「光の時代がはじまりました」にツッコミ!(その10)・・・越智啓子さま
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)(その7)(その8)(その9)からの続き


 当記事では、精神科医の越智啓子様が行っている過去生療法関連について見て行きたい。(※越智啓子様は他にもアロマ、クリスタル、笑い、ヴォイス等を使った治療も行っている)
<参考> Wikipedia「前世療法」より (※前世療法=過去生療法)
前世療法とは、催眠療法の一種であり、人間は死後人間に生まれ変わるという転生論を前提とする。退行催眠により患者の記憶を本人の出産以前まで誘導(= 過去生退行)し、心的外傷等を取り除くと主張されている。
 まずは、過去生療法を行っている越智啓子様自身の過去生からである。
『光の時代がはじまりました』 (越智啓子/徳間書店/2012.3) P.144-145
 私もたくさんの「魂の宿題」をすませています。まだ続行中です。
 
ムーの時代、アトランティスの時代、レムリア時代、エジプト時代、ギリシャ時代、ローマ時代、フランス時代、ドイツ時代、イギリス時代、アフリカ時代、インディアン時代、アイヌ時代、平安時代、戦国時代、江戸時代、琉球時代、中国時代、広島原爆の分など、ざっと思い出しただけでもこんなに・・・・・・びっくりです。まだ抜けているかもしれませんが、やはり過去生療法をするだけに、たくさんの人生を経験していますね!


(管理人注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様)
 「ムーの時代、アトランティスの時代、レムリア時代」(笑)

 
自らの過去生がただの妄想だと主張しているのと等しいのだが、スピ系にどっぷり浸かってる人相手なら通じるのだろう。

 もう、「今さら」感が半端ないが、言っておこう。
ムー、アトランティス、レムリアなど存在しない。

 念の為、それぞれについて簡単に解説しておこう(
※既に知ってる人は読み飛ばして下さい)。
<ムー>

 そもそものきっかけは、マヤ研究家のチャールズ・エティエンヌ・ブラッスール・ド・ブールブール(1814-1874)で、マヤ文字と絵で構成された
『トロアノ絵文書』を誤訳したことから始まる

 ブールブールはこの絵文書に
「アトランティス滅亡の話が書いてある」と勝手に信じ込んだ上で、絵文書にたびたび登場する1対のシンボルを「ムー」と訳し、これこそがアトランティスのことに違いないと決めつけた(※『トロアノ絵文書』は、実際には儀礼や暦について記されたもの)。

 その後、誤訳の度にスケールを増して行ったムー伝説だが、それまでは「アトランティス=ムー」で大西洋上にあったことにされていた。それを太平洋に持って来たのがイギリスの自称「陸軍大佐」、ジェームズ・チャーチワード(1851-1936)である。

 チャーチワードは、1868年から1890年にかけてインドで軍務に就いていた際、余暇で訪れたヒンズー教の寺院で『ナーカル碑文』を見せられ、そこには太古、太平洋の中央部にムーと言われる巨大な大陸があり、文明が栄えていたことが記されていたと主張した。

 しかし、チャーチワードがインドで軍務に就いたと主張する1868年は彼は17才で、実際にはイギリスにいた。本当の彼の経歴は次の通りである。
1851年、イギリスに生まれる。
1872年頃、スリランカで紅茶農園の経営を開始する。
1880年代に渡米し、鉄道関係のセールスマンや技術者をした後、鉄道用品会社を立ち上げる。
1890年から鉄道用品関連の特許を取り始める。
1910年までにニューヨークにチャーチワード・インターナショナル・スティール社を設立。
第一次世界大戦前後、USスチール等と特許をめぐって訴訟となり、鉄鋼業界から抹殺される。
1917年には、失意のうちにコネティカット州レイクヴィルに移住する。
1926年、『失われた大陸ムー ―― 人類の母国』を刊行。

<アトランティス>

 アトランティス大陸の元ネタはプラトン(前427‐前347)の対話篇『ティマイオス』と『クリティアス』であり、そこでは、アテナイの政治家ソロン(前639‐前559)がエジプトの神官から聞いた話として、アトランティス伝説がクリティアス(前500頃-前420)の口から語られる。

 しかし、これらの書籍の中の舞台設定は紀元前421年のことだとされていて、それはプラトンが6才時で、そもそも本当にその場にいたのか、仮にいたとしても内容を覚えられたのか、はなはだ疑問が残るものである。

