「光の時代がはじまりました」にツッコミ!(その8)・・・越智啓子さま
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)(その7)からの続き


 (その7)では、「ポジティブ・シンキング」の問題点を解説したが、当記事では、越智啓子様が物事を極端に「ポジティブ」に捉えている事例を見てみたい。


 越智啓子様、天使、龍、台風、空などと会話できるようだが、ウイルスとも可能なようで、、、
『光の時代がはじまりました』 (越智啓子/徳間書店/2012.3) P.243-244
 とにかく、牛にとても親近感があるのです。
 だから、
宮崎で口蹄疫の騒動があったときに、他人事に思えませんでした。祈りながらニュースを見ていました。
 どうしても
牛たちが気になって、気になって、とうとう直接、口蹄疫のウイルスと対話したことがあります。ピンクの球体のウイルスでした。


(管理人注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様)
 どうやら、越智啓子様、「牛にとても親近感がある」らしく、宮崎での口蹄疫騒動の時、「他人事とは思え」なかったそうだ。(※この口蹄疫騒動は、2010年のことだろう。(※参考:Wikipedia「2010年日本における口蹄疫の流行」))

 で、気になってしょうがなかったので「口蹄疫のウイルスと対話した」ようだ。
『光の時代がはじまりました』 (越智啓子/徳間書店/2012.3) P.244 (※上記からの続き)
 なぜ来たのかを聞いてみたら、「牛たちから呼ばれた。でも、自分たちは1頭の牛も殺していない!」というびっくりの返事でした。たしかに私たち人間が、不安から牛たちを、そして、豚までも殺しています。口蹄疫のウイルス自体は、牛を致死的に傷めません
 
牛たちがそろそろアセンションしたいのでと口蹄疫ウイルスを呼んで、一気に光へ帰ったのです。なんと、27万6000頭もの牛や豚が殺処分されました。牛たちが望んだとはいえ、心が痛んでずっと祈りつづけました
 畜産を仕事にしていた方々にはびっくりの大事件で、大損害でしたが、
牛自身が起こしたアセンション・プロセスだったのです。 〜(中略)〜 
 殺処分された
牛や豚たちは、きっとシャンバラに行ったり、5次元の地球に行ったりして元気に幸せに暮らしていると思います。そう信じたいです。

 越智啓子様によると、口蹄疫のウイルスを呼んだのは牛たち自身で、その理由は「そろそろアセンションしたい」かららしい(笑)。

 そして、「殺処分された牛や豚たちは、きっとシャンバラに行ったり、5次元の地球に行ったりして元気に幸せに暮らしていると思います」だそうだ。

 こうやって、痛ましい、かわいそうなだけの話も越智啓子様にかかれば、牛自身が望んだこと、そして、アセンションして光に帰ってハッピィエンドな話になってしまう。(※越智啓子様自身は「心が痛んでずっと祈りつづけました」とも言ってるが)

 
しっかし、いろいろ、言ってることおかしいよな。
○牛はウイルスと意思疎通できるのか。

○牛は、自分たちが死ぬために、何故、「牛を致死的に傷め」ないらしい口蹄疫ウイルスを呼んのだのか。(※実際には、成長した家畜での死亡率は数%程度なので、致死的に傷めないこともない(参考:口蹄疫について知りたい方へ」(農林水産省))。当然、子牛では死亡率はもっと高くなる。)

○牛は、
「口蹄疫にかかると人間に殺処分される」ということを計算に入れていたのか。

○この牛の行動は自殺に相当すると思われるが、自殺してもアセンションできるのか。

「そろそろアセンション」したいもなにも、何故、普通に死ぬまで待てなかったのか。

○そのことは27万6000頭もの牛や豚の総意なのか。
「オレまだ、アセンションはいいわ」という牛や豚はいなかったのか。


(注)越智啓子様の設定によれば、基本的に、死んだら行くのは5次元の世界である(P.96)。

 つまり、生きている内にアセンションしても5次元、死んでも5次元という設定になっている為、いろいろと説明に矛盾をきたしているが、他にツッコむべき所が多すぎる為、スルーする。
 疑問点をあげればキリがないのだが、そもそも論として、牛たち(もしくはウイルス)がアセンションなどと言ってる時点で、越智啓子様の脳内の話で、実際には対話などしていないことが明白である。

 アセンションというガセネタを信じてるのは、牛やウイルスではなくて越智啓子様自身であるから、当然、脳内牛や、脳内ウイルスもそれに沿った発言をするようになる。

 
この対話は、アセンションというデマ話とポジティブ信仰を前提にして越智啓子様の脳が創り出した幻想に過ぎないのである。


 もう一件、同様の、かつ、より分かりやすい事例を見てみよう。

 越智啓子様、ナント、お金とも会話が出来るようで、、、
『光の時代がはじまりました』 (越智啓子/徳間書店/2012.3) P.71-72
 あるスピリチュアルな雑誌でお金の特集があったとき、私も連載をもっていたので、原稿を書くためにお金について真剣に考えてみました。でも、よくわからないので、直接、お金に聞いてみたことがあります。つまり、お金にインタビューしたのです。
 「お金さん、はじめまして!ちょっとうかがいたいのですが・・・・・・」
 「私に話しかけてくるなんて、あなた、変わっていますね!」
 「はい、よくいわれます。お金について書こうと思っていたら、あまりよくわかっていないことに気づいて、あなたに直接、聞きたくなりました。
お金の気持ちを教えてください
 「私たちはみんなから必要とされていても、
あまり直接には感謝されたことがありません。さびしいです。だから、ときどきあなたから投げキッスされると照れますね。私たち紙幣の原料は紙ですが、エネルギーとして人びとのいろいろな思いが入っています。その思いも、じつは運んでいるのですよ。いちばん好きな思いは、お年玉やお祝いに使われるときですねー。大きな夢実現のためにどんと出ていくときもうれしいですねー。私たちだって、人に喜ばれる仕事がしたいですからね。」
 とお金の気持ちを聞くことができました。

