『宇宙からの大予言』にツッコミ!(その6) ・・・ 松原照子さま
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)からの続き


 当記事では(その5)に引き続き、松原様による世紀末(20世紀)の
世界に関する予言を見て行きたい。なお、(その5)でも述べた通り、これらは基本的に「1987年から1992年」の予言である。


 まずは、ヨーロッパの国々の予言で、ポルトガル。
『宇宙からの大予言』 (松原照子/現代書林/1987.1) P.107
ポルトガル 国民は、船で逃げなくてはならない事態が起き、リスボン周辺は、空港内と飛行機のテロ事件が多発するでしょう。これもカダフィ陣営の影響を受けています。
 また、ヨーロッパのどの国の上空かわかりませんが、1987−1988年ごろ、飛行機の空中爆破があり、著名人が乗り合わせています。

 ポルトガルにおいて、「国民は、船で逃げなくてはならない事態が起き」たり、「空港内と飛行機のテロ事件が多発する」といったことは起きなかった。(※参考:Wikipedia「ポルトガル」)

 また、後半で「ヨーロッパのどの国の上空かわかりませんが、1987−
1988年ごろ、飛行機の空中爆破があり、著名人が乗り合わせています」とあるが、これに近いのが、1988年に起きたパンアメリカン航空103便爆破事件である。

 パンアメリカン航空103便は、フランクフルトからロンドンを経由してニューヨークへ向かう予定であったが、ヒースロー空港を飛び立った後、スコットランド地方のロッカビー上空を飛行中に貨物コンテナが爆発。機体は空中分解し、乗員16名、乗客243名全員と、巻き添えになった住民11名の計270名が死亡することになった。
 この事件は、アメリカによる1986年のリビア空爆に対するリビアの報復テロであった。(※参考:Wikipedia「パンアメリカン航空103便爆破事件」)

 そして、この爆破テロは、松原様の予言と「ヨーロッパ上空」、「1988年」、「飛行機の空中爆破」という点で一致している。

 ただし、前半部分がデタラメである上に、これまで見て来たデタラメ予言のオンパレードを勘案すれば分かる通り、まさにこれこそが
「ヘタな鉄砲数撃てば当たる」というヤツである。

 なお、松原様は爆破された飛行機に「著名人が乗り合わせています」とも予言しているが、Wikipedia「パンアメリカン航空103便爆破事件」を見てもそのような情報は記載されていない。


 続いて、フランス。
『宇宙からの大予言』 (松原照子/現代書林/1987.1) P.107-108
フランス いまから世界の名画、その他の美術品を一つひとつ大切に扱わないと、破壊されます。国の政権の土台がしっかりしていないことも手伝い、国自体がぐらつくでしょう。大将をもてぬ弱さを世界に見せ、英国を中心にあちこちからむしられます
 そして、大統領がはっきりしないところから、大きく、フランスの流れを変えることでしょう。


(注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様)
 フランスは、「国自体がぐらつ」き、「英国を中心にあちこちからむしられ」るらしい。

 
ハズレ。


 次に、イギリス。
『宇宙からの大予言』 (松原照子/現代書林/1987.1) P.110
イギリス 日本が世界で目立つと同様に、これから、世界の動きに積極的に顔を出していきます。 〜(中略)〜 サッチャー首相は今後、多くの難題を、国民から発せられる声の中に聞き、自身の政治家としての生命の短さへの恐怖を心に植えつけられます。また、ふたたびフォークランドへ船を出し、アルゼンチンに船上から発砲するでしょう
 結婚式で嬉々としていた
アンドリュー王子の幸せは、長続きせず、40歳までに戦死します。
 サッチャー首相は、この本が世に出るころあたりから孤立し、一ヵ月を数年の思いで過ごし、
サッチャー首相の政権は、先が見え始めるでしょう。 
 まず、「ふたたびフォークランドへ船を出し、アルゼンチンに船上から発砲する」とあるが、1982年にフォークランド紛争が起きた後、再び同様の紛争が起きることは無かった。
 むしろ、1990年にイギリス、アルゼンチン両国の国交が回復し、戦争状態が終結した。(※参考:Wikipedia「フォークランド紛争」、Wikipedia「フォークランド諸島」)

 
ハズレ。

 次に、「アンドリュー王子」「40歳までに戦死」するとあるが、アンドリュー王子は
現在も存命である。ハズレ。(※参考:Wikipedia「アンドルー(ヨーク公)」)

 最後に、「サッチャー首相の政権は、先が見え始めるでしょう」とあるが、サッチャー首相の在位は1979年5月4日-1990年11月28日で、本書が発売されて4年弱後に首相の座を退くことになった。(※参考:Wikipedia「マーガレット・サッチャー」)

 そもそも、本書発売の時点で約8年の長期政権であり、それに対して「先が見え始めるでしょう」と曖昧な予言をすれば、
「そりゃまあ、当たるでしょ」という話である。


 続いて、西ドイツ。
『宇宙からの大予言』 (松原照子/現代書林/1987.1) P.111
西ドイツ 今後少しの期間は、目を覆い、まわりを見ない動きをとります。ベルリンの沈黙は頭脳の沈黙であり、過去の流れからしても自閉的になるでしょう。しかし、それも長くは続かず、ソ連につつかれるぶん、東ドイツとの国境に目を光らせ、チェコスロバキアに目を向け、この流れは、ベルリン、プラハ、ウィーンでとまりますが、このとき、オーストリア、ハンガリー、ユーゴスラビアの国ぐにが、興味深い動きを見せます。
 曖昧で漠然とした内容で、何を言っているのか分からん・・・

 「チェコスロバキアに目を向け、この流れは、ベルリン、プラハ、ウィーンでとまります」とあるのを鑑みると、西ドイツがこれらの国・都市に攻め込むことを示唆しているのだろうか??

 ま、少なくとも松原様には、1989年のベルリンの壁崩壊とそれに続く1990年の東西ドイツ統一は視えなかったようだ


 最後に、ヨーロッパ全体の予言。
『宇宙からの大予言』 (松原照子/現代書林/1987.1) P.112
ヨーロッパ全体 ヨーロッパ地方の戦いが落ち着くころこの一帯の人口は、争いを起こす気持ちをもたなくてもすむ程度の、人間らしく生きるにふさわしい数になるでしょう
 ソ連原発事故の影響は、これから何代かに渡ってあります。
 これまでもチョロチョロと予言されていたが、「ヨーロッパ地方の戦いが落ち着くころ」とあるのを鑑みると、どうやら松原様、ヨーロッパでも第三次世界大戦的なものが起きると思っていたようだ

 しかも、その戦争でヨーロッパの人口は、「争いを起こす気持ちをもたなくてもすむ程度の、人間らしく生きるにふさわしい数になる」らしい(笑)

 まあ、個別の国々の予言がデタラメなのだから、ヨーロッパ全体の予言など当たるはずもなし。




 以上、ホンットにグダグダな松原様の予言。

 松原様、(その5)で見た中東の予言と同様に、ヨーロッパでも世紀末に大戦争が起こると思ってたわけですな。


 続いて、残りの主要な国々の予言は(その7)にて見て行きたい。



2015.01.06 新規

    精神世界
   (※「AIRランキンク」゙さんの精神世界ランキング。クリックすると、当HPに一票入れたことになります)


ここまでデタラメだと、見てるコッチが恥ずかしくなって来るナ。。。