「光の時代がはじまりました」にツッコミ!(その5)・・・越智啓子さま
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)からの続き


 これまで見て来た通り、越智啓子様はアセンションしたことによって、
○身体が透明化している
○時間を変容させることができる
○思いのままイルカを引き寄せることができる
などと称していた。

 当然、我らの越智啓子様がこんな程度で済むワケもなく、、、
『光の時代がはじまりました』 (越智啓子/徳間書店/2012.3) P.192
 時間の次は天気の実験です。天気も自分の意識で変えられます


(管理人注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様)
 「天気も自分の意識で変えられます」とあり、どうやら、越智啓子様、天候も操れるらしい(笑)

 続いて、具体例を記載してくれているので見てみよう。
『光の時代がはじまりました』 (越智啓子/徳間書店/2012.3) P.192-193 (※上記からの続き)
 クリエイティブスクールのときに、早朝、海で遊ぶワークがありました。大きな台風がきていて、とても海が荒れていました。雨が降ってきて寒く感じはじめましたが、引き上げずに、思いきって海のなかにみんなを誘いました。
 海へ入ってみると、かえって外気より温かくてびっくり! そのうち雨もやんで青空が見えてきました。
台風に、「海で遊びたいからお願いね!」と投げキッスとウインクをしてみたのです。
 大波にもまれて
「キャー」と黄色い声を出しながら、かえってとても楽しく、インナーチャイルドが喜ぶ海遊びができました。みんなで手をつないで輪になって、1人ひとりが、
 「人生最高ブラボー!」
 「地球大好き!」
 「私ははじけます!」
 などの好きな宣言をして、そのあとみんなで同じ宣言をして飛び上がるという遊びをしたのです。
 
台風がすぐそばで待ってくれて、投げキッスとウインクが効いたのか、くるくると旋回しているあいだに、快晴の天気のもと、花火まで打ち上げることができました夕焼けがこの世のものと思えない輝きで、思わずうっとりして見つめました。
 
スクールが終わったら、台風も動き出して、それにもびっくりでした。台風も意識を持っています。対話が可能なのです

 どうやら、越智啓子様が「台風に、『海で遊びたいからお願いね!』と投げキッスとウインクをし」たら、「台風がすぐそばで待ってくれて」「快晴」だったらしい。

 なんじゃそりゃ。

 そして、「台風も意識を持っています。対話が可能なのです。」とのお言葉(笑)

 「天気も自分の意識で変えられます」って言ってたから、まぁた「引き寄せの法則」かと思ったら違うじゃん。
 「自分の意識で変え」たんじゃなくて、
「台風にお願いして変えてもらった」んでしょ?

 まあ、どっちでもいいけど、越智啓子様自身、いろんなものがゴッチャになって区別が付いていなさそうだ。


 さて、こんな話を真に受ける人はいないと思うが、念の為、検証してみよう(※と言いつつ、真に受ける人もいるので困ったものであるが)。

 まずは大前提となる事実関係である。

 越智啓子様は、この出来事について具体的な地名や日時を記載してくれていないのであるが、まず間違いなく、
○日  : 平成23年(2011年)9月17日
○場所 : 沖縄県恩納村(おんなそん)
 (※沖縄本島の中央よりやや西寄りの北部に位置する村) 
○台風 :平成23年第15号台風
である。

 最後の台風から見ると、Wikipediaには次のように記載されている。
Wikipedia「平成23年台風第15号」より
 平成23年台風第15号は、2011年9月13日に発生した台風である。

【進路・状態の経緯】

9月13日午後9時 - 日本の南で台風15号となる。
9月15日午後6時 - 南大東島に接近。以後沖縄本島近海で停滞、迷走。
9月19日午後5時 - 大型の台風となる、午後9時 - 強い台風となる。
9月20日午後9時 - 非常に強い台風となる。


【概要】
 マリアナ諸島の北で発生した熱帯低気圧が徐々に発達し、13日午後9時に日本の南海上で台風となった。その後ゆっくりと発達しながら西に移動し、沖縄本島近海で停滞。3日間かけて、反時計回りの円を描いて海上を一周。その後一時北へ移動した後、北東に進路を変えて速度を速めるとともに、急速に勢力を強めた。21日午後2時過ぎに静岡県浜松市付近に上陸。
 この台風は、2011年9月13日に発生し、15日午後6時に南大東島(*)に接近。その後、沖縄本島近海で停滞。3日間かけて、反時計回りの円を描いて海上を一周」というアクロバッティックな動きをしたようである。(*南大東島は、沖縄本島の約400km東方に位置する島)

