『人類アカシャ全史』にツッコミ!(その13) ・・・ ゲリー・ボーネル様
※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)(その7)(その8)(その9)(その10)(その11)(その12)からの続き。


 当記事では、これまでに触れて来なかったゲリー様のインチキ・テクニックを見て、終わりとしたい。



8.信者の懐疑心を奪う

 ゲリー様は手の上に炎を出すことが出来るそうなのだが、古川氏からそれを見せてくれるように頼まれる。まずはそのやりとりを見てみよう。
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.79-80
古川 どんなことをして見せたんですか?

ゲリー
 
私の手の上に炎を出して見せたんです。

古川 いまでも出せますか?

ゲリー できますよ。

古川 
それ、見せてもらえませんか?

ゲリー 
まだ、あなたは準備ができていません。 ~(後略)~


(※管理人注) 文字に色を付けたのは管理人(以下同様)。
 古川氏に見せてくれと頼まれ、「まだ、あなたは準備できていません」と断るゲリー様。

 いったい、何の準備が出来ていないのかと言うと、、、
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.80
古川 僕の準備ができたら見せてくれるんですか?

ゲリー
 はい、あなたの準備ができたらね。

古川 どうすれば準備ができるのですか?

ゲリー 
マインドの頑固さを手放すことです

古川 わかりました。

ゲリー 
それは三年間やってくださいよ
 ともかくそれがファーストステップです。マインドの頑固さは一度手放せば永遠に手放せます。申し上げたいことは、私は長い間教えていて、ともかくグルになることを遠ざけてきました。 
~(後略)~ 
 どうやら、「準備」とは、「マインドの頑固さを手放すこと」らしい。

 炎を出して見せた方がむしろ、
「ホントにこんなことも出来るんだ!」「マインドの頑固さを手放すこと」に寄与することになると思うのだが、相変わらず、ワケの分からないテキトーな言い訳で誤魔化すゲリー様である。


 さて、ここで注目したいのは、ゲリー様が「マインドの頑固さを手放すこと」が必要だと言っていることである。

 ここでは、それが具体的にどのようなことかは説明されていないが、他にも次のような発言があり、
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.79
(※管理人注) 小さい頃に見えていた色々なモノが見えなくなった理由についての説明

ゲリー
 なぜなら、それはマインドが頑固だからです。あなたの文化、そして家族によってトレーニングを受けてしまったからです。
おおよそ、次のことを意味しているのだろう。
<マインドの頑固さの意味
「そんなこと、あるわけがない、できるわけがない」「ウソに決まっている」などと言った、超能力、宇宙人、神、霊等を否定する、常識に捕らわれた考え方、物の見方のこと
 そして、結論から言えば、ゲリー様が推奨する「マインドの頑固さを手放すこと」、それは、インチキ霊能者や宗教がよく使う、
信者の常識を失わせ、懐疑心や判断力を奪う
テクニックの一つである。

 より具体的に説明すれば、次のような行為は全て「マインドの頑固さ」を意味することになる。
<マインドの頑固さ>
○ゲリー様がアカッシックレコードを参照できることを疑うこと、否定すること
○ゲリー様が、過去や未来が視えることを疑うこと、否定すること
○ゲリー様が、手から火を出せることを疑うこと、否定すること
○ゲリー様の教え通りに修行すれば、特別な能力が得られることを疑うこと、否定すること

 常識的・合理的・科学的に考えて、ゲリー様が特別な能力を持っているはずがないのだが、そのような常識等は「マインドの頑固さ」を意味し、手放さなければならない

 そして、「マインドの頑固さ」を手放した信者が如何に扱いやすいかは想像に難くないであろう。
○ゲリー様がどんなに霊視や予言を外そうが、とにかく信じ続ける。
○ゲリー様が白だと言えば、黒いものでも白だと受け入れる。

