インチキ教祖・教団の手口(その9) |
※当記事は、(その1)、(その2)、(その3)、(その4)、(その5)、(その6)、(その7)、(その8)からの続き
6.特定概念の刷り込み
インチキ霊能者・教団は、信者に対し霊能者や教団にとって都合の良い概念の刷り込みを行うものである。
その概念には、例えば以下のようなものがある。
(1).信仰は美しい・尊い
教団内では、「信仰を守り、維持し続けることは美しいこと、尊いこと」であるとされ、「信仰そのものが至高の行為」であるとされる。
何故、これが教団にとって都合の良い概念であるかは、容易に推察できるであろう。
例えば、教団外にいる家族たちは、なんとか信者をやめさせようと説得を試みて来る。
しかし、「信仰を守り、維持し続けることは美しいこと、尊いこと」等とインプットしておけば、家族等から説得を受けても、何とか尊いはずの信仰を守ろうと努力するようになるからである。
また、インチキ教団は次のような様々な矛盾を内包しているものである。
○教義の過ち
○当たらない予言
○治らない心霊治療
○教祖・幹部たちの豪奢な生活
○教祖・幹部たちの神に近い人間にあるまじき横柄な態度
・
・
・
・
|
当然、信者たちはこのような事実に接している内に、信仰が揺らいで来るものである。
しかし、「信仰そのものが至高の行為」と刷り込んでおけば、このような様々な矛盾に接しても何だかんだと理由をつけて正当化し、信仰を守ろうとするようになる。
自分の信仰心の揺らぎを「自分の信仰が試されている」と考えて、そのブレを修正しようとするようになるからだ。
そして、その正当化とは、例えば以下の通りである。
○教義の過ち
→ 真理は理屈じゃない!
○当たらない予言
→ 祈りによって回避したんだ!
○治らない心霊治療
→ 治療を受ける側の信仰心が薄かったからだ!
○教祖・幹部たちの豪奢な生活
→ 立派な人は、それ相応の生活を送って良いんだ!
○教祖・幹部たちの神に近い人間にあるまじき横柄な態度
→ 私達を気づきを与え、成長させる為にあえて横柄な態度をとっているんだ!
・
・
・
・
|
そして、教団外の、例えば、「教祖が不倫している」という報道に接した場合、「教祖様がそんな人だとは思わなかった!」等と言って信者を辞める人は、教団内では、至高の行為である信仰を捨てた者として落伍者の烙印を押されることになる。
教祖の不倫報道に接しても、それはやはり、信仰を試されているに過ぎず、「そんなことでは私の信仰は揺るぎません!」などと宣言して信仰を守り続ける者こそが、「立派な信者」、「信者の鏡」として称賛されることになるのである。
「信仰は美しい、尊い」という概念を刷り込むことが、インチキ教祖・教団にとって如何に都合の良い結果をもたらすものであるかがお分かりになるであろう。
実際のところ、信仰という行為自体は無価値である。
信仰する対象、そして、信仰に入る、もしくは、守る状況によって、その価値は高くもなり低くもなるものだからである。
例えば、「イワシの頭も信心から」と言うことわざがあるが、実際に毎日、イワシの頭を拝み続けている人がいたら、その信仰を美しいとか尊いとか思うだろうか。
また、カルトと言われている宗教の信者たちの姿を見て、美しいとか尊いと感じるだろうか。
逆に、醜いとか愚かとしか思わないであろう。
それは、信仰する対象によって、その価値は高くもなり低くもなるものだからであり、信仰するに値しないものを信仰する行為は愚かでしかないからである。
また、仮に素晴らしい宗教があったとしても、次のような理由で信者であることを辞めない人は美しくはないだろう。
・その宗教で高い地位を得て社会的に認知されたいので、平信者の今、信仰を辞めたくない
・信者でいると死後、神の国に行けると言われているから、信仰を辞めたくない
|
一方、「信仰を捨てなければ殺す」と脅されても屈しない信仰心は、時に、人々に大きな感動を引き起す。
信仰を守る状況によって、その価値は高くもなり低くもなるものだからである
以上、信仰自体は無価値で美しくもなければ、醜くもない。
そして、様々な矛盾等から目を背け、信仰に値しないものを信仰し続けようとする態度は醜く、愚かであり、それはただの盲信に過ぎないのである。
(2).神を試してはならない
「神を試してはならない」は、霊言等で神の言葉を伝える自称霊能者にとって都合の良い概念である。例えば、次のような信者の試みを封じることが出来るからである。
○未来が分かると言うのなら、明日の巨人阪神戦の結果を当ててみて下さい。
○何でもお見通しと言うのなら、私の部屋の机の上から3番目の引き出しに入っている物を当てて下さい。
|
そして、この概念を刷り込むことによって、その神の能力や「本当に神と言える存在であるのか」等の検証を封じた上で、自称霊能者が神の言葉とするものを無条件に受け入れさせることが可能となる。
なお、この概念については、以下の記事で述べたので、詳細は該当記事を参照して欲しい。
記事「もっともらしいだけの根拠(その5)」 5.未実証の根拠
1.立証責任は自称霊能者にある
○アマーリエ(レムリア・ルネッサンス)のケース
C.古来、神等を試してはいけないとされている
|
※(その10)に続く
2015.10.06新規
|
(※「AIRランキンク」゙さんの精神世界ランキング。クリックすると、当HPに一票入れたことになります)
|
|
|