『人類アカシャ全史』にツッコミ!(その9) ・・・ ゲリー・ボーネル様
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)(その7)(その8)からの続き。


 本書は対談という形式である為、ゲリー様が
「無能力者がどのようにして、特別な能力があるかのように見せ掛けるか」というテクニックを遺憾なく披露してくれている書籍でもある。

 当記事以降では、その都度解説して来たテクニックも含め、ゲリー様が使用している手法をまとめ、解説して行きたい。



1.基本はただの連想ゲーム

 
インチキ霊能者が行う霊視は、ただの連想ゲームである。

 坂本龍馬の前世で言えば、それまでの会話の中で得た坂本龍馬の情報をもとに、
「その人物の前世は何か」を連想したに過ぎない。

 また、坂本龍馬の暗殺話で言えば、同様に
「誰がどうやって、そして、どのような理由で暗殺したか」を連想したものである。

 ちなみに、
「誰が暗殺したか」について言えば、それは「敵か味方か」二択である。

 ゲリー様は、その二択のうち、
「味方」を選び、さらに、「味方」から「妻の家族」という少し限定した話を連想したのである。

 結果として、大ハズレの霊視となったワケだが、少ない選択肢であるから
、「タマタマ当たる、もしくは、ありえない話ではない」という結果になる場合もある。そのような場合、信者は「そうだったのか!」と鵜呑みすることになる。


 また、今回、ゲリー様は坂本龍馬のことを全く知らなかった為、このような見当違いの霊視となったのだが、そのようなマト外れの確率を低くする為の手法が以下のものとなる。



2.相手に質問し、情報を引き出す

 坂本龍馬の場合、ゲリー様は最初に前世を霊視した後、次のように質問していた。
「その人はあなたにとってはどういう人ですか?」 (P.103)
 前世はテキトーに言ってもバレないので、情報なしでも霊視できる。ただ、その前世を伝えて、相手がピンと来ないような反応であれば、情報を得て軌道修正することになる。

 また、坂本龍馬の暗殺話の途中では次のように質問していた。
「しかし彼の家族に、何で彼に死んでほしいと思う人がいたんでしょうね?」 (P.105)
 本当に能力があるのなら自分が霊視すれば良いだけなのだが、インチキ霊能者は時折このような質問を相手に投げかける
 その理由は、(その8)で解説した通り、やはり、
相手から霊視対象の情報を引き出す為である。

 そして、
その情報をもとに連想・推察し、それっぽい霊視結果を相手に伝えるのである。


 
当たり前だが、インチキ霊能者は、知らないことについては分からない。
 そして、対談しながら霊視する際は、知らないことは知っている人から聞き出すしかないのである。




3.相手の表情・反応を見て軌道修正する

 基本的に連想ゲームで想像・推測した内容を伝えているだけであるが、その結果、相手が得心しているようであれば、その路線で霊視を続ける。

 
もし、相手が意外そうな顔をしたり、怪訝な顔をしているようであれば、上記のような質問をして新たな情報を得たりして、霊視内容を軌道修正することになる(※もっともらしい説明をして、強引に相手を納得させる場合もあるが)。

 軌道修正をして相手が得心するような霊視結果を示せなければ、不信感を抱かせて終わりになってしまうからだ。

 また、軌道修正が今さら不可能な場合は、何らかの理由で自分の霊視が確実なものでないことをアピールしたりして、
言い訳をし出す(※後で詳述)。


 
「霊視対象を知っている相手の様子をよく観察し、表情や返答から反応を読み取る」、それがインチキ霊能者の必須のスキルの一つと言えよう。



4.基本は、「矢を多く放つ」か、「矢を大きくする」か。

 予言で言えば、
「近いうちに○○地方に大きな地震が起きるでしょう」と頻繁にかつ、日本全国を網羅するように言っておく。

 
「近いうち」は捉え方によっては2,3年はOKであり(※解釈しだいでもっと可能か?)、これは「矢を大きくする」に相当する。 そして、「頻繁にかつ、日本全国を網羅するように」「矢を多く放つに」に相当する。

 こんなやり方をすれば、いずれ当たるのは当然である。

 また、「矢を大きくする」の例で言えば、
「近いうち、日本は大きな困難に直面することになるでしょう」と予言する場合。

 
「大きな困難」は、災害、戦争、また、社会的・経済的・政治的困難など何でもOK。しかも、「大きな」という表現も曖昧だから、実質、当たり前のことを言っているに過ぎないものとなる。


 ゲリー様の例で言えば、「パワー」という表現をして、権力、地位、お金、人脈、人望等を含んだ広い範囲にしたのは、「矢を大きくする」に当たる。

 また、「もしかすると彼は別の人と結婚していたか、
あるいはおりょうさん自身が二つの名前を持っていたかだと思うんですけど」と言っていたのは、2本の矢を放っていたことになる。


 このように、インチキ霊能者は、「『矢を多く放つ』か、『矢を大きくする』か」、もしくは、その両方を駆使して、自分のインチキ霊視を当てようとする。

 しかし、それは、
「当たって当たり前」、または、「高確率で当たって当たり前」に過ぎないのである。



 ※(その10)に続く。



2017.06.27新規

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何度も言ってるが、ネット等で「予言的中!」って話題になったら、大抵は「ヘタな鉄砲、数撃てば当たる」だゾ