主観と客観(その8)
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)(その7)からの続き。

6.客観を装った主観での考え方(偽客観)

(4).客観と「偽客観」の見分け方

A.「B.根拠と結論の結び付きが弱い、無い」
「C.根拠と結論のバランスの悪さ」の検証

 こちらは(その7)で、「主張のみを見れば分かるもの」と述べたが、実際には出来ない人が少なくない。
 なんとなくの雰囲気で文章を読んで、その雰囲気でなんとなく提示された結論を正しいと判断してしまう人も多いのだ。

 オカルト系・スピ系でよく見掛けるが、単なるダジャレでさえも根拠として提示され、かつ、そんな程度でも真に受けてしまっている信者がそれなりにいるのがその最たる例である。

 また、一般書を読んでみても、稚拙な論理展開や脆弱な根拠で強い結論を提示されているものも良く見掛ける。そして、そんな本でさえベストセラーになっていたりするのだから、ほとんどの人は
「肩書だけで納得して、内容を読めていないのでは?」と思ってしまう。

 とは言え、根拠結論の結び付きの強弱、バランスの良い、悪いを見抜く方法というものは、簡単に説明できるものではない。よって、以下では見抜く力を付ける為の手段について記載することとする。


A.文章を読む際、根拠と結論に注意して読むクセをつける

 著者が何かを主張する場合、当然、根拠結論が提示される。

 結論は、最後か最初に述べられるので、それぞれ次のような形となる。
<結論が最後>

 (根拠) AはBである。
 (根拠) また、CはDである。
       ・
       ・
       ・
 よって、
 (結論) Eである。


<結論が最初>

  (結論) Eである。
  なぜなら、
  (根拠) AはBだから。
  (根拠) また、CはDだから。
      ・
      ・
      ・
 <結論が最後>の場合は、先に根拠が述べられるので、提示される根拠を見ながら、どのような結論に向かっていくのかを予想しながら読むことになる。

 そして、最後に結論が述べられたら、提示された根拠を再度見直し、その結論に足る根拠であったかを検証する。

 一方、<結論が最初>の場合は、先に結論が述べられるので、その後に提示される根拠を見ながら、その結論に対して十分な根拠が提示されるかを検証しながら読む。

 そのようなクセを付けることで、根拠の強弱根拠と結論のバランスがある程度分かるようになるだろう。


B.詭弁のパターンを知っておく

 「詭弁」とは、
goo辞書「き‐べん【詭弁/詭辯】
1 道理に合わないことを強引に正当化しようとする弁論。こじつけ。「詭弁を弄(ろう)する」
のことであり、簡単に言えば「こじつけ」なので、根拠結論の結び付きはなく、根拠として不成立のものである。

 詭弁のパターンを知る為には、それについて説明された書籍を読むことである。参考になる書籍を掲示しておくので、興味ある方は参照願いたい。
『論理で人をだます方法』

 いろんなパターンの詭弁が掲載されている。

 ただし、「それは詭弁か??」と思えるものも紛れていて、ちゃんと考えながら読む必要あり。ちなみに、一部、訳者にツッコまれていたりする。




『知っておきたい 考えることの基礎』

 また、当サイトの「もっともらしいだけの根拠」シリーズも参考になるであろう。
「もっともらしいだけの根拠」
(その1)言葉遊びの根拠 〜 (その20)

C.何かを主張する文章を書く

 根拠の強弱根拠と結論のバランスを分かるようになるには、自分で何かを主張する文章を書くのが一番である。

    ・○○が正しい
    ・○○は誤りだ
    ・○○すべきだ

 人はみな、このような意見を持っているものだが、自分ではきちんと考えてそのような結論を出したつもりでも、実際は、不十分な考えの場合が多いものだ。

 そのことは、その結論を根拠と共に文章にしてみれば明らかとなるだろう。

 そして、文章にする際、足りない根拠を補って、自分では
「完璧な論理展開だ。批判しようがないだろう!」と思っていても、何年か後に見返せば、「『穴だらけで恥ずかしい文章だな・・・』と苦笑する」というのも良くあることである。

 1週間等、定期的に何らかの主張を文章化すること、そして、文章化するに当たっては、根拠と結論の結び付きとバランスに気を付けること。

 それを続ければ、確実に
「偽客観を見分ける力」、そして、考える力が身に付き、向上させることができるだろう。


 なお、出来あがった文章は、ブログ等で公開するのがベターである。

 他人から批判を受けることで、自分が見落していた点に気づかされる場合もある。
 また、時に、ワケの分からない批判を受ける時もあるが、その批判がどういう理由で
「ワケが分からないのか」を考察することも「偽客観を見分ける力」の向上にに寄与することになる。




 ※(その9)に続く



2017.01.10新規

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