「アミ 小さな宇宙人」にツッコミ!(その5)・・・エンリケ・バリオス様
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)からの続き

<宇宙人アミの愛のレベル>

 宇宙基本法「愛」で、「愛」を知れば善悪の区別がはっきりとつくようになるとか、愛の力で空中浮揚も出来るようになるなどと説明する宇宙人アミ。

 当記事では、そのような、地球人よりも進歩し、愛のレベルが高い宇宙人アミの、とてもそうだとは思えない言動を見て行こう。

 宇宙人アミによると、愛には障害となるものがあるようで、、、

『アミ 小さな宇宙人』 (エンリケ・バリオス)/徳間文庫/2005.8) P.165
「でもどうして、そんなにたいへんなことなの?」
「うん、それは
われわれの内部に障害があって、それがわれわれのいちばんすばらしい感覚である愛を、はばんだり、ブレーキをかけたりしているんだ」
「その障害って?」
エゴだよ。自我、自己、うぬぼれ。われわれじしんに対するまちがった考え。ニセの自分だよ。ひとにエゴがたくさん育っていると、他人よりも自分がずっと重要だと考えるようになり、人を軽蔑したり、傷つけたり、利用したり、他人の人生まで支配する権利まであるように思いこんでくる。エゴは愛が育つさいの大きな障害になっているから、他人に対するいつくしみ、思いやり、あわれみ、やさしさ、愛情などを感じさせにくくするんだよ。たとえば、エゴイスト・・・・・・自分以外にはまったく興味をもっていない。自己崇拝者・・・・・・自分以外のだれも崇拝しない。自己本位者・・・・・・自分のことしか話さない。自己中心主義者・・・・・・宇宙が自分を中心にまわっていると思いこんでいるひと。人間の進歩とは、エゴを減少させて、愛が育っていくようにすることを言うんだよ」
 どうやら、愛の障害となるものがエゴらしく、それは、自我自己うぬぼれ我々自身に対する間違った考え等らしい。

 まあ、
「宇宙基本法=愛」として機能するか否かは置いておいて、ここで言っていることは基本的には間違ってはいないだろう。

 しかし、このことを言っている宇宙人アミはと言うと、(その2)で見たように、
○おばあさんのことを心配する相手のことをバカ呼ばわり。
 これが、地球人より進歩している、つまり、愛のレベルが高い宇宙人の言動ですか。。。

 
アミ様自身が、「人を軽蔑したり、傷つけたり」してません?

 「うぬぼれ」
て、自分「じしんに対するまちがった考え」を持ってません??


 さらに、、、
『アミ 小さな宇宙人』 (エンリケ・バリオス)/徳間文庫/2005.8) P.139
バカなことを質問する前に、目を大きく開いて周囲をよく見てごらん。
 ま〜た、「バカ」呼ばわり。
『アミ 小さな宇宙人』 (エンリケ・バリオス)/徳間文庫/2005.8) P.171
でもそれはとても野蛮人的な発想だね。
 今度は、「野蛮人」

 「バカ」とか「野蛮人」とか・・・
おめぇ、他人のこと見下してるだろ


 また、他にも、、、

『アミ 小さな宇宙人』 (エンリケ・バリオス)/徳間文庫/2005.8) P.140
「じゃ、思考はなんの役にも立たないってこと?」
やれやれ、地球人の典型的な結論の出し方だ! もし最高でないなら最悪、白くなけりゃ、なんとしても黒でなくてはならない。もしかんぺきでないなら極悪人、神でないなら悪魔とくる。まったくきょくたん論もいいところだ!! 〜(後略)〜
 人の質問に対して、「やれやれ」って。

 
そんな、わざわざ「呆れた!」という表現を使ってでなきゃ、返答できないのかねぇ。

 アミ様、本当に愛を体得できているのなら、こんな、人をバカにした表現使ったりしないと思いますヨ!