 そのようなな盲信・狂信の信者を創り上げる為の手法が、「マインドの頑固さを手放すこと」なのである。


 だからこそゲリー様は、先に見たように、
「あなたはまだ、マインドの頑固さが手放せてませんから、手から火を出してあげませんよ」という旨のことを言って、事ある毎に常識や懐疑心を捨てさせようとしてくる


 さらに、ゲリー様は「マインドの頑固さを手放すこと」の利点を、次のようにアピールしている。
『人類アカシャ全史』 (ゲリー・ボーネル+古川益三/VOICE/2002.2) P.77
ゲリー はい、すべての文化にそういう人がいるようです。私が言いたいことは、頭が頑固さを手放すことさえできればなりたいものになれるということなんです。
 
私の知り合いの女性がこんな話をしてくれました。
 「
子どもたちが、魔法のプレゼントをゲリーからもらいました。それ以来、家族の中で、願ったことがすぐに現実化していくということが起こりはじめました。それは、私を含め、ゲリーさんとの交流によって家族一人ひとりが自分たちの頑固さを克服することができるようになったからです。ゲリーさんの意識のあり方が私たちの頑固さを和らげてくれたのですね。
 ですからゲリーさんの魔法によってそうなったのではなく、実際に魔法を使っているのは私たちなんです」と。
 マインドをせばめていくタリバンとは逆のことをしたのです。

 このように、「マインドの頑固さを手放すこと」ができれば、
「なりたいものになれる」
「願ったことがすぐに現実化していく」

ようである。

 これが本当なら、誰でも「マインドの頑固さを手放すこと」を実践しようと思うだろう。

 そして、そう思ってしまえば、
ゲリー様の思うツボなのである。



9.講演会・セミナーに参加させる為のエサ

 先述の、「マインドの頑固さを手放すこと」の利点が書かれた箇所には、「知り合いの女性」の言葉が記載されていたが、それを読めば、非常に簡単に次のことが実現するような印象を受ける。
「なりたいものになれる」
「願ったことがすぐに現実化していく」

 そして、この話を真に受けた人は、まずは自分で「マインドの頑固さを手放すこと」を実践するだろう。

 しかし、当然、そのようなことは実現しない。

 そして、ゲリー様の本を読み込んでみても、やっぱり実現しない。

 それでもまだ騙されていることに気づかなければ、ゲリー様、もしくは、ゲリー様に近い人に直接会って指導を受けることを考え始める。

 つまり、ゲリー様の団体が主宰する講演会やセミナーに参加するようになるのだ。

 そうなれば、
ゲリー様の仕掛けたエサに、まんまと釣られたことになる。

 しかし、高い金を払ってセミナーを受講しても、やっぱり、特別な能力は身に付かない。

 そうして、
「どうして私は、願ったことがすぐに現実化していくようにならないのでしょうか?」とゲリー様に聞いたとしよう。
 すると、次のような答えが返って来ることだろう。
「あなたはまだ、マインドの頑固さを手放し切れてはいないからです」
 実際には、疑念を完全に捨て切ること、常識を全て捨てることは不可能に近い

 それは、
「自分は空を飛べる」ということをほんの僅かな疑念も残さずに信じる切ることが出来るかを想像してみれば、分かるだろう。

 よって、どんなにゲリー様の言うことを信じ切っていたとしても、
「心の奥底に、ほんのわずかの疑念が残っていますよね?」と言われれば、肯定せざるを得ないことになるである。


 このようにゲリー様は、可能なようで不可能なことを要求し、それが出来れば夢のようなことが実現できると主張する。

 それに釣られた人は、ウソであることに気づかない限り、金を払ってセミナー等に参加し、無駄な努力をし続けることになるのである。





 以上、当シリーズの後半はゲリー様のインチキ・テクニックの解説であったが、他のインチキ霊能者も同様のテクニックを使用しているので心に留めておいて欲しい。




2017.07.25新規

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エサっつっても、食い付いても腹の足しにもならないルアー(疑似餌)な。