私の邪念対処法(その4)
※当記事は(その1)(その2)(その3)からの続き。

4.霊能力とは

 霊能力について、私は次のように定義したい。
 霊能力とは、自分以外の霊(=意識)と意識の共有ができる能力、及び、意識の焦点を空間的・時間的に自分の肉体以外へと移すことのできる能力が基本となる能力のこと。

 霊能力は基本的に人間を含めた全ての動植物が保有するものであり、この能力を使用することにより、霊視・霊聴・霊言・透視・千里眼・予知・その他のことが可能となる。

 ただし、上記、霊能力の基本能力のみでは、例示した全ての霊能力が使用できるわけではない。別途、脳の機能を利用する必要があり、例えば、次のものである。

   ○霊視 ・・・ 
脳の、映像化する機能
   ○霊聴
 ・・・ 脳の、言語化する機能

 なお、これらの脳の機能は、夢で映像を見たり声を聞いたりするものと同じものである

 また、「霊=意識」であり、それは想像・妄想と同じ性質を持ったものである為、自分の視たもの、聴いたものが他の「霊=意識」のものなのか、自分の想像・妄想なのかの区別は付きにくい。

 このように、霊能力は「意識の共有」「意識の焦点の移動」という二つの基本能力から成るわけである。

 そして、この定義を前提に、代表的な霊能力を解説すると次のようになる。
霊能力 解 説
意識の共有 霊視(見鬼)
・・・霊を視る
対象となる霊が持つ「ここに存在する」という意識、及び、「自分の姿」の意識を共有することによって視える。
霊聴
・・・霊の声を聞く
対象となる霊が持つ意識の内、伝えたい言葉の部分を共有した場合に声が聞こえる。
テレパシー
・・・本来聞こえないはずの人の声を聞く
霊聴と基本的に同じで、対象が人間の場合。
他心通
・・・他人の心を読み取る
対象が人間の場合で、対象の意識の内、思いや気持ちの部分を共有した場合、可能となる。
霊言
・・・霊が人に降りて言葉を話す
霊が対象となる人に降霊し、意識の内、身体を動かす部分を共有した場合に発生する(一時的な乗っ取りとも言える)。

言葉を話す機能を共有した場合が霊言で、文字を書く機能を共有した場合が自動書記。
自動書記
・・・霊が人に降りて文字を記述する
浄霊・除霊
・・・人に取り憑いた霊や自縛霊等を取り除く
自分の「取り除きたい」という意識を対象となる霊と共有させ、その意識が対象の「取り除かれたくない」「取り憑いていたい」という意識よりも勝った場合、浄霊・除霊が可能となる。

なお、その他の要因、例えば、
「恨み等、霊が取り憑いた原因を取り除く」等して浄霊・除霊がなされる場合もある。
心霊治療 病気が霊的な原因、つまり、自分自身の意識の問題、もしくは取り憑いた霊が引き起こしている場合、浄霊・除霊と同じように、対象の意識や霊に干渉することによって病気を治すことが可能である。
意識の焦点の移動 透視
・・・遮られる等して見えないものを視る
意識の焦点を対象となる箇所へと移す能力。

透視と千里眼の違いは、対象が自分の身体から遠いか近いかの違い。
千里眼
・・・本来見えないはずの遠くのものを視る能力
幽体離脱
・・・魂が身体の外へと抜け出す能力
意識の焦点の全てが、自分の身体から他へと移る現象、または、能力。

透視・千里眼は、自分の身体に意識の焦点が残ったまま、さらに別の焦点を身体の外へと合わせる場合。
予知
・・・未来を予知
未来の場所へと意識の焦点を合わせた場合、予知が可能となる。

空間的にだけでなく時間的にも意識の焦点が移動している点で、透視・千里眼・幽体離脱と異なる。
 なお、上記表の浄霊・除霊以下については、霊能力者が「自分の力でやっている」と思っていても、実際は、その背後にいる霊がやっていることが多い。

 例えば、透視では、自分の意識を集中して対象を視ているつもりで、実は背後にいる霊がその映像を見せている場合である。そして、その場合は、
「意識の焦点の移動」ではなく、背後にいる霊との「意識の共有」となる。


 また、定義にも記載した通り、「意識の共有」「意識の焦点の移動」を基本とする霊能力は、基本的に全ての人間が保有しているものである。

 ただし、使用方法が分かっていなかったり、たまたま使用してもそれに気付かなかったり、また、そのような能力を拒絶する思いが能力の発現を妨げていたりする場合等がある。





5.インチキ霊能力者の分類

 霊能力とは上記の通りなのであるが、実際のところ、世の中、インチキ霊能力者ばかりである。
 以下では、インチキ霊能力者にはどのようなタイプがいるか、能力という観点から分類してみたい。


(※ここで言う「インチキ霊能力者」とは、「自身に霊能力がある」と思い込んでいる自称霊能力者で、明確に詐欺の意識を持っている自称霊能力者は含まない(2015.2.24追記)



