『人類アカシャ全史』にツッコミ!(その7) ・・・ ゲリー・ボーネル様
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)からの続き。


 (その6)では、坂本龍馬が実は毒殺だったと衝撃の事実を明らかにしてくれたゲリー様だが、続いて、首謀者であるお龍の家族について語ってくれるので見て行こう。
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.105 (※(その6)からの続き)
古川 彼の妻ということは、おりょうさんということですか?

ゲリー 
彼女はとても悲しんでいるので違いますね吹き矢のようなもので、ちょうど右の首の後ろから毒が入ったんです。ですから、切りつけられたときにはすでに死にかけていました
 
しかし彼の家族に、何で彼に死んでほしいと思う人がいたんでしょうね?


(※管理人注) 文字に色を付けたのは管理人(以下同様)。
 お龍が真犯人か確認する古川氏に対し、「彼女はとても悲しんでいるので違いますね」と否定するゲリー様。

 もちろん、その通りであると思うが、これは、今までの古川氏の表情や言葉から導き出された答えであろう。

 まず、ゲリー様が最初に「家族に殺された」と言った時に、古川氏は「仲間ではなくてですか?」と聞き返している。ありえない話であるから、怪訝そうな顔であったろう。

 次に、文章からは読み取れないが、古川氏が「彼の妻ということは、おりょうさんということですか?」と言った時の表情。

 
インチキ霊能者は、そのような相手の言動をよく観察しながら、臨機応変に答えを変えて行くのである。


 そして、どうやら、毒は「吹き矢のようなもの」で入れられ、坂本龍馬は「切りつけられたときにはすでに死にかけてい」たらしい。

 近江屋事件の際、訪問客を装った刺客が案内者を後ろから切って大きな物音がした時、龍馬は
「ほたえな!(土佐弁で「騒ぐな」の意)と言って、刺客に居場所がバレてしまうくらいに元気だったんですけどねぇ。。。(※詳細は、Wikipedia「近江屋事件」を参照)


 さらに、「しかし彼の家族に、何で彼に死んでほしいと思う人がいたんでしょうね?」などと古川氏に質問するゲリー様。

 
質問してないで、お前が霊視しろよwwwwww

 ちなみに、これは、
ゲリー様が新たな情報を古川氏から引き出す為の手段である。

 この質問に、古川氏が
「そう言えば、○○って話もありますし、ひょっとしたら□□だったのかも知れませんねぇ」なんて答えてくれれば計算通り。その路線で霊視を進めて行くことになるのだが・・・
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.106 (※(その6)からの続き
古川 うん。それがわからない・・・・・・。
 ゲリー様にとって、期待外れの答え(笑)

 そりゃま、ゲリー様のデタラメ霊視が、あまりにもハズし過ぎてるからねぇ。


 この期待外れの答えにゲリー様は、、、
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.106 (※上記からの続き)
ゲリー たぶん、それはミステリーのままなんではないでしょうか。よく見えません。跡継ぎ問題か何かがあったんでしょう。
 「たぶん、それはミステリーのままなんではないでしょうか」とか、「よく見えません」とか言い出す始末。

 
なんじゃそりゃ。

 ゲリー様、情報を引き出すのに失敗したので、よく見えないことにしたようだ。


 しかし、古川氏は食い下がる。
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.106 (※上記からの続き)
古川 ゲリーさんにもそれはわからないのですか?

ゲリー 
私はいくつかの窓を通してそれを見ようとするのですが、いくつものストーリーが出てきてしまうのです。その中で最も真実ではないかと思われるストーリーは毒殺ということなんですが、それを彼の妻の家族が行った。それは<パワー>のためだったと・・・・・。
 古川氏のこれまでの反応に「あまりに見当違いだったか??」とでも思ったのか、「いくつものストーリーが出てきてしまう」などと言い出して、逃げ道を準備するゲリー様

 どうも、「毒殺」についても「いくつものストーリー」の一つに過ぎないようだ。

 
結局は、我々が「ある人が暗殺されました。その暗殺方法と理由は何だと思いますか?」と聞かれて推察し、何パターンか思い付くのと全く同じである。

 
何故なら、ゲリー様もアカシックレコードを参照しているのではなく、単に想像しているだけだからである。


 さらに、暗殺理由について「<パワー>のためだった」と言い出すゲリー様。

 で、その<パワー>とやらが何かと言うと、、、
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.106 (※上記からの続き)
古川 <パワー>って何ですか?

ゲリー 改革を進めようとするような位置にある人というのは、必ず<パワー>がつきまとっています。その<パワー>を奪いたいと思った人がいたんでしょう。
 「<パワー>って何ですか?」と聞かれても、具体的にその<パワー>が何かを答えないゲリー様。

 <パワー>とだけ言っておけば、権力、地位、お金、人望、人脈等々、広い範囲で当てはめることが出来るので、答えずに誤魔化したのであろう。

 このように、
可能な限り漠然とした、広範囲の意味の言葉を使用するのもインチキ霊能者の特徴の一つで、インチキ霊視のハズれを少なくする為のテクニックである。


 また、この<パワー>というキーワードが出て来たことで分かるのは、ゲリー様が
「坂本龍馬は権力者」と勘違いしているのではないかと言うことだ。

 ご存知の通り、坂本龍馬は、暗殺することによってその家族が得られるような<パワー>など持っていなかった。

 それなりの地位に就いていたわけではないし、お金も、残された妻のお龍がその後困窮するほどである。

 また、坂本龍馬が中心となって作った組織に、日本初の商社とも言われる海援隊があるが、龍馬が亡くなったからと言って、その親戚が口出しして牛耳れる種類のものではなかった。

 そのようなことは古川氏の説明にはなかったし、当然、無能力者のゲリー様には分からない。

 しかし、上記に「改革」という言葉が登場しているように、(その5)で見た、古川氏の「日本の改革に力を注いだんです」という説明がゲリー様に
「坂本龍馬は権力者」と勘違いさせたのであろう。

 日本という国を改革するには、将軍や老中、首相や大臣等といった、それ相応の権力を持っていなければ不可能だからだ。

 そして、そのように勘違いしたからこそ、この説明を聞いた後に、シーザーという権力者が前世として登場したのである。

 さらに、その勘違いから、暗殺の理由が<パワー>だっという妄言が飛び出すことになったのであろう。


 
何度も言うが、ゲリー様にはアカシックレコードなど見えてはいない。与えられた情報から想像しているだけである。

 
だからこそ、前提となる事実に勘違いがあれば、その勘違いに沿った想像がなされることになるのである。


 ※(その8)へ続く


2017.06.13新規

    精神世界
   (※「AIRランキンク」゙さんの精神世界ランキング。クリックすると、当HPに一票入れたことになります)


情報の引き出しに失敗したら、「よく見えません」とか、ゲリー様、分かりやす過ぎるゾ。