『心の発見 現証篇』にツッコミ!(その3) ・・・ 高橋信次さま
※当記事は、(その1)(その2)からの続き


 
「意識(=魂)は思考と記憶を司り、肉体とは別次元の存在である」とし、無茶苦茶な論証をしてくれていた高橋信次様。

 (その2)の文章の続きではあるが、少し飛ばして、「魂と肉体は別」であることの別の根拠をあげてくれている箇所があるので、そちらを見てみよう。
<P.41-42>
 ある人々は、心を精神といっている。
 その呼称は似たようなものだろう。
 精神も、それぞれの人によって異なる性格があるし、人によって特徴があるのは当然のことであろう。
 うん、そうだね。

 そして、
<P.42> (※上記からの続き)
 また人によっては、魂まで両親がくれたものだと思っている者も多い。
 しかし、
もし両親が魂まで与えてくれたとしたなら、その個性の考えていることや思っていることが、なぜ両親と異なることが多いのであろうか。
 
「親の心子知らず」ということわざがあるが、そんな卑近な例によっても、魂と肉体とは別のものであるということは判るはずだ


(※管理人注)文字に色を付けたのは管理人(以下、同様)。
 ここでは、つまり、次のような主張。
<根拠> 両親と子供とでは個性が異なることが多い

      ↓ よって

<結論> 
魂と肉体とは別のものである 
 これまた、「は??」と返答したくなるような、説得力ゼロの論理展開。

 そして、その前提として、どうやら高橋信次様は、
 魂が両親が与えてくれたものであるなら、その個性は両親と同じものになる
と考えているらしい。

 ・・・あのぉ、生まれてからの経験が異なれば、当然、個性も異なるものになるんじゃないですかねぇ。

 子供は、身近な親の言動から学習し、かつ、教育や躾を受け、また、様々な経験を経て自己を形成して行く。

 その結果、形成された個性は、親と似ている部分もあるし、そうでない部分もある。

 それだけの話なのであるが、上述のような安易過ぎる論理展開。まあ、高橋信次様らしいが。

<一部訂正> 2018.5.8追記
 上記では、高橋信次様が「個性」が異なるっていることについて語っているとしていますが、正確ではありません。

 高橋信次様が言っていることは、正確には個性の考えていることや思っていること」が異なっていることについてです。

 ここにお詫びして訂正させていただきます。

 ただし、だからと言って論旨には変更がない為、上記の内容を修正することなく、このままとさせていただきます。

 そして、、、
<P.42> (※上記からの続き)
 特に、現代社会のなかにおいては、親子の断絶などと騒がれている。断絶とは何か。
 
この事実を見ても、心の世界は、肉体の次元のそれとは異なるということが明らかであろう
 なんか、「親子の断絶」から、「この事実を見ても、心の世界は、肉体の次元のそれとは異なるということが明らかであろう」と結ぶ高橋信次様。

 
いやいや、全然、「明らか」じゃないから!なんで、そんな自信満々なの??

 
高橋信次様って、すっげぇ根拠脆弱もいいところから、ムチャクチャ強固な結論に達してしまう人なんだねぇ。


 さらに、高橋信次様の思考のムチャクチャぶりを見てみよう。

 以下は、高橋信次様と脳外科医とのやりとりである。
<P.236>
 ある脳外科医はまた、こんな質問をした。
「私が扱った患者で、脳手術の前は、常にいらいらして感情的に起伏のあった人が、手術の結果、人が変わったようにおとなしくなり、物ごとも正しく判断できるようになった。やはり人間は、肉体的条件が絶対であると思う。どうですかね」
 このように、
<脳手術の前> 「常にいらいらして感情的に起伏」

       ↓

<脳手術の後> 「人が変わったようにおとなしくなり、物ごとも正しく判断できるようになった」
という事例をあげる脳外科医。

 この事例は、高橋信次様の次の主張を否定するものである。
〇意識(=魂)は思考と記憶を司り、肉体とは別次元の存在である。
 意識(=魂)が思考を司って、肉体とは別次元の存在であるなら、脳をいじっても性格が変わったりしないはずだからである。(※上述のように、高橋信次様は個性と言った性格的なものも魂が司っていると考えている)

