悟りと魔境(その9)
(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)(その7)(その8)からの続き


3.自称霊能者たちの神秘体験

(4).坂本政道氏(ヘミシング)のケース

 坂本政道氏は、ヘミシンクなる手法を使って宇宙人(※実は、神や天使たちは宇宙人という設定)とコンタクトし、そこから得た情報を書籍等で公開している人物。また、ヘミシンクの普及の為にアクアヴィジョン・アカデミーを設立し、セミナー等を行っている。

 まずは、ヘミシンクなるものを押さえておこう。坂本政道氏の著書によると以下の通りである。
『分裂する未来』 (坂本政道/ハート出版/2009.3) <P.18-19>
ロバート・モンローとヘミシンク

 私はこれまでヘミシンクという技術を用いて特殊な意識状態に至り、そこで体験したことがらをレポートしてきた。このコラムでは、
ヘミシンクとそれを開発したロバート・モンローについて紹介したい。
 アメリカでラジオ番組製作会社の経営者であったロバート・モンロー(1915〜1995)は1958年に睡眠学習の研究を行ううちに体外離脱を体験した。これが自分が自分の肉体から離れた位置にいると認識する体験である。その夜もこの体験は続き、彼はこの現象の研究を行う必要に迫られた。
 この研究から生まれたのが
ヘミシンクという音響技術である。
 これは、
ステレオヘッドフォンを通して、右耳と左耳に若干異なる周波数の音を聞かせるもので、周波数の差に相当する脳波が脳内の脳幹で誘発されることを利用する。周波数差を適切に選ぶと、脳波を希望する状態へと誘導することができる。実際のヘミシンクにはいくつもの周波数のペアがブレンドされている。
 元々はモンローがしていた
体外離脱体験を再現するために開発されたのだが、その効果はそれに留まらない。人間意識を探求する手法として広い応用が可能である。
 具体的には、
自分が肉体を超える存在であることを知る自分の高次の意識の部分と交信する過去世を知る死後世界を探求する地球外生命体と交信する宇宙内を探索する、こういうことが可能である。


(注)文字に色を付けたのは管理人(以下同様)
 このように、ヘミシンクとはロバート・モンローが開発した技術で、「ステレオヘッドフォンを通して、右耳と左耳に若干異なる周波数の音を聞かせ」「脳波を希望する状態へと誘導する」「音響技術」のことのようである。

 そして、このヘミシンクを使えば、次のようなことが出来るようになると解説されている。
○体外離脱体験
○自分が肉体を超える存在であることを知る
○自分の高次の意識の部分と交信する
○過去世を知る
○死後世界を探求する
○地球外生命体と交信する
○宇宙内を探索する
 結局は、オウム真理教で悟ったと称した人達が、また、巷の自称霊能者たちが出来ると主張しているものと似たようなもの。

 ヘミシンクとは、
「悟りを、音響技術の助けを借りて実現するもの」と定義しても良いだろう。(※あくまで、「上記解説を信じるとしたら」の話だが)


 また、ヘミシンクとは上述の通り、「脳波を希望する状態へと誘導する」技術であるが、オウム真理教で悟りの段階(ステージ)が設定されていたように、ヘミシンクでも次のような段階が設定されている。
『分裂する未来』 (坂本政道/ハート出版/2009.3) <P.20-21>
フォーカス・レベル

 モンローはこういった非日常的な意識状態を探索する過程で、いくつもの
有意義な意識状態を特定した。そしてそれらを区別するために番号を付けることにした。それらはフォーカス・レベルと呼ばれる。フォーカス1は覚醒状態で、意識がこの物質世界にしっかりとフォーカスしている状態である。この意識はモンロー研ではC1とも呼ばれる。大雑把に言うと、番号が大きくなるにつれ、意識は物質世界から離れていくと考えていい。ただし、番号は飛び飛びの値をとる。詳しい解説は拙著『死後体験』(ハート出版)などをご覧いただきたい。ここにはその概説を載せる。


フォーカス10 肉体は眠り、意識は目覚めている状態
フォーカス12 知覚が広がった状態、意識が肉体、物質界の束縛から自由になる。
フォーカス15 時間の束縛から自由になった状態。
フォーカス21 この世とあの世の境界領域。
フォーカス23〜27 死後世界。
フォーカス23 死後世界の中の囚われの領域。
フォーカス24〜26 死後世界の中の信念体系領域と呼ばれる領域。さまざまな信念、価値観に応じた世界がある。
フォーカス27 
死後世界の中の輪廻の中継点
フォーカス35 地球生命系の束縛からの自由。I/There(アイゼア)がある。地球外生命体が多数集まってこれから地球で起こることを観察している。
フォーカス42 
太陽系の束縛から自由。I/There(アイゼア)クラスターがある。
フォーカス49 
銀河系の束縛から自由。I/There(アイゼア)クラスターの集団がある。


I/There(アイゼア)

 向こうの世界(There)の自分のことを意味するモンローの造語。すべての過去世と現世の自分の総体のこと。一般的に使われるトータルセルフやオーバーソウルと類似の概念と考えられる。


I/Thereクラスター

 フォーカス42では、自分のI/Thereが他の多くの人のI/Thereとつながっているのが把握される。自分のI/Thereとつながった関連するI/Thereの集団をI/Thereクラスターと呼ぶ。この中には地球以外の生命系を探索している存在たちも多く含まれる。探索範囲は通常は太陽系近傍の星々である。

I/Thereスーパークラスター

 フォーカス49では、自分のI/ThereクラスターがいくつものI/Thereクラスターとつながり、海のように広がっているとモンローは述べている。これをモンロー研ではスーパークラスターと呼ぶことがある。この段階までくると、この中には銀河系内やお隣のアンドロメダ銀河などを探索している存在たちも含まれる。このトップの存在たちはクラスター・カウンシルと呼ばれる。

 フォーカス27で「死後世界の中の輪廻の中継点」とあることを鑑みれば、それ以前のフォーカスは現世を含む転生輪廻の輪の中、それより先は涅槃と言うところか。

 そして、フォーカス35以降は
「地球規模→太陽系規模→銀河系規模」と、単純に空間の規模が広がって行くイメージである。。こちらの概念は(その3)で見た、大川隆法氏の宇宙即我の悟りと類似のものと言えよう。

 なお、この手のトンデモ系、宗教系の本をよく読んでいる人には、「フォーカス」と言われるより「次元」と言われた方がとっつき易いかも知れない。


 そして、坂本政道氏自身は上記で記載されているフォーカスの最高レベルである49にまで行けるようであり、つまりは、「銀河系の束縛から自由」になっている(もしくは、なれる)ようである。

 さて、続いて(その10)では、「銀河系の束縛から自由」であるようである坂本政道氏がフォーカス49でどのような体験をしているかを見て行きたい。




2014.09.23新規

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