『宇宙からの大予言』にツッコミ!(その5) ・・・ 松原照子さま
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)からの続き


 当記事では、松原様による世紀末(20世紀)の
世界に関する予言を見て行きたい。

 まずは、チェルノブイリ原発事故関連。
『宇宙からの大予言』 (松原照子/現代書林/1987.1) P.100
  こうなる1987年から1992年の世界

■ソ連原発、事故後の恐怖
 1986年5月7日、初めて事故の模様を私のビジョンとしてとらえたとき、それは恐ろしい画像でした。
 キエフを中心に、やや北に向かい130キロメートル圏内は、今後、真の恐怖地帯となるでしょう。そして、その周辺170キロメートル圏は、どんな消毒液もきかない地帯であり、
原発事故の起きた地下数千メートルは、これから10年間に渡り、汚染されていきます。われわれの目で見ることのできない物質が、日ごとに地下へ進み、地下数千メートルに達したとき、地球全体に大きな恐怖をもたらすでしょう。このことが原因で、地球上の人間を350万人、大量殺戮することになります。いまの時点で、放射能が即、殺人に結びつくわけではありませんが、時とともに、野に散り、海を渡り、地球全体へと早い勢いで蔓延していきます。


(注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様)
 どうやら、チェルノブイリ原発の「地下数千メートル」「これから10年間に渡り、汚染されてい」き、そのことが原因で「地球上の人間を350万人、大量殺戮することにな」るらしい。

 何を言ってるんだろうねぇ、松原様は・・・(笑)

 どうやら、松原様は
チャイナ・シンドローム的なことを言っているようなのであるが、以下はWikipediaの説明である。
Wikipedia「チャイナシンドローム(映画)」より
タイトルの「チャイナ・シンドローム」とは原発事故の状態のうち、核燃料が高熱によって融解(メルトダウン)して原子炉の外に漏れ出すメルトスルーと呼ばれる状態を意味する本作独自の造語で、もしアメリカ合衆国の原子力発電所がメルトダウンを起こしたとしたら、融けた燃料が重力に引かれて地面を溶かしながら貫いていき、地球の中心を通り越して反対側の中国まで熔けていってしまうのではないか、というブラックジョークである。実際に原発事故でメルトダウンが起きたとしても、実際には核燃料が地球の裏側まで到達するようなことは起こらず、またアメリカ合衆国から見た地球の裏側(対蹠地)が中国というのも正しくないが、劇中に登場した「チャイナ・シンドローム」という造語は映画の公開を通じ、メルトスルーを意味する用語として一般にも広がることになった
 松原様は、このチャイナ・シンドロームがチェルノブイリ原発で現実に起きていると思ったのだろう。

 しっかし、「350万人、大量殺戮」って。

 
ハズレ過ぎやで。


 続いて、リビアのカダフィ大佐に関する予言。
『宇宙からの大予言』 (松原照子/現代書林/1987.1) P.101
リビア 突風が吹く季節、岩肌の多いテントキャンプで、親衛隊8〜10名を従えた戦闘服姿の褐色の肌をした指導者が、戦闘の中で死に、その1、2カ月後、この余波は西アフリカへ飛火します。

 〜(中略)〜

 いま、リビアは、
海岸ぞいを強化する動きを開始しないと、多くの国民が焼死することになります。リビア国民は、指導者の思いのままに動くより、自分と自分の大切な人を助ける想いを高め、攻撃より守りの体制を固めるようにしないと、国が沈下します。1988年までには、カダフィの名前は、新聞から消えるでしょう。
 「親衛隊8〜10名を従えた戦闘服姿の褐色の肌をした指導者が、戦闘の中で死に」「1988年までには、カダフィの名前は、新聞から消える」とあり、どうやら、カダフィ大佐は1988年までに亡くなるらしい。

 
はい、ハズレ。

 カダフィ大佐が亡くなったのは
2011年。リビア内戦においてであった。

 また、「多くの国民が焼死」とあるが、そのようなことも無かった。(※参考:Wikipedia(リビア))


 続いて、イラク。
『宇宙からの大予言』 (松原照子/現代書林/1987.1) P.102
イラク 「バグダッドの盗賊」(映画)の舞台となった地の風景はなくなり、国名は地図から消えます。イラクは遅くとも1999年までに滅びるでしょう。
 どうやら、イラクは1999年までに「国名が地図から消え」、滅びるらしい。