 また、神官からアトランティス伝説を聞いたというソロン、そして、曾祖父からその話を聞いたというクリティアスら自身がアトランティス伝説について何も書き遺していないのに加え、エジプトに長期滞在して膨大な情報を収集したはずの歴史家ヘロドトス(前485-前420)でさえも全く記載していない。

 プラトンの2冊以外には、エジプトにもギリシャにもアトランティス伝説は残っていないのである。

 結局、プラトンが記載したアトランティス伝説は、理想の国家がどうあるべきかを論じる為に、その対極に位置する、堕落して神に滅ぼされた国を構想し、創り上げたと考えるのが妥当なものなのである。


<レムリア>

 レムリア大陸は元々、学術的な根拠から唱えられた大陸である。

 アフリカのマダガスカル島にはキツネザルが生息しているが、この仲間は世界中で存在していない。しかし、同種の化石がインドから発見され、また、近縁の種はインド洋を挟んでアフリカ中部と東南アジアのマレー半島、インドネシアにのみ生息している。

 このことから、1874年、インド洋にかつて大陸が存在していたという説を唱えたのが、イギリスの動物学者フィリップ・ラトリー・スクレーターである。そして、その大陸は、キツネザル(レムール)にちなんでレムリア大陸と名付けられた。

 この説では、レムリア大陸で誕生したキツネザルが陸橋を伝ってアフリカとアジアに移住したとし、また、約5千年前にレムリア大陸は沈没したが、西端のマダガスカルだけが海面に残ったとした。

 しかし、この説は、1968年にプレートテクトニクス理論が完成し、大陸移動説の裏付けが確実なものとなったために否定されている。上記のようなキツネザルの近縁種の分布は、インド洋の架空大陸を想定しなくても、大陸の分離・移動によって説明できるからである。


<参考> 地質調査の結果
 そもそも論として、太平洋、大西洋、そしてインド洋に、かつて大陸など無かったことは地質調査の結果、明らかとなっている。

 海底と大陸では、地殻を構成する組成が異なっており、海洋地殻が玄武岩を中心に出来ているのに対し、大陸地殻は安山岩が中心になっている。

 地質調査をすれば、海底であろうと、そこがもともと地上であったのか、海底であったのかが分かるのである。



※詳細については、以下の書籍等を確認して欲しい。

 <ムー>
   ○『謎解き 古代文明』 (ASIOS/彩図社/2011)  P.210-221
      

 <アトランティス>
   ○Wikipedia「アトランティス
   ○『トンデモ超常現象99の真相』 (と学会/洋泉社/2011)  P.146-151
   ○『謎解き 古代文明』 (ASIOS/彩図社/2011)  P.104-115

 <レムリア>
   ○Wikipedia「レムリア
   ○『トンデモ超常現象99の真相』 (と学会/洋泉社/2011)  P.156-159

 このように存在するはずのないムーアトランティスレムリアが過去生にラインナップされているのは、越智啓子様が自分の過去生だと思い込んでいるものが、単なる妄想に過ぎないことを意味している。

 
真実の過去生ではなく妄想だから、ガセネタでも真実と思い込んでいれば、過去生として登場することになる

 所詮は、これまで見て来た、越智啓子様による台風や天使、龍などとの対話と同様に、越智啓子様の脳が作り上げた創作に過ぎないのである。


 ちなみに、ムー関連で言えば、越智啓子様、沖縄がムー大陸の一部だったと思い込んでいるようで、、、
『光の時代がはじまりました』 (越智啓子/徳間書店/2012.3) P.27
 沖縄自体が、昔、平和でユートピアだったムー大陸の聖なる山々だったので、沖縄本島や離島へ来るだけで、パワーをもらって元気になるのです。
 沖縄が「ムー大陸の聖なる山々だった」って(笑)

 チャーチワードが唱えたムー大陸ですら、沖縄どころか日本列島も含まれてないのにねぇ。(※参考:Wikipedia「ムー大陸」の図を参照)

 しかも、「聖なる山々」「聖なる」って、いったい、どこから出て来たのやら・・・





 以上、妄想と現実の区別がつかない越智啓子様らしく、過去生とやらも、やはり妄想。

 しかも、その妄想は留まることを知らず、どんどんと広がって行く。越智啓子様には上述以外にも過去生があるようなのだが、続きは(その11)にて。



2016.10.25 新規

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ホント、いい試金石になるよな、ムー、アトランティス、レムリアって。