 補足しておくと、この脳外科医はロボトミー手術のことを言っている(のだろう)。
 ロボトミー手術を簡単に説明すると次のようなものである。 
 1935年、アメリカの研究者がチンパンジーの前頭葉を切除する手術を行ったところ、チンパンジーの神経症が克服され性格が穏やかになった。

 この結果は人間にも応用されるようになり、
統合失調症,双極性障害(うつ病),その他の精神疾患をもつ重篤患者に対する抜本的な治療法として実施されるようになった。

 
手術の結果にはばらつきがあったが,当時は興奮状態,幻想,自己破壊行動,暴力などの症状を抑える治療法がほかにほとんどなかったことから,広く行なわれるようになった。

 しかし、ロボトミーを受けた患者には、
無気力,受動的,意欲の欠如,集中力低下,全般的な感情反応の低下などの症状も多く現れた。

 1950年代半ばに入り,精神病患者の治療や症状緩和に効果的な薬が普及すると,ロボトミーはほとんど行なわれなくなった。

 
日本では、1975年に日本精神神経学会がロボトミー手術の廃止を宣言し、以降、精神疾患に対してロボトミー手術を行うことは、精神医学上禁忌となった


<参考>
〇『教科書には載せられない 悪魔の発明』 (歴史ミステリー研究会編/彩図者/2018) P.153-157)
〇コトバンク「ロボトミー
〇Wikipedia「精神外科

 で、このような、自分の主張に反する事実に対して高橋信次様は、、、
<P.236> (※上記からの続き)
 私は、聞いてみた。
「同じようにいらいらしていた性格の者達が、全員良い結果が出たということですか」
「いや、全員とはいえません」

 
なるほど、と私は思った。地獄霊は、正しい心の在り方を知っている人には憑かないが、不調和な心の人々には、肉体までも支配するということもあるだろうと思ったのだ。
 上記脳手術の効果が100%か聞き、100%でないことを確認する高橋信次様。

 そして、
<P.236-237> (※上記からの続き)
 私達の心の針が指している状態が、地獄か極楽かということである。その状態が地獄に通じていれば、不調和な地獄霊に支配され、感情の起伏が激しくなるのも当然だ。それが、手術というきびしい環境に会い、多くの患者のなかには、自ら心を修正して、気分転換する人もいるから、医術によって心まで治る者も出てくるといえるのだ。
 ここで言っていることをまとめると、次の通り。
@心が地獄に通じていると地獄霊に支配され、感情の起伏が激しくなる
A手術という厳しい環境の中で、患者のなかには自らの心を修正するものもいる
Bよって、医術によって心まで治る者も出てくる
 つまり、手術とは直接関係なく、「心を修正したから、地縛霊が支配できなくなって、性格が治った」と言ってるワケである。

 
すっげぇよな、このバイアスかかりまくった思考。
<参考>「バイアス」(コトバンク)
<デジタル大辞泉の解説>
Cイ 先入観。偏見。

<大辞林 第三版の解説>
C 考え方や意見に偏りを生じさせるもの。 「発言に−がかかる」

 高橋信次様の言っていることが正しければ、
ロボトミー手術自体の効果は無いことになる。
 そして、事前にロボトミー手術をすると患者に伝えて、その準備をしているフリをすれば、実際の手術の際は、麻酔だけして手術しない場合と同じ結果になるだろう。

 んな、アホな。

 
「脳手術をして性格が変わった」という事実は「脳が性格を司っている」こと意味し、高橋信次様の「魂が性格を司る」という主張にとって非常に都合が悪い

 それで、
脳手術の効果を否定する為、患者が、「手術というきびしい環境に会」うことで「自ら心を修正」したことにしたのだ。

 しかも、実際に手術をした医者が目の前にいるにも関わらず、
そのようなことを示唆する事実があったか否かを確認することもしない

 つまり、
高橋信次様は、自分の主張に都合の良い事実を勝手に想像して、勝手に納得しているダケなのである。




 続いて(その4)では、これまで見て来た、高橋信次様の思考の特徴を一旦、まとめたい。



2018.05.06 新規

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さすだナ。 こうやって妄想で補完して、自分の主張が正しいと思い続けているワケだナ。