 お札が、あまり感謝されたことがないから寂しいとか、人に喜ばれる仕事がしたいとか(笑)

 この箇所だけでも、
越智啓子様の思想・思考がそのまま反映しているだけなのが透けて見えるのだが、さらに、続きを見てみよう。
『光の時代がはじまりました』 (越智啓子/徳間書店/2012.3) P.72-73 (※上記からの続き)
 久しぶりに、またあらためてインタビューしてみました。
 「お金さん、いま地球が大きく変わろうとしています。お金の世界もたいへんなことになっていますが、いまどんなお気持ちですか?」
 「久しぶりですね、あなたからのインタビューは。マネーゲームと呼ばれる架空のお金の取引がひんぱんになってからは、私たちのエネルギーもかなり弱くなってきています。
ドルくんがいちばん落ち込んでますね! あなたがいっている霊ちゃんのようなドル、実質のない、印刷しただけのドルがふえすぎています。それでバランスをくずしています。
 
ユーロくんは、まだドイツががんばってくれて、元気なお金を生み出しています。中国の元くんもがんばっています。名前のとおり、さらに元気になるでしょう。
 日本の円も、平和に丸く輪になるというパワーをもっています。
 でも全体の流れとして、私たちの出番が終わりつつあります。最後に地球のユートピアを創るお手伝いをしてから、地球での役目を終えたいです。話しかけてくれてありがとう!」
 お金もいろいろと悩んでますね。お金に直接インタビューするのはめずらしいそうです。前代未聞かもしれません。私は前代未聞なことをするのが大好きです。それだけみんなに笑いを提供しています。

 なんつーか、もうね・・・

 お金自身が、マネーゲームのことを知っていて、各国通貨の情勢まで知っている。さらには、
「近々、地球にユートピアが訪れて、自分達の役目が終わりつつある」という未来のことまで知っている。

 おかしいと気づきなよ。

 
完全に、スピ系やオカルト系でよく言われていること、そのまんまだし。
あなたがいっている霊ちゃんのようなドル、実質のない、印刷しただけのドルがふえすぎています。

 ・・・ スピ系・オカルト系では、米ドルが1971年に金本位制をやめたことで、
「米ドルは、何の後ろ盾もない危うい通貨だ」と言われ、近々、米ドルはただの紙切れになると主張される。

 また、米ドルの発行を管理しているFRB(連邦準備理事会)は悪の手先のように言われ、近々、消滅するされる。


最後に地球のユートピアを創るお手伝いをしてから、地球での役目を終えたいです。

 ・・・ スピ系・オカルト系では、地球はアセンションして5次元に移行し、ユートピア化した地球ではお金は不必要になり、使用されなくなると主張される。
 こういう話を真に受けちゃった越智啓子様の考えを、お金を通じて言わせているだけ

 マネーゲームについて知っているのも、各国通貨の情勢を知っていて、今後の見通しを持っているのも越智啓子様自身。

 そして、自分が考えていることをそのままお金が語っても疑問に思わないのは、やはり、ポジティブ・シンキングで物事を
「肯定的」にだけ捉えて「否定的」に捉えないからであり、その根底にあるのは欲望執着である。
「お金とも話せるんだ!」と思い込めば、自分が特別な力を持っていることを証明できている気になれる。

「アセンションしたから、お金とも話せるようになったんだ!」と思い込めば、自分がアセンションしていること、ひいては、アセンションが存在していることの証明になっている気になれる。

「お金自身もそう言っている!」と自分自身の考えが裏付けられているような気になれる。(※実際は、ただの自作自演に過ぎないのだが)
 「お金と会話できている」という事実を否定せずに、全肯定することは、自分の欲望執着に適うことであり、越智啓子様にとってハッピーハッピーなのだ。

 何度も言うように、
あくまで「主観だけ」での話であるのだが。


 なお、おそらくは越智啓子様自身は、
「お金等の対話相手に自分の考えを言わせている」という認識はない。

 これは、私個人の見解だが、おそらく、それは
「脳の夢を見る機能」が使われていて、夢で見るストーリーや登場人物が話すセリフを「自分自身で考えた」という認識がないのと同様に、越智啓子様によるお金等との会話も、「自分自身で考えた」という認識がない。

 しかし、認識がなくとも、所詮は自分の脳が作り出したものに過ぎないので、お金等が話す言葉は、自分自身の思い込みや思想が反映されることになる。

 結局、越智啓子様が
「お金等が語った」と思い込んでいるものは、「もし、お金等と話せたら、どういうことを語るか」ということを想像したものと変わりはないのである。




 ※(その9)へ続く。



2016.10.11 新規

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他のスピ系の人たちが主張する「天使との会話」、「宇宙人とチャネリング」なんかも同じだゾ。