私の邪念対処法(その5) |
※当記事は(その1)、(その2)、(その3)、(その4)からの続き。
6.インチキ教祖による巨大インチキ教団が出来るまで
インチキ教祖が登場して教団ができ、さらに大きな教団へと成長していく際、何故か、都合よく支援者が集まってトントン拍子に拡大して行くように見える時がある。
以下は、そのような疑問に対する考察結果として、「インチキ教祖による巨大インチキ教団が出来るまで」をあの世や転生も含めて、「このようになっているのではないか」という仮説を物語風に記載するものである。
(1).教祖の誕生
ある時代のある国、ある人物Xが「自分も特別な霊能力が欲しい」と思い、山籠りをして修行を始めた。
何年たっても修行の成果は現れず、特別な能力が開花することは無かったが、ある日、Xの耳元で次のような声が聞こえた。
「Xよ、私は不動明王である。お前の真摯な思いと熱心な修行態度に感銘を受けた。
もし、お前が私に帰依し崇めると言うのなら、お前に智恵と力を与えよう。」
ようやく苦労が実ったと大喜びするX。さっそく、言われるがまま、その不動明王を奉り、供物や読経を捧げた。
そうして、何日も読経を続けていると、再び、不動明王の声が聞こえて来た。
「Xよ、お前には人々を極楽浄土へと導く使命がある。今までの艱難辛苦も全てこの使命の為、お前を鍛える為であったのだ。さあ、修行はもう良い。里へ降り、お前の使命を果たすのだ。」
Xは不動明王の言う通り里に降り、次のように触れ回った。
「我に不動明王の命が下り申した。人々を極楽浄土へと導く使命じゃぞ。
不動明王に供物を捧げ、一心に真言を唱えれば、金銀財宝、出世も思いのまま。ご神徳を畏れ、不幸や病気は逃げて行く。そして、最後は極楽浄土へと導いて下さるぞ。」
これが、教祖Xの誕生の瞬間であった。
実は自称不動明王は、Xと同じく修行者だった者の霊。山に籠って修行をするも何の成果もなく亡くなって、そのまま修行場をさ迷っていた。
そして、ある日、同じ修行場で修行をしているXに目を付け、いたずら半分に不動明王を名乗ってみただけであったのだ。
すると、Xが真に受け、自分を本物の不動明王だと思い込んで供物や読経を捧げ始めたので気分が良くなり、もっと多くの人に自分を崇めさせようと調子に乗ったのであった。
Xは最初、街角に立って人々に説法していた。そして、1人、2人と信者になる者が現れ、最盛期で20人くらいまでになったが、やがて減少し始め、最終的には信者5人の小所帯となった。
Xも自称不動明王も布教活動は初めてで魅力ある説法も出来なかった上に、奇跡的なことを起こすにしても、修行者くずれの霊一人では大したことも出来なかったからである。
(2).あの世の極楽浄土
やがて、Xが「先に極楽浄土へ行く」と言って亡くなり、残った5人は教え通り、毎晩集まって不動明王の真言を唱え続けた。
そして、この5人も順に亡くなって行ったが、その都度、自称不動明王とXが迎えに来て、自分たちがあの世に創り上げた極楽浄土へと連れて行った。
しかし、その極楽浄土は、あまりにもみすぼらしい、なんちゃって極楽浄土であった。自称不動明王とXの二人だけではイメージで創り上げるのにも限界があり、また、二人とも想像力に乏しく、どんな所にしたらいいか良く分からなかったからだ。
それでも信者5人は「本当に不動明王様に極楽浄土へ連れて来てもらえた!」と喜んだ。駆け出しのインチキ教祖やインチキ不動明王に騙されるくらいだから、なんちゃって極楽浄土でも十分素晴らしく思えたのである。
その極楽浄土での生活は、地上での生活と大して変わらなかった。集まって不動明王の真言を唱え、教祖Xや自称不動明王のなんちゃって説法を聞く毎日である。
タマに5人の信者に縁のある霊がやって来て連れ戻そうとするので、「悪魔が誘惑にやって来た!」と騒ぎなり、自称不動明王や教祖Xが出て行って追い返すくらいであった。
(3).教祖の転生
ある日、教祖Xが現世に転生することに決まったので、一同集まって綿密に計画が練られた。
結果、決まったのは、この世・あの世の両サイドからフォローする為、信者5人の内、2人は教祖Xに合わせて転生し、残り3人と自称不動明王はあの世に残ること。
そして、転生組の一人を金持ちにして布教を金銭面でフォローさせ、もう一人は教祖の父親にし、かつ、様々な教団を遍歴させてそれらの教義等を学ばせることにした。それは、教祖Xに自身の教義を作り上げさせるのに役立てる為である。もちろん、そうなるようにあの世から操作して仕向けるのは、非転生組の自称不動明王と信者3人である。