(1).自分が想像しただけ

 自分が想像したものを
「霊視した」と思い込んでいるケースである。

 例えば、前世を霊視する際、相手を見て
「お姫様っぽいな」と思ったら「前世は東欧の国のお姫様」「町人っぽいな」と思ったら「前世は江戸時代の町人」などと霊視結果を告げる場合である。

 これは、対象を見て、そのイメージから自分が想像したものを
「霊視した」と勘違いしているだけであり、やろうと思えば誰もが可能なレベルのものである。

 また、超古代の様子などを霊視する場合、他のインチキ霊能力者が書いた書籍等の影響を受けた上で、そこから想像を膨らませたものが提示されることになる。

 当然ながら、真実が視えたり、真偽を見抜けたりするはずもないのだが、
「ヘタな鉄砲数撃てば当たる」でたまたま予言等が当たることもあり、それが過大に評価されて、有名霊能力者としての地位を手に入れてしまうこともある。

 さらに、霊能力者として振る舞って経験を積む内に、コールド・リーディング等(*)のような
「霊能力があるかのように見せかける騙しのテクニック」を無意識に身に付けてしまう場合もある。
*詳細は以下の記事を参照
<インチキ占い師・霊能者の手口>
(その1)バーナム効果
(その2)ホット・リーディング
(その3)コールド・リーディング(1)
(その4)コールド・リーディング(2)
(その5)コールド・リーディング(3)
(その6)曖昧な条件付きの成就(1)
(その7)曖昧な条件付きの成就(2)


 なお、最初は
「自分には霊能力などない」と明確に認識した上で詐欺で霊能力者を装い出した場合でも、信者たちに霊能力者として扱われている内に「自分には霊能力がある」と勘違いし出すケースもある。



(2).脳の夢を見る機能が働いた結果(霊の干渉なし)

 起きながらにして脳の夢を見る機能が働いた結果、霊能力があると勘違いするケース

 このケースでは、目覚めた状態ではあるが同時に脳の夢を見る機能が働くため、それが現実の風景や音と重なって、映像が視えたり、声が聞こえたりする。要するに
「幻覚を見ている状態」であり、(1)のケースよりもリアルな映像等が見えることになる。

 夢において自分自身が意識して登場人物やセリフ、ストーリー等を決めていないのと同様に、自分自身が意識しない映像が視えたり、声が聞こえてくるので、それを霊能力の結果だと勘違いしてしまうことになる。

 ただし、その映像や音声は夢と同様に、自分の知識や認識が前提となるので、
自分の想像の範囲を超えることはなく、結果、(1)と同レベルで「ヘタな鉄砲数撃てば当たる」程度の霊能力者となる。


 なお、
「起きながらにして脳の夢を見る機能が働く状態」になるのは修行・瞑想によっても可能であるが、他に次のようなケースがあると想定している。
○苦労・辛酸を舐めた末
○病気の後
○脳が関係する事故の後
○先天的に

※詳細は記事「悟りと魔境(その12) 6.魔境へと至る修行・瞑想以外のケース」を参照

 そして、これは霊の干渉がない場合であるが、干渉があれば、(3)のケースとなる。



(3).脳の夢を見る機能が働く(低級霊の干渉あり)

 こちらは、(2)ど同様、
「起きながらにして脳の夢を見る機能が働く状態」であるが、低級霊の干渉がある場合である。

 低級霊は霊能力者の
「脳の夢を見る機能」を使用して干渉してくる場合があり、そのケースでは低級霊によって映像を見せられたり、声を聞かせられたりすることになる。

 そして、(その2)で述べた通り、
「人間に宿った意識」「肉体を持たない霊(=意識)」では、後者の方が認識等において有利な場合があるので、低級霊であっても霊能力者自身が知り得ない情報が与えられることがあったり、また、因果を操って偶然とは思えない出来事を生じさせたりすることもある。

 ただし、所詮は低級霊であるので、出来るのはせいぜい個人レベルな瑣末なこと程度である(※「ヘタな鉄砲数撃てば当たる」で、国家レベルの大きな出来事等を当てることもあるのは(1)、(2)のケースと同様である)。




 以上が、私が考えるインチキ霊能力者の分類である。

 ただし、はっきりとこのような3つのタイプに分かれているわけではなく、実際は併用されている場合が多い。

 例えば、(3)で低級霊から与えられた情報を伝えることもあれば、(1)で自分の単なる想像を
「霊視した」として称して情報を伝えることもあるというケースである。


 また、(1)の「自分が想像しただけ」のケースは、低級霊の干渉の有無で分けることも可能である。ただし、脳の夢を視る機能が働いていないので、
「ふっと思う」「○○の気がする」程度のインスピレーションによる干渉となる。

 こうなると気のせいか、霊の干渉なのか区別がつかないレベルなのであえて分類しなかった。


 自称霊能者をホンモノかどうか見極める際は、この3つのどれに当てはまるのかを考えると見極めに寄与すると思われる。ただし、基本的には、
「霊能力者にホンモノはいない」程度の気構えでいるくらいが丁度良いだろう。




 続いて(その5)では「インチキ教祖による巨大インチキ教団が出来るまで」を、あの世や転生も含めての考察を述べて行きたい。



2015.02.17新規

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