ツアーでもなく、行き慣れた人と一緒でもなく、かつ、事前の下調べもなく行こうとすることと同じことなのだ。

 
当然、楽しんで読めない。


 そして、いきなり本丸に乗り込んでいけない理由はもう一つ。

 それは、
分からないこと、初めてのことだらけだと、内容も語句等も頭に入って来ないからだ。

 そのような体験は、誰しも高校時代に体験したはずである。

 例えば、世界史の教科書を開くと、聞いたこともない国名や人名等の語句が並んでいる。しかも、どのページを見ても太字だらけで、そんな聞いたこともない語句をイヤというほど覚えなくてはならない。

 アケメネス朝ペルシャのクセルクセス1世、古代エジプト第18王朝のアメンホテップ4世のアマルナ改革、ローマ5賢帝の一人アントニヌス・ピウス・・・

 名前等を覚えるだけでも大変で、なかなか覚えられなかったり、他の人物とごっちゃになったりと、大変な労力を要し、中には挫折してしまった人もいるだろう。

 そして、
「試験前に付け焼刃で頭に詰め込んで、大人になった今では全く思い出せない」という人も多いはずである。

 それは、
何の基礎も土台もない所に、無理やり世界史という建物を建てようとした結果である。

 そんな建物は不安定で、早々に倒れてしまうものなのだ。

 
せっかく苦労して覚えたのに身に付かないのであれば、ただの徒労と時間の無駄使いである。

 そうならない為には、いきなり、知らない語句だらけの本を読むよりは、もっと新規の言葉の少ない初心者向けの簡単な解説書から入るのがベターなのだ。

 そして、漠然とでも内容を把握し、一部の語句や内容に慣れ親しんで基礎を築いた上で、より複雑で深い内容の書籍へと進んで行くべきなのである。(※初心者向け解説書でオススメのものは、別途、後述する)
<補足>
 上記はあくまで、「一般的に、こうする方がベター」と言う程度のものであり、「こうでなければならない」と言うものではない。

 気力と集中力が続く人で、
「いきなり本丸に切り込み、苦労しながらも何度も繰り返して読むことによって内容を理解して行く方が性に合っている」という人は、もちろん、そのようにしてもらって構わない。

 要は、自分に合った方法を選べばいいのである。


A.分厚い本・文字数の多い本は避ける

 分厚い本・文字数の多い本というのは、@で述べた「本丸」と同等と考えていい。

 そのような本はやはり、
新規の言葉だらけで楽しめないし、頭にも入って来ない

 また、文字数が多いということは、
「読むのに時間がかかる」と言うことでもあり、特に、本を読むことに慣れていない人は途中で集中力が続かなくなったり、飽きたりしてしまうことになる。

 さらに、最初の内は、短時間で読める本を何冊も読むことによって、
「よし、もう○○冊も読んだぞ!」本を読む充実感と楽しさを簡単に味わえることになる。


 なお、もちろん、分厚いページ数の多い本であっても、
「見開きの片方のページが、もう片方の文章の内容を図式化したもの」というような、実質的な文字数が少ないものであれば問題ない。




 ※(その5)の「4−(2)−B.イラストや図の多い本を選ぶ」に続く



2016.01.26新規

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