そうして、この世に転生した教祖Xは、子供の頃から霊能力を発揮した。「霊が視える」と頻繁に言い、また、教祖Xが「あの人がもうすぐ死ぬ」と言うと、その人が本当に亡くなることもあった。もちろん、それを教えていたのはあの世に残った人たちである。
そのような教祖Xの様子を見て、元信者の父親は「神童だ!」と喜んだが、近所の人たちからは気味悪がられただけであった。父親がヘンな宗教に入っていて疎んじられている上に、教祖Xの霊視が当たることもあったが、むしろ、外れることの方が多かったからだ。
教祖Xは成人になり、それまでは影に隠れていた自称不動明王が語りかけ始めた。「お前は世を救う使命がある」と。
そうして、今回の布教は前回よりも上手く行き、紆余曲折の末、教団は最終的に100人の信者を獲得するに至った。
また、教団が膨れ上がると共に、自称不動明王は不動明王であることに満足できなくなって、今度は、大日如来をも自称するようになっていた。密教の最高神である。
(4).再びあの世
やがて、教祖Xが亡くなり、100人の信者たちも亡くなり、その魂たちはやはり、あの世で集まって独自の極楽浄土を創り上げていた。
今度の極楽浄土はかなり、それっぽいものとなっていた。100人の信者たちには建築家や大工、画家等もおり、イメージを十分過ぎるほど形成することが出来たからだ。
なお、もともといた信者の5人だが、現世に生まれて金持ちになった信者は、さんざん金を絞り取られた後、より金持ちの信者が現れた為に扱いがぞんざいになり、それに不満を持って信者をやめていた。
父親になった信者は「救世主の父」という地位を得て、あの世でも高い地位を得ることが出来た。
あの世に残って霊として支援した3人の信者の内2人は他の教団を攻撃しに行った際、逆に調伏されて消滅し、残った1人は不動明王の眷属、八王子の一人を自称するようになっていた。((注)霊が消滅するか否かは現在考察中で結論は出ていないが、当物語では消滅するものとして話を進める)
霊の3人の内、2人が消えて背後を守護する霊的なパワーが一時的に落ちることになったが、100人も信者を擁する教団は他の霊にとっても魅力である。
自称不動明王がかつての修行場でさ迷っている低級霊をスカウトして来て、菩薩や明王を名乗らせて信者たちに崇拝させることを条件に仲間に引き入れた。結果として教団の背後の霊団はさらにパワーを増すことになる。
極楽浄土に来たはずの100人は相変わらず、現世と同じことをさせらていた。主として、布教と敵対教団への攻撃である。
しかし、あの世での布教は困難を極める。あの世ではイメージを共有していれば、この教団の信者が「光り輝く極楽浄土に住む、天使のような存在」に見えるが、イメージを共有していなければ、カルト教団特有のイった目をした異常な雰囲気がそのままイメージ化されてしまうからである。
布教に行っても相手には「不快で醜怪な生き物が地獄に引き込みに来ている」としか見えないのである。結果、布教活動は、「相手の隙をうかがって拉致して来て、洗脳する」という行為になる。
もちろん、相手もそんなことを許すわけにはいかないので、コミュニティにその教団の信者が近付いてくれば臨戦態勢に入って警戒することになる。そして、マレに闘いになって双方に消滅する霊が出てくることになるのである。
一方、敵対教団への攻撃はそのまま戦争のような様相を呈する。当然、消滅する信者も多数出てくるが、自称不動明王や教祖Xの命令があれば、戦いに出ざるを得ないのである。
前回のあの世では信者は5人しかおらず、これ以上、頭数を減らすわけにはいかないので、このような攻撃を仕掛けることはなかった。しかし、今回は100人もいる。少しくらいいなくなっても、また補充すれば良いだけ。所詮、信者たちは、自称不動明王や教祖Xの虚栄心を満たすの為の使い捨てのコマでしかないのである。
以上、このような転生を繰り返し、やがて巨大なインチキ教団ができ上がって行くのではないかと推察する。
極楽浄土やアセンション(次元上昇)、最後の審判で天国行き等といった甘い汁で引き寄せ、上辺だけの愛や感謝等の美辞麗句で欺瞞する。騙されたが最後、奉仕活動と称してコキ使われ、お布施と称して金を吸い取られる生活。
信者たちが、徳を積んでいるつもりでこの世で必死で頑張っても、あの世で報われることはない。
あの世は、この世の延長に過ぎないからである。
この世で、上辺だけの建前で偽装した自己中心的な教祖たちにコキ使われるのなら、あの世に行っても、同じようにコキ使われる生活が待っているだけなのである。
続いて(その6)では、霊障(霊的障害)について見て行きたい。
2015.02.24新規
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