 しっかも、「地球人の典型的な結論の出し方」が、「もし最高でないなら最悪」「もしかんぺきでないなら極悪人」って。

 
いったい、どこのパラレルワールドの地球人のこと言ってるんだよ。。。

 全く同意できない内容であるが、
こんなのを「地球人の典型的な結論」だと結論を出してしまったアミ様の方こそ、「きょくたん論もいいところ」である。


 また、同じような発言は他にもあり、以下は、ペドゥリートが連れて行かれた、地球より進歩しているオフィル星での「所有の在り方」についてのやりとりである。
『アミ 小さな宇宙人』 (エンリケ・バリオス)/徳間文庫/2005.8) P.161
よくわからないけど、自分のものは自分だけのもので、ほかのだれのでもないのがいいんだと思うよ
それは所有病だよ。エゴイズムだ
「エゴイズムなんかじゃないよ」
「じゃなんなの? 寛大さかね?」
アミは笑って言った。
ということは、歯ブラシもみんなと共用でなくてはいけないということなの?
やれやれ、またもや、きょくたん論だ!・・・・・・だれもきみの歯ブラシなんかに、興味をもっちゃいないよ歯ブラシもほかの個人的な所有物もなにもひとと共有する必要はない。ここでは、ものはあまっているんだ、だれもそれにこだわったりするひとはいない。 〜(後略)〜
 こちらでもまた、「やれやれ」と相手をバカにした態度。

 しかも、
相変わらず何を言ってるのか分からない。

  「自分のものは自分だけのもので、ほかのだれのでもないのがいいんだと思うよ」

とペドゥリードが言うと、

  「それは所有病だよ。エゴイズムだ」

全否定しておきながら、一方で、

  「歯ブラシもほかの個人的な所有物も」

「個人的な所有物」、つまり、「自分のものは自分だけのもので、ほかのだれのでもない」ものはあるらしい。

 そして、

  「ということは、歯ブラシもみんなと共用でなくてはいけないということなの?」

という質問に対しての答えが、件の

  「やれやれ、またもや、きょくたん論だ!」

である。

 
いやいや、アンタが、「それは所有病だよ。エゴイズムだ」「所有」を全否定したからだろうに。

 しかも、上記の引用の少し前では、「ここでは、すべてのものがみんなのものだからね」(P.157)とも言っている。
 つまり、
「オフィル星では全ての物が共有」とアミ自身が明言しているのである。

 そして、ペドゥリートは
「歯ブラシなんかも共有だとイヤだなぁ」と思ったのだろう。そこから出て来たのが、

  「ということは、歯ブラシもみんなと共用でなくてはいけないということなの?」

という質問である。全く自然の流れで、論理が飛躍しているわけでもないし、「きょくたん論」などでもない。アミ自身が
「全てが共有」と明言しているからだ。

 そもそもが別の惑星の話で、慣習や考え方、価値観等も異なっているだろうから、その星の人々が歯ブラシを共有することについて、どう感じるかなんて考えても分かろうはずもない。

 当然、そのような質問があってもいいと思われるが、宇宙人アミの返答は先述の通り、

  「やれやれ、またもや、きょくたん論だ!」

である。なんで、「やれやれ」と呆れられなければならないのか、
全く理解できない

 さらに言えば、

  「だれもきみの歯ブラシなんかに、興味をもっちゃいないよ」

なんてのも、
イヤな言い方である上に、ピント外れの批判である。

 
別に、自分の歯ブラシに興味を持たれるとか、持たれない、なんて話はしてないだろーに


 どうだろう、これが、人類よりも進歩した、つまりは愛のレベルの高いらしい、宇宙人アミの言動なのである。

 「やれやれ」などと、いちいちトゲのある言い方をしたり、時には「バカ」「野蛮人」などと相手を見下した言葉を使う。

 しかも、言っていることがピント外れな上に、何故、キレられないといけないのか全く理解できない。


 
総括すれば、この宇宙人、他人に対する思いやりが欠けていて、思考が自己中心的。愛は上辺だけでレベルが低く、同様に知性の面でもレベルが低いと言わざるを得ない。




 以上、小説にあらわれた宇宙人アミのレベルの低さが、そのまま、作者であるエンリケ・バリオス様のレベルの低さを表している。

 大人に相手にされなくて当然なのだが、そんな現実を受け入れずにターゲットを子どもに変えて子ども向けの小説を書いたら、
「一部の大人が釣れてしまって、11ヵ国語に翻訳されるまでになってしまった」と言う、笑うに笑えない話である。




2016.04.19 新規

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上っ面だけで、愛、愛、言ってるヤツに騙されちゃダメだゾ。

本物かどうかなんて、結局、こんなふうに行動に出ちゃうんだからナ。