主観と客観(その7)
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)からの続き。

6.客観を装った主観での考え方(偽客観)

(4).客観と「偽客観」の見分け方

 これまで述べて来た通り、「偽客観」は次のような特徴を持つ。よって、対象となる主張を見て、その特徴を有するか否かで「偽客観」か否かの判断が可能である。
A.根拠の非真実性
B.根拠と結論の結び付きが弱い、無い

C.根拠と結論のバランスの悪さ
 より詳細に説明しよう。


@.「A.根拠の非真実性」の検証

 B、Cは主張のみを見れば分かるものである。基本的には主張内で根拠結論が示されているからであり、その結び付きやバランスを確認すれば良い。

 しかし、「A.根拠の非真実性」については、主張を見ても、前提となっている事実が真実か否かは通常不明である(※自分がその事実を知ってでもいない限り)。

 よって、その「真実性」を確認する為には、前提となっている事実の確認する必要がある。いわゆる「ソースの確認」と言われるものだ。

 ただ、「ソースの確認」が不可能な場合もある。

 例えば、(その5)に記載した、Aさんが同僚に話した内容がそうで、Aさんを注意したおじさんに話を聞いて内容を確認するのは困難であるし、その場に居合わせた人を探すのもさらに困難であろう。

 このような、「ソースの確認」ができない場合は次の2つの方法で、前提となっている事実の真実性を判断することになる。

◆主体の信頼性

 まず一つ目は、
主張を提示している主体、つまり、(その5)の例ではAさんの「信頼性」で判断する。

 普段から、物事を大げさに言っていたり、ウソばかり言っている人であるなら、「信頼性」は低いので、Aさんが言ってることは
「あまり当てにならない」と判断することになる。

 もちろん、真実かウソか、またウソならば、どの程度のウソなのかは明確には分からないので
断定は禁物である。


主張と「主体の欲」との関連性

 2つ目は、
なされている主張が「それをなしている主体の
とどの程度関連を持つかで判断する。

 (その5)のAさんの場合、裏には
○ムシャクシャを解消したい
というが隠れていて、その為に主張内容は次のように歪められていた。
○おじさんを限りなく悪く、かつ、自分を限りなく善くして伝えなければならなかった
 よって、が分かれば、どの方向に歪められているかが分かり、より正確な内容を把握する為には、その逆の方向に修正して話を聞けば良いことになる。

 また、特定の主義・思想をもっている団体等の場合も同様である。ぞのような団体は
「自分たちの主義・思想が正しいと思いたい」というを持っている。

 よって、そのような団体から提示される、自分たちの主義・思想に都合の良い情報は、基本的に割り引いて判断することになる。

 もちろん、通常、どのようなをもとに主張がなされているかは明示されることはないので、
主体に関する情報や主張されている内容から推測することになる。

 また、「主張と『主体の欲』との関連性」「真実性」を判断する際、
断定は禁物である。「ソースの確認」を行って事実関係を確認したわけではなく、また、「主体の欲」も推測したものに過ぎないからである。

 あくまで、
「欲に都合の良い方向に歪められる傾向がある」というだけなのである。



 以上、「A.根拠の非真実性」を判断する為には、まずは「ソースの確認」。そして、それが困難な時、また、わざわざその労力を割く必要性がない時は、「主体の信頼性」「主張と『主体の欲』との関連性」でもって判断することになる。
第一 : ソースの確認

 補助@ : 主体の信頼性
 補助A : 主張と「主体の欲」との関連性
 なお、「主体の信頼性」が低ければ低いほど、そして、主張と関連する「主体の欲」が強ければ強いほど、根拠として提示されている事実は大きく歪められている可能性が高い。

 また、歪められた情報には、次の3つがあることはこれまで述べた通りであり、これらの可能性を想定して「A.根拠の非真実性」の判断を行うことになる。
捏造 ・・・ 根拠が全くのウソである場合。
歪曲 ・・・ 根拠の一部を過大、もしくは過小にして、結論にプラスの影響を与える場合。
隠蔽 ・・・ 結論にマイナスの影響を与える事実に言及しない場合。
  

 そして、上述したものは、情報が意図的に歪められていることを前提としたものだが、単なる勘違いやウソの情報を掴まされた可能性もある。

 そのようなケースでも、
「情報源の選別が出来る、出来ない」「簡単に騙される、騙されない」などの「主体の信頼性」で判断することになる。




 ※(その8)に続く。



2016.12.27新規

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