Aさんは、毎朝、駅まで15分の距離を歩いているが、今日は寝坊してしまい、自転車で駅へと向かった。
駅には少し離れた場所に有料の駐輪場があるが、そこまで行く時間がおしい。駅の入口付近をを見ると駐輪禁止ではあるが、多くの自転車が止まっていた。
「まあ、ここでいいだろう」と思い、自転車を止めようとすると、突然、声を掛けれらた。
「あなた、ここは駐輪禁止ですよ!」
振り返ると、サラリーマン風のおじさんが立っていた。たまたま通りかかっただけのようだ。
「す、すいません・・・」
Aさんはそう言うと、仕方なく駐輪場へと向かった。
しかし、ムシャクシャして納得できない。
(他にもいっぱい駐輪しているのに、なんで、オレだけ)
(毎日違法駐輪しているヤツがいるんだから、まず、そっちを注意しろよ)
(駐輪したって、人は通れるから問題ないだろうに)
(あんな鬼のような形相で注意する必要ないじゃないか)
(あそこに止めれば間に合ったのに、おかげで遅刻確定だ、どうしてくれるんだ)
(いったい、あのオッサンは何の権限があって注意して来たんだ?)
(ああ、ホント、最悪だ。今日はなんて、ついてないんだろう!)
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