 そして、越智啓子様は次の通り、同時期の16日から18日にかけて沖縄県恩納村にて「スクール」を実施しており、かつ、「海岸」でのイベントや「花火の打ち上げ」が本書の記載と一致している。
Dr.啓子 クリエイティブスクール 第4期 〜Part4〜 」より
内容 ★2011年9月16日(金)・17(土)・18日(日)※宿泊あり
Part.4 自然の中の瞑想
海岸でのオブジェ作り
夢のコラージュブックのシェアリング
グループミュージカルの発表
花火の打ち上げ
日時 2011年9月16日(金) 10:00〜18:00(9:30より受付開始)
2011年9月17日(土) 08:00〜18:00
2011年9月
18日(日) 09:00〜16:00
※2泊3日の宿泊となります。
場所 ペンション美留
沖縄県恩納村真栄田1904-1
 また、本書には「スクールが終わったら、台風も動き出して」との記述があったが、該当「スクール」が終わったのは18日16時、一方、平成23年第15号台風「19日まで停滞して『19日21時に奄美大島近海』という動きであり(*)、やはり符号している(ただし、「スクール」終了が18日16時で、台風停滞終了が19日で微妙なタイムラグはあるが)。
(*)先述のWikipediaでは、いつ停滞が終わったのか明確ではないが、他に次のような記載がある。
 9月13日21時に日本の南で発生した台風第15号は、日本の南海上を北西に進み、16日から19日にかけて南大東島の近海で停滞した後19日21時に奄美大島近海で強い勢力となった。その後、進路を北東に変えて次第に速度を速め、20日夜遅くには四国の南海上に達し、非常に強い勢力となった。21日にはさらに速度を速めて東海沖を北東に進み、強い勢力を維持しながら14時頃に静岡県浜松市付近に上陸した。


※「平成23年 台風第15号に関する気象速報」 (HP「東京管区気象台」より

 
以上、越智啓子様の言う台風は、平成23年第15号台風のことだと考えて問題ないだろう。

 さらに、この「スクール」は2泊3日で行われているが、本書に出てきた「早朝」「夕焼け」というキーワードから、
越智啓子様が台風と会話した日は「2011年9月17日」だと特定できる

 16日は10時開始で早朝ではない上に集合日であり、18日の終了時間の16時は夕焼けを見るには早いからだ。


 それでは、事実関係を押さえたところで、本書の記述に戻ろう。

 そして、いきなり結論であるが、
「越智啓子様による台風との会話」と「台風の停滞」の間には、因果関係はない

 なぜなら、
「台風は、越智啓子様が台風と会話した日(2011年9月17日)の前日(9月16日)から、既に沖縄近海で停滞していた」からである。

 台風経路図で確認すると次の通りで、むしろ、
「15日午後9時には停滞が始まっていた」と言ってもいいくらいである。


※「台風経路図 平成23年(2011年)」より (HP「気象庁」)
※左下の枠が、沖縄近海での動きを拡大したもの
※経路上の数字は日にち。○印は傍らに記した日の午前9時、●印は午後9時の位置
 また、下記リンク先で、当時の雨雲の動きを確認してみると、越智啓子様が台風を会話する以前から沖縄本島の雨雲は少なく、当然ながら、会話した17日に雨雲が異常な動きを見せるわけでもない
台風第15号の気象レーダーによる観測結果 (HP「気象庁」)
 こちらも、「越智啓子様による台風との会話」と当時の天候の間には、因果関係がないことを示している。


 以上、このように、事実関係をきちんと押さえて検証してみれば、
所詮、越智啓子様の話など、この程度のものなのである。

 なお、参考までに記載するとに、
沖縄近海で停滞等の変わった動きをする台風は、それほど珍しくはない

 例えば最近では、今年(2016年)の台風10号が沖縄の南大東島の東海上で停滞していた。
Yahooニュース「台風10号 動き遅く沖縄は長期間影響 週末以降の進路に注意」2016/8/23
 台風10号が沖縄の南大東島の東海上にあり、ほとんど停滞している。進行方向に高気圧があるため、今後も動きは遅い予想だが、海面水温の高い海域を進むため発達を続ける見込み。大東島地方では、うねりを伴った高波に警戒するとともに、強風に注意が必要だ。
 また、沖縄近海でループを描くような複雑な動きをした台風では、次のようなものがある。
Wikipedia「複雑な動きをする台風」より
○昭和39年台風第14号
  台風16号との相互作用によって
沖縄南東海上で大きく円を描いて進み・・・

○平成8年台風第12号
 8月6日に発生し、
数日にわたり沖縄近海をゆっくりとした速度で複雑な進路を取り、8月14日に九州に上陸した。

○平成13年台風第16号
 沖縄の南で発生し、
約10日間に渡って沖縄付近で複雑な動きをした。沖縄では長時間にわたって暴風雨にさらされ、島のライフラインに影響が出るなどした。


(※管理人注)リンク先に掲載された台風の進路図も合わせて参照されたい
 このように、越智啓子様が台風に「投げキッスとウインク」をしなくても、沖縄近海で長期間うろちょろしている台風はあるのである。




 続いて(その6)でも、天候を操る越智啓子様を見て行きたい。



2016.09.20 新規

    精神世界
   (※「AIRランキンク」゙さんの精神世界ランキング。クリックすると、当HPに一票入れたことになります)

 

「ただの偶然」を都合良く、自分の思いや行為の結果だと思い込んじゃうのが越智啓子様だゾ。