 
もちろん、現在もイラクという国は存在している。

 イラクは1991年の湾岸戦争でアメリカに敗れ、
2003年に起きたイラク戦争では再びアメリカに敗れて、一時占領統治されることになった。

 若干、近いと言えば近いが、漠然とした内容である上に年もハズしている。

 また、松原様の書籍が発売された当時、オカルト系の未来予言に関する書籍等では、
「世紀末に中東で最終戦争が勃発して・・・」という論調が多く、また、その中で、血気盛んなサッダーム・フセイン大統領率いるイラクは中心的役割を担わされることが多かった。

 松原様の上記予言も、そのような書籍等の影響を受けた結果であろう。


 次に、同じく中東関連でイラン。
『宇宙からの大予言』 (松原照子/現代書林/1987.1) P.102-103
イラン 〜(中略)〜

人間としての真の愛に目覚め自我の愛を大切にし、真に勇気ある指導者をみつけないかぎり、2000年を喜びの中に迎えることはできません。ホメイニ首相は数年前に死んでおり、現在の人は影武者です。 〜(中略)〜 これからの多くのテロの動きはカダフィを背景に魂を売った何人かの人間がここから各地へと飛び立っていく動きです。
 イランが戦争をしていたのは、1980年に始まり1988年に停戦合意したイラク・イラン戦争。その後、戦争はしていない。

 松原様は、「人間としての真の愛に目覚め自我の愛を大切にし、真に勇気ある指導者をみつけないかぎり、2000年を喜びの中に迎えることはできません」と予言しているが、イランはそのような指導者を見つけることが出来たのだろうか??(笑)

 また、「多くのテロの動きは」「ここから各地へと飛び立っていく」ともあるが、アメリカは1984年にイランをテロ支援国家として指定しているので、別に予言でもなんでもない。(※参考:Wikipedia(イラン))


 続いて、ヨルダン。
『宇宙からの大予言』 (松原照子/現代書林/1987.1) P.104
ヨルダン 兵器を多く購入し、世界へ牙を向けます
 この国には、日本の大手企業が関与し、恐怖の手伝いをしたぶん、痛手を受けるでしょう。ヨルダン国民すべてが、いま、戦いの動きを止めないかぎり、国民全員が足を切られ、歩くことも這うこともできなくなります。国中がアリ地獄となり、這い上がることなどまったくできません。
 日本の企業は一日も早く手を引かないと、大きな祟りを受けることは間違いありません。
 
今後、ヨルダンの名は、死とつながり、新聞に多く登場するでしょう
 松原様が予言しているようなことは一切無かった。(※参考:Wikipedia(ヨルダン))

 理由は不明だが、松原様は世紀末の最終戦争で、ヨルダンが中心的役割を担うと思っていたのかも知れない。


 中東関連では最後にシリア。
『宇宙からの大予言』 (松原照子/現代書林/1987.1) P.104-105
シリア シリアはシニヤに変わり、これらか起こる幾多の人災の手助けをします
 レバノン、ベイルート、ダマスカス、これらの地に住む民は、いまから多くの兵器を目で見ることができ、”天に向かって唾を吐くとわが身に返る”体験もできます。
 この国のバカな指導者は、ソ連についたりアメリカについたり、自分の想いを金に変え、
ビルというビルは壊されます
 目が見えなくなった間に、テロ軍団が集結し、悪の代表者たちの巣ができます。地下数メートルの岩盤の要塞があり、ここからテロ軍団が世界各地へと送り込まれていきます。

 どうやら、「シリアはシニヤに変わ」るらしい。

 一瞬、国名のことを言っているのかと思ったが、どうも、
「シニヤ→死に屋」のダジャレのようである。

 分かりにくいよ、松原様・・・

 また、「ビルというビルは壊されます」とあるが、松原様の予言後、世紀末(20世紀)までにシリアは他国を侵略することも侵略されることも無かった。

 なお、2011年に始まり現在も継続中のシリア騒乱が「ビルというビルは壊されます」という表現に近いと言えば近いが、松原様は本節の題を「こうなる
1987年から1992年の世界」と銘打っているので全く関係がないであろう。(※参考:Wikipedia(シリア))




 以上、御覧の通り、どうしようもない程のデタラメ予言ばかり。

 松原様、他のインチキ予言書と同様、世紀末に中東で多くの国を巻き込んだ戦争が勃発すると思っていたのだろう。


 それでは引き続き、(その6)でも他の国々に関する予言を見て行きたい。



2014.12.30 新規

    精神世界
   (※「AIRランキンク」゙さんの精神世界ランキング。クリックすると、当HPに一票入れたことになります)


「シリアはシニヤに変わり」という表現に「何を言ってるんだ??」と悩んだ末、「死に屋」と気づいて苦笑したヨ・・・