知的好奇心のススメ(その7) |
※当記事は(その1)、(その2)、(その3)、(その4)、(その5)、(その6)からの続き
6.本の読み方
ある分野の本を一冊ただ読んだからと言って、通常、その本の内容が頭にインプットされて、他人に説明できるようになったり、議論に参加できたりするようにはならない。
知識を持っている人というのは、ただ読むだけではなく、読む以外の何らかの工夫をして手間暇をかけているものである。
以降では、本を読み知識を付けて行く上での注意点や読み方について説明して行きたい。
(1).乱読はしない
これは基本中の基本であるが、「ただ文字面だけを追う」というような乱読は厳禁である。
そのような乱読は本を読んだような気になるだけで、当然、その内容は頭に残らない。時間とお金の無駄である。
また、基本的には乱読ではなくても、「『カタカナの名称』や『グラフや数字による説明』を読み飛ばす」という人も中にはいるものである(※昔の私)。
カタカナの人名や外来語などは、日本語のリズムと異なる上に、漢字の言葉のようにその意味を大まかにでも把握できないし、一方、数字に苦手意識を思っていたり、グラフや表に慣れていなかったりするからだ。
もし、そのようなクセを持っているのなら、この際、直してしまった方がいい。それは部分的な乱読だからである。
なお、無茶苦茶な論理展開や信頼に値しない根拠などで「この本、ダメだわ」と判断したのなら、とっとと読むのをやめたり、飛ばし読みしたりしても構わない。
そのような本に労力を割くのはやはり時間の無駄であるし、ヘタをすれば、誤った知識を植え付けられかねないからだ。
(2).大げさに感動しながら読む・考えながら読む・記憶しながら読む
上記に述べた通り、乱読は厳禁で熟読をすることになるのだが、読む際は、多少、大げさに感動しながら読むと良い。
例えば、「へぇ〜、そうなんだぁ!」、「なるほどねぇ・・・」、「いやいや、それは違うでしょ!」と言うようにである。
その理由は、強い感情を伴った経験ほど記憶に残りやすいからである。
また、読む速さにこだわる必要は全くない。速さに執着してしまうと、無意識に乱読になってしまう危険がある。
むしろ、時に立ち止まって内容を吟味したり、その内容に関連した別のことについて考えてみたりして、ゆっくりと読むのが良い。
当然、立ち止まって考えた内容については、記憶に残りやすい。
さらに、「これは覚えておきたい」と思う語句や内容が出て来た時にも、同じように一旦立ち止まって、何となくでも記憶するようにしよう。
もちろん、普通、それで覚えてしまえるわけでもないのだが、他の本で同じ語句が出て来た際にも同じことを繰り返すことにより、その語句等が自分のものになる確率はどんどん上がって行くことになる。
(3).本を汚す
通常、「物を大切にしなければならない」という意識があって、本に何かを記入したり、折り目をつけたりして汚してしまうことに躊躇を感じてしまうものである。
しかし、読書家で多くの知識を持っている人というのは大抵、本を汚しながら読んでいるものである。汚すという作業を伴った方が記憶に残りやすいし、後で特定の箇所を見返したい時にも便利だからである。
以下では参考までに、私が本をどのように汚しているのかを説明する。
@.マーカー
基本はマーカーを使用し線を引く。黄色の蛍光ペンだと見返す際に目に付きにくいので、ピンクか緑のものを使っている。
明確に決まっているわけではないのだが、重要度がより高いの思う箇所は太い線、そうでない箇所は細い線で引く。
覚えたい単語やその定義等についても太い線である。
A.付箋
マーカーを付けた箇所につき、さらに重要度が高い、もしくは、「これ使えるかも」等と考え、後で見返したい箇所には付箋を付ける。
この付箋についても、重要度によって二段階あって、より重要度が高いものは水平に貼り、そうでないものは垂直に貼っている。
なお、同じページに複数のマーカーをすることが多く、後でどの箇所に対して付箋を貼ったのか分からなくなることを防ぐ為に、該当箇所には矢印等を書き込んで目立つようにしている。
B.落書
先に、「大げさに感動しながら読む・考えながら読む」と記載したが、その内容を簡単にでも本に書き込むようにしている。
これは当HPを運営するようなって出来た作業だが、基本的にはツッコミを入れるものが多い。
「んなワケねーだろ」、「ホンマかいな」、「○ページと矛盾!」、「それ循環論法でっせ」
などと言った文章が私の本には書き込まれている。
このようなツッコミの前段階があって、再度精査した上で当HPのツッコミ記事が出来上がるわけである。
なお、このような落書作業は、該当の本やある分野について内容をまとめたり、論述するのにも役立つであろう。
加えて、「読む」以外に「書く」という作業を加えることにより、記憶の定着に寄与することになる。
C.再チェック
上記のような作業をした上で、本を読み終えた後には付箋を貼った箇所を再度見返すことにしている。
これも、記憶の定着を促す為である。
以上が、私が本を読む際にしている作業である。
これまで、似たような作業をしたことのない人は、これを参考に自分に合ったスタイルを構築して行って欲しい。
また、読書するにあたっては「一冊一冊にどれだけ負荷をかけるか」という問題があり、当然、負荷を大きくすればするほど、記憶の定着度合は高いものになる。
ただ、負荷を大きくすれば、当然、一冊に対する時間も労力も大きくなり、途中でイヤになって、本を読むクセが付かずに終わってしまう可能性も高い。
続いて(その8)では、さらに負荷を掛けるやり方を記載するが、こちらも、「自分に合うか合わないか」で採用するか否かを決めて欲しい。
2016.02.16新規
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